気になるニュースがあったのでコメントしておきたいと思います.
「国立大学などの公的研究機関で働く研究者は全体では増えているものの、若手に限れば減少していることが、内閣府の調査でわかった。予算削減のために新規雇用が伸び悩み、若手がしわ寄せを受けている形だ。」
(中略)
「37歳以下の若手は約1万6500人で7・4%減った。独立行政法人については雇用形態も調査。37歳以下では正規雇用が09年度に998人と05年度に比べ22%減る一方、非常勤は52%増の1140人となり、若手研究者の不安定な労働環境が改めて浮き彫りになった。」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101220-OYT1T00650.htm
(2010年12月20日14時53分 読売新聞)
元データがないので正確な数字は不明ですが,実感としてそうだろうなという気がします.
僕の研究所でも,正規職員16人のグループで37才以下は僕だけですし.
(任期付きの僕が正規職員なのか自信がありませんが).
非常勤雇用という若手研究者の不安定な労働環境は特に問題かと思います.
学位取得後にポスドクとして研究拠点を異動して,広い視野と研究手法を身につけるのは有意義なことで,必ずしも学位取得後すぐに正規雇用として採用される必要はないかもしれません.
ですが,不安定な労働環境ではこの様にポジティブな研究機関の異動は難しいです.
結婚とか家族計画も出来ませんし,女性研究者だともっと色々難しいでしょう.
他にも学振研究員採用の凍結など,今の日本の若手研究者を取り巻く環境は厳しいです.
以前も触れましたが,今後多くの若手研究者が海外脱出を検討するかもしれません.
ただ,あまり触れられていませんが,この正規雇用の減少の原因の一つとして団塊世代の定年延長の影響もあるかと思います.
個人的に定年延長に反対はしません.アメリカでは定年制すらないですからね.
でも「あちら立てればこちらが立たぬ」ですが,定年延長の結果として新規雇用が減少した可能性についてはちゃんと検証して頂きたいなと思っています.
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