JOIDES Resolution (JR)号 の研究航海に乗船する知人に会うため,オークランドに行ってきました.
これが新装JR号です.
改装前と雰囲気は変わったでしょうか?
(改装前 http://polar-paleomagician.blog.so-net.ne.jp/2010-12-15)
折角なので,世界随一の科学調査船の内部を少し紹介したいと思います.
(まあ日本の深部掘削船「ちきゅう」の方が凄いらしいですが)
これはMSCL (Multi-Sensor Core Logger)と呼ばれるマシンです.
その名の通り,沢山のセンサーが一度に働き,試料の物性データを取得します.
具体的には磁化率,バルク密度(Gamma density),P波速度,電気伝導度などが連続的かつ高解像度で測定できます.
これは自然ガンマ線を測定する装置(らしいです.僕も始めてみました).
粘土鉱物量や種の同定に利用すると思われます.
ちょっと散らかっていますが,これらは古地磁気関連の装置です.
まず真ん中の小さな白いマシンが試料の残留磁化を測定する機械(スピナー磁力計)です.
チェコ製で,設計が芸術の域に達している僕もお気に入りのマシンです.
チェコのこういった繊細な機器の製作技術には素晴らしいモノがあります.
右側は交流消磁装置と言って,交流磁場を使って試料の磁化を消磁する機械です(そのままですが).
交流磁場を180 mTまであげられるそうです.
左のパソコン上ではスピナー磁力計を制御しています.
このモニターはマックとWin両方に接続されていました.
モニタの左上に注目ですが,INTERNETとあります.
実は,航海中のJR号では限られたパソコンしかインターネットに繋げません.
そして,使えるパソコンにはこうやって印が付けてあるそうです.
と言っても僕が乗船した7年前はネットを使えませんでしたので,昔日の感がありますね.
まあ,南極調査中なんかは3ヶ月ぐらいネットもメールも無い世界ですので,無ければないで何とかなります.
以上,紹介したのは船内にある機器のほんのごく一部です.
通常の航海では,20〜30人の研究者が24時間体制(2交代)で2ヶ月間,ぶっ通しで採取した試料の測定・分析を行います.
基本的に休みはありません.
そして,それぞれの研究者は各自の専門分野に即した測定・分析機器に張り付くわけですが,正直言って他の研究者の担当する機器については詳しく知らないこともあります.
まあ研究で用いるような機器はそれぞれが特化しているし,各自がチューニングしている場合もあるので,自分が必要とする機械に精通するのが精一杯という感じですね.
そのうち日本に帰国したら,僕のラボも紹介したいと思います.
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