NZ名物の恐竜の卵が海岸に落ちていました.
というのはウソで,モエラキ・ボールダーと呼ばれる石です.
場所はクライストチャーチから200 kmほど南に下ったオアマルという街近くの海岸です.
それにしても惚れ惚れするほど見事な球形です.
海岸を歩いて行くと,こんなに揃って並んでる奴らもあります.
また,崖を見ると,まさに今地層の中から生まれてきた様なヤツも.
とても不思議な感じです.
さて,この石の正体ですが,これらは石灰岩ノジュールと呼ばれる岩石です.
周りは基本的には泥からなる地層ですが,生物の遺骸など核となるもの周りに炭酸カルシウムが濃集して固まったものと考えられます.
そして,石灰岩ノジュールは周りの地層よりも侵食につよいため,この様に海岸にコロコロと残されている訳です.
ちなみに,中身はというとこんな感じです.
塊全体が石灰岩という訳でないく,核となったものから泥岩中に炭酸カルシウムが網目状(蜂の巣状?)に染みこんでいった様子が見て取れます.
以上の観察から,この過程は地層の圧密前,つまり海底下での初期続成で進んだと考えられ,炭酸カルシウムは核となったものから供給されたのかもしれません.
(正確には,核になった生物遺骸を中心に起きた硫酸還元バクテリアの活動によって有機物が分解され,そこから供給された炭酸水素イオンが海水中のカルシウムとくっついて炭酸カルシウムが析出したのでしょうか.炭素の同位体比を調べれば,起源が生物起源の有機物かを確かめることができるでしょう)
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