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なんちゃってバイリンガル教育に陥らないために

「熱中できることを見つけてほしい、一つでもいいから。」

変に「世渡りのための能力」をたくさん身につけるより、
「ひとつの目標」に向かって、「情熱を持って突き進む」大人になってほしい。

常々、子どもを育てる上で心においていることだ。

人間が生きていくためには、
身につけておいた方が「得」なことがたくさんある。

そりゃあ、できないよりは、できた方がいい。
勉強、運動、芸術、語学・・・etc.

結果、身につた能力が大人になった時に役立つこともあるし、
最初は気乗りしなくても、子ども自身が徐々に熱中していくこともある。

それはそれで、いいことだと思う。

でも、そこに「親の情熱」がないとしたら、いかがなものか。

「これが出来たら将来得だから」
「他人と差をつけられるから」

もし、上記のように考えているとしたら、
子ども自身の思考方法も、「損得勘定」を基に成り立っていくだろう。

これができたら「損」か「得」か?
自分が楽しいかどうか、熱中できるかどうかは二の次。

色々な能力が身につくけど、そこに「情熱」がない。
きっとそんな、冷めた目をした大人になっていく。

別に否定はしない。
損得を考えて行動することは人間社会で生きていく上で重要なこと。

でもせめて子どもの頃くらい、
そんなの無理無理~!って笑えるくらいの夢を持たせてあげてもいいんじゃないかな。

語学教育だってそう。

「将来、役に立つ」

これが親の主たる動機だと思う。

ずっと海外を転々とする家庭なら他言語を学ぶのは必須だが、
たった数年の海外赴任で、幼い子どもに他言語を学ばせても、
日本に戻ればすぐに忘れるだろうし、
将来武器になるような語学力は身につかない。

むしろ、母国語の基礎を築くべき時に中途半端なバイリンガル教育をすることで、日本語が危うくなる危険性すらある。

もし将来役に立つ語学力を身につけさせたいなら、
日本に帰国した後も外国人と交流する機会を設け、
インターに通わせ、高校か大学で留学させるくらいの、
親の本気の覚悟が必要だ。

親っていうのは、自分ができなかったことを、
子どもを使って実現させようとする。

例えば自分が英語しゃべれないのに、
子どもにばかりバイリンガルを求めるのは、どうなのかな。
予習も復習もみてあげられないのに。

子どもは親の背中を見て育つ。

バイリンガル教育をしたいのならまず親が先陣きって勉強し、
子どもを一緒に海外旅行にでも連れていき、
現地人と意気揚々とやりとりする姿を見せ、

「外国人と交流できるってすごい!母ちゃんかっこいいっ!」

と、思わせるのがまず第一歩なんじゃないかな。

そしたら無理にやらせなくても、
自分から勉強したいってなるんじゃないかな。

ごちゃごちゃ書いてしまったけど要するに、
子どもに何かを学ばせるには、
親の情熱と本気の覚悟が必要なんじゃぁないかと、
そう思ったのです・・・

子どもたちが文集に書く「将来の夢」が現実的すぎる、
ってニュースを見て、ちょっと気になったから。

子どもの目の奥にある輝きを、どうか大切に。



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