帰国生(ON君)から質問メールが届きました。
彼は現在、関西外国語大学の学生です。
N君は通信制高校を卒業して、4年生大学に進学しましたが、去年久し振りにバンクーバーに遊びに来てくれました。
私が彼と再会した時の印象は、当校でお預かりしていた頃とは別人の様だと感じました。
とてもしっかりとした大学生になっており、将来のことも見据えていました。
その時「関西外国語大学から交換留学生として、海外のレベルの高い大学に入学したい。」と話してくれました。
彼からのメールは、この様なものでした。
やっと1年間の交換留学の選考は受かりました。
そして学位留学への切符を手に入れたので、今は学位留学の選考に挑戦しています。
今では将来したい仕事も大きく変わったのですが、容子さんのカナダでの経験の話をきいてやりたいと思った仕事です。
そこで、意思を固くするためにもう一度おしえていただきたいのですがよろしいでしょうか。
容子さんがカナダに通信制:単位制高校から留学先語学学校への単位認定制度をつくろうと思ったきっかけから~どうしたら、すぐにできていたのかなどお教えいたいてよろしいでしょうか。
私が独立した経緯を聞きたいと理解しました。
良い機会ですので、ここでお応えしたいと思います。
私は、バンクーバーに本社を持つ某留学情報センターで、留学カウンセラーとして働いていました。
留学生が多く住む海外の街に行くと、きっと留学センターが開業されています。
バンクーバーは特に人気の留学地ですので、バンクーバーダウンタウンに行くと、無数の留学センターの看板を見ることが出来ます。
留学センターでは各国の言語が喋れるカウンセラーが勤務しています。
私が働いていた留学センターでも、韓国人、中国人、メキシコ人、など留学生の言語に対応できるスタッフが勤務していました。
日本人スタッフは私を含めて3名勤務していました。
私以外の日本人スタッフは、ワーキングホリデイビザ所持者でした。
彼女たちは、午前中は語学学校に通い、午後から勤務についていました。
彼女たちの顧客はワーキングホリデイ所持者の留学生たちです。
ワーキングホリデイビザを取得して来加する留学生は年間7250人(2010年データ)にも及びます。
ワーキングホリデイビザ所持者の大半の方が、来加後に入学校を決めます。
彼らを顧客ターゲットにするために、多くの留学センターでは現役のワーキングホリデイビザ所持者を雇用します。
私は移住者ですので、私が担当した顧客は、日本から学生ビザ申請を行う一般留学生でした。
その多くが高校留学の方々でした。
その多くが、カナダの高等学校卒業を目指す高校留学生たちです。
中学を卒業して高校留学を目指して来加する学生もいましたが、大半が何らかの理由で高校を退学したり不登校になってしまった高校生たちでした。
その当時の私は、お申込者がおられるわけですから、カナダの高校の1年に彼らの入学手続きを行っていました。
失礼な言い方かもしれませんが、日本の高校でさえ辞めてしまった彼らは英語力も低く、彼らがカナダの高等学校に入学したからといって、カナダの教育委員会が定める高校卒業基準に伴い単位を取得して卒業することは簡単なことではありません。
卒業にまで至った高校生は5割にも満たなかったと思います。
高校留学にかかる費用は1年間で約300万ほどです。
3年分+夏休み冬休みの一時帰国費用を入れると、3年間で1000万ほどかかるでしょう。
それだけの費用を費やしても卒業できない高校生たちを何人も見てきました。
こんな風に書いてしまうと夢も希望の失くしてしまうかもしれませんが、カナダではアダルトエジュケーション制度やオンライン授業もあるので、本気で頑張れば絶対に卒業は出来ます。
しかし、本気で頑張ることが出来る高校生は、現実多くはないのです。
私は、留学カウンセラーをしながら、卒業が出来ない高校留学って何なのよ!と思う様になり、お問い合わせを受けても、日本の高校を卒業される方が至って簡単ですので、日本の高校をご卒業されることを薦め始めました。
信じられますか?
私は留学センターで働いているにも関わらず、お申込みをして下さるお客様に対して、留学を諦める様に説得する様になっていました。
その当時の私の課題は、「どうしたら高校中退者や不登校生たちに、成功する高校留学の提供が出来るのだろうか。」というものでした。
大きな問題は、英語力がない生徒たちが高校の必修教科の科学や社会や英語などの単位を取る難しさでした。
ならば、カナダに留学しながら日本の高校卒業資格は取れないものかと考え始めました。
ある日、その疑問をメールにして、日本全国の私立高校にメールで配信してみました。
無論、全部の高校からお返事を頂いたわけではありませんが、ご丁寧に私の疑問に返信を下さった高校の先生方もおられました。
全ての答えが「日本の高卒資格を取得するには文部科学省定める規定を満たす日本の高校に入学する必要があるので、前田さんが理想とする海外に留学しながら日本の高校卒業資格を取得するのは無理です。」というお返事ばかりでした。
しかし、その中でたった1通この様なお返事を受けることが出来ました。
「前田さんが考える海外に留学しながら日本の高等学校卒業資格を取れる方法を考えるならば、通信制高校の制度を利用するしかないでしょう。」と書かれていました。
私は、その時に初めて通信制高校の制度を知りました。インターネットをフル稼働して通信制高校について勉強しました。
この制度を利用すれば、もしかしたら実現できるかもしれないと考え、企画書を作り、次に日本全土の通信制高校に企画書を配信しました。
たった1校、大阪の長尾谷高校の校長先生からお返事を頂戴しました。
「興味深い企画ですので一度お会いしたい。」と言って頂き、私は勤務していた留学センターを休み、個人で航空券の手配をして、即大阪に飛びました。
N君からのメールには、「どうしたら、すぐにできていたのかなどお教えいたいてよろしいでしょうか。」と書いてありましたが、すぐに出来上がったプログラムでは決してありません。
私は、勤めていた留学センターの一社員として取り組めるプログラムではないと感じ、そしてこのプログラムは私が作りあげるしかないと信じ、勤めていた留学センターを退社し、銀行からお金を借りて、まず日本に事務局を開きました。
それから数年をかけて開校に辿り着くことが出来ました。それは決して平らの道ではありませんでした。
N君、君の質問に答えることが出来たでしょうか?
私が立ち上げた「日本の高卒資格が取得できる・バンクーバー高等学院プログラム」は、まだまだプログレス中です。
例えば、バンクーバーで大繁盛をしているJAPA DOGもワーキングホリデイの日本人の方が始めたビジネスです。
海外留学にもう一度挑む君に言ってあげられることは、英語をしっかりと自分のものにすること。
そして、色々な物をしっかりと見て、色々な体験に挑み、海外で出来た友達を大切にしましょう。
自分で将来起業するにせよ、就職するにせよ、君が送る海外留学での経験は必ずプラスに影響するはずです。
生徒諸君、
このON君が当校に在学していた当時は褒めてあげられるばかりの生徒ではなかったのですよ。
しかし、今のN君は自分の将来を見据えて、将来成功者になるために今何をすべきかを考えています。
生徒諸君、
君たちも必ず成功できます。
なぜならば、高校生という若い年齢で高校留学に挑むことが出来ています。
そのためにも高校留学を完了して下さい。
そして大学に進学して、さらに視野を広めて欲しいと願うのです。
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