今日、残念なニュースを聞いた。
ここ2,3年『 XTrac(エックストラック)』という
部分照射型レーザーでの乾癬治療を毎週受けているのだが、
治療をしているPA(Physician Assistant)*下記参照の
ケリーが今日の治療を最後に産休に入る。
産休自体は以前から聞いていたので、問題はない。
3ヶ月ほどで、再開すれば、そう悪化はしないだろう。
ところが、彼女によると、病院がこのレーザー機器自体を
メーカーへ返却することを検討中だというのだ。
原因はファイナンス。
いわゆるコストパフォーマンスが悪いらしいのだ。
患者の私にとっても、保険がなければ
絶対に支払えないような額の治療費なのだが、
病院がメーカーへ使用料として支払う額は、
患者の支払う額の半分程。
現在、 XTracを利用する患者数が少ないので
あまり利益が出ないという。
ここ1年ほど毎週会い、かなり親しくなっていた彼女がこぼす。
私は、乾癬と乾癬性関節症の検診や薬の処方は
別の乾癬専門のNP(Nurse Practitioner)*下記参照の
トレイシーにかかっている。
トレイシーはケリーと同じ病院で働いていたのだが、
2年程前にヘッドハントされ、別の個人のリューマチ専門の医院へ移り、
治療のみ、ケリーが引き継いだ。
そのトレイシーの勤務する医院は高速で30分ほどのところで、
毎週通うには仕事の時間を調整したり、
いろいろ面倒になる。
でも、私が住んでいるエリアでは、XTracを置いているのは
現在、この二箇所のみ。
トレイシーのところへ通うしかないか。
どうしよう。
ところで、私が通っている(ケリーの働いている)病院は、
皮膚科がない。
数年前までは、3人皮膚科医がいたのだが、
1人は定年退職、1人は病気で復帰の見込みなし、
残る1人は、政府機関のFDAに職を得て、退職。
その後、皮膚科自体がなくなってしまった。
XTracを利用する患者が少ないのは、
ケリーの専門は皮膚がん(彼女は皮膚科に属していたのだが、
閉鎖後、形成外科へ移った)で、
彼女自身は乾癬の患者の診療を行えないから。
そこで、ケリーに、
「じゃあ、皮膚科医さえ見つかれば、
この病院で両方診療と治療の両方をできるから、
患者数も増えるんじゃない?
そうすれば、 XTracも手放さなくて済むし」
というと、
「皮膚科医はなかなか見つからないのよ。
かなりの年収を希望するから、病院も雇い渋るのよ。
彼らは、外科医や産婦人科医のように
大きな病院での手術の設備を必要としないから、
個人医院を経営した方がよっぽど儲かるのよ」
なるほど。
ここでもコストパフォーマンスの壁が立ちはだかるのでした。
*NP 主にアメリカ合衆国においてみられる、上級の看護職である。
一定レベルの診断や治療などを行うことが許されており、
臨床医と看護師の中間職と位置づけられる。特定看護師とも呼ばれ、
日本では国家資格としての導入が検討されている。
(Wikipedia)
*PA こちらもアメリカでみられる医療専門職で、一定レベルの診断や
治療などを行うことが許されており、こちらは医師の管理下で
働くことが義務付けられている。
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