私が以前、娘と住んでいたのは、
元旦那の両親の住んでいた家の二階だった。
そこにいる間に、私の離婚、大学への進学、
義父の突然の死、義母の再婚、現在の旦那との出会い、
とさまざまな出来事があった。
私と旦那は結婚し、その家を義母から購入し、
そして、私達の息子が生まれるのだが、
今回は、まだ私がシングルマザーだった頃の話。
娘と2人で暮らしていた二階のスペースは、
玄関が別にある、独立したアパートになっていて、
ベッドルーム一つ、リビングルーム一つと
それに接した小さな小さなキッチン、
そしてバスルームのコンパクトな造りだった。
天井の上は、すぐ屋根だったので夏は暑かったが、
リビングルームには天窓があり、とても気に入った空間だった。
天窓の下に置いたカウチに寝転び、晴れの日には青い空を、
嵐の日には、打ち付ける雨を一心に見ていたものだ。
バスルームには、猫足のタブがあり、
見かけは良かったが、お湯はこぼれるし、
楕円形のレールから吊るされたシャワーカーテンは
シャワー中に体にまとわりつくし、
ちょっと神経を遣った。
ベッドルームは広めで、ベッドを二台置いても十分な広さ。
でも、朝起きると、大抵娘は私のベッドの中にいた。
私達2人は、よく下の義父母に呼ばれ、一緒に食事をしたが、
もちろん、2人だけでの時もあった。
前述した通り、ベッドルーム以外は、居間が一つだけ。
そこは、義妹が以前使っていたテレビ台、
娘のおもちゃを置いてある棚((義父母から借りた)、
それと私が元旦那と別居する際に持ってきたカウチで
いっぱいだった。
ダイニングセットなんて、置くスペースはない。
そこで、私と娘は、アメリカのおもちゃメーカーの
ピンクと白のプラスチックでできた
子供用のテーブルで食事をしたものだ。
大学に通うようになって出来た友達は、
みんな一様に、目を丸くしていたようだったが、
全く気にならなかった。
収入はあまりなかったけど、背伸びをせず、
シンプルに暮らすのが本当に楽しかったのだ。
みじめと思ったこともない。
今振り返るには、離婚して一からの人生の建て直し、
と思っていたので、何もないこと自体が心地よかった
のだろうと思う。
また、大学を出て正社員の仕事が見つかれば、
娘にもっといい暮らしをさせてあげられる、
と信じていたので、つかのまの苦労ととらえていた、
というのもある。
私にとって、そのピンク色のおままごとのテーブルは、
シングルマザーだった頃のがむしゃらな私と、
小さかった娘への愛情の象徴なのである。
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