ボンッ!
いきなり爆発した。
駐在時代。ヨルダンへ出張へ行った時の事。
初めての国というのは入国時緊張するもの。
それも中近東っすから。
毎度、毎度、人に言われとったのが「1人で行くの?」
まーね。1人で行くの。
当時の他会社の駐在さん方は身の危険等ありまして
必ず2〜3人でいっとったんですが男は度胸の元勤め先は
その気は更々無く、「行け!」やったんですから・・・。
飛行機内、気になっていた事は滞在ビザ。
通常、中近東へ行く際には前もってビザ申請が必要。
しかしヨルダンの場合、2週間以内ならば空港で無料ビザが
貰えるとは聞いていたが真実のほどは不明やった。
落ち着いているフリはしていたが内心は心配やった。
アンマンに到着。
カードに名前やら色々記入して入国カウンターへ。
カウンターの兄ちゃんは素晴らしい微笑を見せ
「何日ここにいるの?仕事でしょ。」と意外やった。
「10日したら直ぐ帰る。いや今帰っても良いかな」
とおいらは言った。
すると簡単にビザが貰えた。意外すぎるほど簡単やった。
客先の人の迎えで会社へ向かう。車から見た外の光景は
廃墟じみた建物が無数にあった・・・。
なーに気のせいさ、働いてるんだよ。ただそう見えるだけさ。
自分に良く言い聞かせた。
客先の工場に着いた。見た目はやはり廃墟そのもの。
しかし、内側はしっかりしていた。少しホコリまみれ
やったが。
客先エンジニア達が
「お前は長旅で疲れているから何もしなくていい。」
と笑顔で言われ、椅子に座らせられた。
機械に金型を取り付けた客先エンジニア達。
笑顔を絶やさないエンジニア達やった。
それじゃー機械でも動かしますかと温度計のスイッチを
ON・・・。ボンッ!ヒューズがとび温度計が爆破した。
「へ!?」何が起こったん?
よーく見ると配線が金型に挟まってつぶれてるやんけ!
「いやー、こんな事初めてだよ。彼らも君がいて緊張して
いたんだろうね。ハッハッハ。」
と、この工場の若頭が飛び切りの笑顔で笑っていた。
そういえばヨルダンへ来てカウンターの兄ちゃんといい
客先といい、よう笑う人達やなーと感心させられた。
それもありかなって思った出張やった。
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