７月４日のアメリカの独立記念日、
ＮＹでは ホットドッグ大食い選手権が開かれていた。
この大会で 過去６回優勝している日本人のフードファイター、小林尊氏が
会場に乱入、逮捕されたニュースは アメリカでも大きく取り上げられた。
一晩拘置所で過ごし 保釈された小林氏は
その後 アメリカのニュース番組に出演し
なぜ あんなことをしたのか インタビューに答えた。
現地時間７月６日 朝のニュースでのことである。
通訳である日米ハーフらしい中年の女性と
太った弁護士と一緒に登場した小林氏。
内容を要約すると・・・・・・・
「なぜ 会場に乱入したのか？」
今大会には 主催者との契約の問題で参加できないことはわかっていたが
友達がたくさん参加していたので 応援するために会場に来ていた。
競技が終わると ファンの人たちが 「Let him eat」（彼にも食べさせろ）
とコールしだしたので 自分も興奮して ファンの声に応えようと
舞台に上がってしまった。
「舞台にあがった時には 何をしようとしていたのか？
何を考えていたのか？」
特に何をしようとしていたわけではない。
ただ ファンの声援に応えたかった。
「保釈されたときのシャツには Freedom と書いてあった。
逮捕されるつもりで ああいう行動を取ったという憶測もあるが？」
あれは 主催者側との「契約の自由」を訴えるために着ていたシャツで
逮捕とは関係がない。
小林氏は ２００２年、ＮＹのホットドッグ選手権で優勝したのをきっかけに 世界的大食い選手（フードファイター）として 名をはせるようになった。白人にまじって 小柄な日本人が 驚異的な早さで 食べ物を「飲み下し」ていく様は アメリカでも大人気だった。
ところが 最近 このホットドッグ選手権が有名になるにつれて
アメリカの老舗ホットドッグチェーン「Nathan’s（ネイサンズ）」の名前が
かなり前面にでるようになってきた。
ワンスポンサーで がっちりと大会を支援する変わりに 参加者や優勝者は
ネイサンズの顔として いろんな「お約束」を つきつけられるらしい。
小林氏によると 彼の場合 ネイサンズの大会に出場するためには
今後１年間 北米における他のいかなる大食い選手権にも出場しない、
選手以外にも 審判や判定者として参加することも禁じるという内容だったらしい。
現在 小林氏は 「たぐいまれなる能力を持つ人」用のビザ（タレントビザ）で ＮＹで暮らしている。 自分の能力とは大食い、早食いなのに
他の大会への参加を一切禁じられれば いくら ホットドッグ選手権に参加できても 意味がない。
そこで 契約の内容について話し合っていたそうだが 結局 今年の大会開催日の時点で 合意には至っておらず 主催者から 参加を許可されなかった。
それを不満に思った小林氏が 「会場に乱入」
オレが大会に参加していたら もっとすごい記録を出せたのに、という
悔しさもあったのだろう。
小林氏の主張は判るし 契約の内容も理不尽だと思う。
ただ 問題は やり方が あまりにも稚拙だったということだ。
しかし 逮捕されたことで インタビューの機会が転がり込んだのは
ネイサンズの理不尽さを訴える上で 絶好のチャンスだったはずだが
このテレビ出演も あまりにもお粗末だった。
もともと インタビューの時間が限られているのに 通訳を介するため
時間は半減。
しかも 聞かれることなどわかりきっているのだから
その中で いかに自分の言いたいことをアピールするか ちゃんと論理構成し 通訳と打ち合わせて望むべきだった。それなのに 時折 薄ら笑いを浮かべ 質問の内容に フツーに答える小林氏。
舞台にあがったけど 何も考えていなかった・・・って、
悪意がなかったことを強調したかったのかもしれないけど
それがどんなにアホらしく聞こえるか わかっていない。
そして インタビューの最後、
キャスターは この質問で締めくくった。
「小林君、君は 何歳なんだい？」
やっと自分にも理解できる英語で聞かれた小林氏は
張り切って 自分で即答した。
「サーティー ツー」（３２歳）
見た目も アメリカ人にはせいぜい１０代にしか見えないが
頭の中もその程度と 全米に証明した瞬間・・・・。
小林氏が フードファイターとして 世界を舞台に活躍しているのは
すばらしいことだと思うし これからも できれば活躍してほしい。
しかし 今や ネイサンズとの契約合意も ホットドッグ選手権への出場も
ありえなければ もはや他のいかなる大会への出場も 危ういかもしれない。
色んな事を考えて活動している すばらしい青年？だとは思うけど
やっぱり これで ３２歳とは ちょっと 痛いな。
ホットドッグは水に浸して食べたくない。
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