2009年12月15日03:23 中国雲南省麗江・落水村
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……
………食べ過ぎた。
よろめきながら宿に戻ると、
オーナーが「素敵な服ね!」と私のジャージをたいそう褒めた。
皆でお茶を飲もうと声をかけられるも、
胃腸が全く動かなそうなので部屋で一休みすることにした。
目を覚ますと、PM23:00。
しまった、寝過ぎた。
まだ重い胃を落ち着かせるため、水筒を片手に外に出、
星空を見上げながら熱いお茶をすする。
今日、土産物屋のおじさんにえらく気に入られ、
昼、晩ともにたらふくご飯を与えられた。
もちろんお酒のおまけ付き。
ここらに住むお友達(皆おじさん)も呼び寄せて、
七輪にあたりながら皆でビールを飲んだ。
「一人より二人、皆で食べた方が断然楽しいよ!」
今回は一人旅だから一人でいたいとツンケンした私に対して、
おじさんに強く言われたこの言葉を、
胃をさすりながら何べんも頭の中で繰り返した。
「一人より二人、皆で食べたほうが断然楽しい」
・・・まったく、その通りだ。
思えば、今回は一人旅ながら、一人でいた時間がとても少ない。
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「どうしてひとりで来たの?」
大理で遊覧船に乗った時、
四川省から来た旅行団の方々に大いに絡まれ、
私が一人になろうとすると必ず誰かが付いてきて、
楽しそうに質問攻めが始まる。
ゆっくり考えごとをしようと思って乗った遊覧船だったが、
彼らの勢いに飲まれてしっかりコミュニケーションしてしまった。
船を降り、ようやっと一人になれたと思ったら、
埠頭で待ち構えていた白族のおばちゃんに捕まる。
「ひとり?こっちにきれいな公園があるわよ!お金いらないよ!」
守銭奴の香りがぷんぷんしたが面白そうなので付いていった所、
案の定、そのままとんとん拍子に船に乗せられ、
少額の乗船料を取られる。
そして続く。
「家で夕飯を作ってあげる!30元で!」
白族の民家にあがりこめる機会と思えば安いなと思い、
値引き交渉もせずにYesを出したところ、
近くで写真を撮っていた、一人旅の中国人青年が間に入ってきた。
「30元て高いよ!何を作るつもり?」
そんなこんなで色々と交渉してくれたこの青年も、
おばちゃんの家で一緒にご飯を食べることになった。
「美味しい?これ持って帰りなさい!」
守銭奴のおばちゃんも、
家に帰れば子供を抱える一家のお母さんである。
湖で取れた小エビを大量にもらった。
皆で食べたご飯は美味しかった。
大理の夜は、二日とも古城のバーで飲んだ。
途中で合流した日本人バックパッカー、
バーのオーナーと近所の人、
大理に住みついたフランス人も一緒になって、
英語と中国語と日本語と笑い声がごちゃまぜになった会話を楽しんだ。
「明日も必ず来てね!」
オーナーは、もう友達だった。
皆で飲んだ酒は美味しかった。
麗江から洛水村に向かうバスでは、
隣に座った中国人が親切にしてくれた。
洛水村に着き、一緒に歩こうと言われたものの、
私は一人で歩きたいと言い放ってしまった。
「一人より、二人の方が楽しいよ!」
最後にこの言葉が耳に残ったが、私は一人で歩き始めた。
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中国で出会った中国人はみんな、同じことを言う。
みんな、誰かとつながって、素晴らしい時間を共有したいんだ。
自虐気質で一人になりたがる私とは違って、
中国人は大勢でわいわいやって楽しく過ごしている。
そんな中国人からすると、私はえらく物寂しく見えたに違いない。
「一人より二人。」
この満天の星空を彼にも見せたいな、
ふと、まっすぐそう思った。
いつか、またここに来る時は、二人で来よう。
だって、一人より二人、大勢の方が楽しいもんね、土産物屋のおじさん!
♪Mumin Ai♪