それは病院での出来事。
おいら「いそげ!いそげ!」
息子「いそげいそげ!」
看護婦「あら、どこに行ってたの?探してたわよ。
男の子よ。」
おいら「なにーーーー!」
それはちょうど良い心地の風緩やかな天気の午後。
嫁が急に産気づいた。午後11時の出来事。
大学病院に電話するも応答無し。息子が生まれる時と
同じだった。
息子の時は夜明け4時だからしょうがなかったにせよ、
まだ午前中にもかかわらず応答がなかった。
なんともイギリス的。
支度を済ませ嫁と息子を車に乗せ、大学病院へいった。
午前11時30分
病院の産婦人科に入室。
受付にて。「嫁が産気づいたので来たんですけど。」とおいら
受付「電話はした?」おいら「したけど、何ででないの?」
受付「‥‥。それではお席でお待ちください。」
待合室で待つ。その間も嫁は赤子がいつ生まれても
おかしくない位苦しがっておった。
当時3歳になったばかりの息子は飽き飽きしてあっち行ったり
こっち行ったりしながらおいたを始めていた。
それもそのはず、待合室で待っていてから一時間経過。
その間においらはどれだけ助産婦に意思表示したり声を
かけたりしたことか。
ようやく、部屋が空き入室。
「今日は何しに来たの?」と助産婦。
産気づいたからにきまったろーが!なにいっとんねん。
そして、分娩室に連れて行かれ準備をする。
「子供はどうするの?」と助産婦。
息子に聞くと、おかんと離れたくなかったらしく「ここにいる」
といった。
しかし、嫁が苦しがっている表情を見て嫁がトイレに行くと、
やはり息子は「外に行く」といい、それを助産婦に伝えおいらと
息子は分娩室の外に出た。
いつ生まれるかもちろん分からない。病院にいる時間も
長くなると思い、車をメインの駐車場に移動する事にした。
時計の針はちょうど13時。
息子とおいらは車の置いてある駐車場に向って走った。
車を病院のメイン駐車場に移動し、息子とおいらは産婦人科へ
全速力で走った。
外に少しでも出れた息子は緊張感がとれ爆笑しながら走っていた。
いいね、走ってるだけで笑えるって。
おいら「いそげ!いそげ!」息子「いそげ、いそげ(笑)」
13時8分。産婦人科に戻り、分娩室の前にたどり着いた。
「どこに行ってたの?助産婦が探してたのよ。」と看護婦さん。
「もう生まれたのよ、誰が臍のうを切るか助産婦が
探してたんだけど、あなた達が何処かに行ってたから
助産婦が代わりに切ったみたい。男の子みたいね。
おめでとう。」
おいら「‥なに〜〜〜!」
看護婦さんが分娩室に入り状況を聞いてくれた。
嫁は出血がひどいらしく、出来ることなら息子は入室
させたくないとの事。そこで看護婦さんが息子の面倒を
見てくれる事になり看護室へ行った。
おいらは入室。まさか8分の間に生まれてるとは思っても
いなかった。
嫁は手術室に運ばれ傷口を縫合した。もちろんおいらも一緒。
ちなみに縫合したドクターはインド人。医者&看護婦不足
だからね。
縫合が無事終了、看護婦&助産婦が代わる時間に近づいた。
そこに息子が看護婦に手をつながれながら現れる。
そして入室を許可された。息子はニコニコしていた。
ニコニコしていた理由は看護婦さんにチョコケーキを頂いて
食べたらしい。
実はその当時まだ我が家では息子にチョコをあげなかった。
虫歯になるから。でも食べたものはしょーがない。
助産婦が帰る前においらに
「赤ちゃんは男の子?女の子?どっちだと思う?」
おいらは男の子と聞いていたが知らない顔をして「さー?」
と惚けてみた。
助産婦が新生児に巻かれていたタオルをめくるとそこには!
付いてるはずの物が‥、ねー!何もないやんけ!女の子!
娘が出来た!そりゃーびっくりでっせ!
まー、小さくて目鼻立ちが整っていて可愛いわが娘!
結局その日息子とおいらが自宅に戻ったのは夜の12時過ぎだった。
その娘も2歳の誕生日を無事迎え喋りも達者になってきた。
あの当時の美人さんが今は‥‥。
顔デカッ!パッツンパッツンやんけ!
どうしたん?なんでそんなにブクブクいっとんねん!
とにもかくにも、2歳の誕生日おめでとう。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。