私も仕事で翻訳をする事がよくあるが、原文に忠実にというのは基本スタンスである。 が、なるべくその言語そのものの言い方に合わせ、少々言葉や言い方を変えることがある(もちろん意味は変えないが)。 もちろん、訳する「モノ」にもよるが。 読み手だって楽しく読める方がいいだろう……と思う。 息子の大好きな絵本の1つである「はらぺこあおむし」、今これが彼のなかでブームらしく、毎日毎日読まされている。日本語で、フランス語で……また日本語で、その後はまたフランス語で……といった具合。 私にとってはもちろん日本語で読む方が楽しい。ここでも書いたが、そりゃあ日本人私には日本語の方が言いに決まっている。息子もどちらも好きながら、私が日本語でいう「ぺっこぺこー」や「こーんなにおおきく」に合わせて楽しそうに声を上げる。 フランス語で読むときだって私なりに抑揚をつけて読んでいるので楽しいはずなのだが、仏語のときはただ聞くだけ…… これってもしかしたら翻訳のせいかもしれない。 原文は英語だから日本語もフランス語も翻訳なのだが、ゼッタイ日本語訳のほうが工夫されていると思う。この翻訳をされた方を尊敬する! この本を読まれた事のある人は話を知っているだろうが、あおむし君は食べても食べてもおなかがすいていて、毎日たくさんのものを食べる。これが 日本語版は「まだおなかはぺっこぺこ」「それでも…」「やっぱり…」「まだまだ…」とリズムよく色々言い方を変えているのに、 仏語版は「elle a encore faim (日語直訳:まだお腹がすいている)」を単調に4度繰り返しているのみ。 何か読んでいてもつまらない。もしかして息子の耳にも単調なのかな?! というわけで、私も翻訳をするときは(モノにもよるが)楽しく、読んでいてワクワクすることを目指して訳したいと思った次第。 余談: この本は息子の通う保育園にもあるらしく、「自分も同じ本を持っている」ことを自慢したかったのか、ある日息子はどうしても持っていくと譲らず、日本語版の本を保育園へ持参し先生に見せた。先生方も「ほー」と感心しみんなでページをめくっていたようだ。 夕方迎えに行った私にある先生がポツリと言ったエピソード。面白いのでココで披露したい。 先生「これ、日本語ですか?」 私「そうですよ。○○(息子の名前)はこの本が大好きで、何度も繰り返し読んでって私に頼むんですよ」「最後にちょうちょうが出てきたら、ちょうちょうの日本語の歌も一緒に歌うんですよ。」 先生「お母さん、これ読めるんですか?日本語読めるんですか?」←ちなみに先生は私が日本人だということを知っている。 私「(にっこり微笑んで)もちろん。」 先生「喋るだけでなく、読み書きもできるんですか?」 私「(内心唖然としながらにっこりして)もちろん、日本人ですから。」 先生「いやー、日本人でも…。難しくないですか?」 私「大丈夫ですよ。日本で生まれ育ち、日本で勉強しましたから。」 私「この子はたぶん日本語は喋れても、フランスにいるから読み書きは相当頑張って勉強しないといけないでしょうね。」 先生「(やっと理解できたのか)そうですね。お母さんの熱心さによるでしょうね。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ フランス旅行&南フランスでの生活を味わえるホームステイをしませんか? 我が家では、常時日本人の皆さまのホームステイを募集しています。 南仏での生活を体験してみたい方、 息子(来月3歳)に日本語で話しかけてくださる方、 私と日本語会話をしていただける方、 夫とはフランス語会話を頑張っていただける方など、お待ちしています。 宿泊のご予約、空き状況や料金についてなど、お気軽に emikot@wanadoo.fr へEメールにてお問い合わせ下さい。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
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