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バツーケイプ、私はここにいる!

 
「やあ、見たよ!俺テレビであんたを見たよ!」
 
今日の午前中、日本人会からの帰りに日本人会のゲートの顔馴染みの白い髭を生やしたおじいさん守衛が言いました。
 
「本当?」
「おお、本当だとも、テレビのタイプーサムの中継に5分くらい出ていたぞ」
 
なんだ、それなら床屋に行っときゃ良かったな。
 
朝起きて食事の後
最近出来たKTMコミューターのバツーケイプ駅に行ってみました。
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ここでお間違いのないように・・・
私はテレビに出たわけでなく映っていただけなのです。
 
影の声 「だれが間違えるか」
 
私が立っていた横に、わざわざバツーケイプの管理所長みたいな人とテレビカメラとレポーターがやってきて5分くらい撮影が行われたことがあったのでその場面です。
 
私が立っていたところでカメラに向かって立つとバックに巨大な黄金の神様が絶好の位置で・・・・
私はといえば歩いてくる苦行者を見るとどうしてもカメラに顔が向いてしまうという絶好の、、いや困った位置で・・・
 
どっか移動すればいいのですが、その場所は苦行者が来ないときは段差がある縁石に座れるという言わば特等席で・・・
 
「インタビューさせてもらえませんか」
 
こういう申し込みは3回もありました。
テレビ局も誰か外国人に聞こうとても思ったんでしょうねえ。
「OK、だけど俺英語話せないんですよ」
残念そうに去って行きました。
 
バツーケイプ駅です。イメージ 4
 
線路をまたぐ横断歩道橋の上からはバツーケイプの外の様子が見えます。
道の脇やちょっとした空き地には急ごしらえの土産物屋などがオープン
まだ転がって寝ている人も大勢います。
イメージ 5
 
KTMコミューターです。
乗っていると歩いたほうが早いのでは?と思う時があります。イメージ 6
 
バツーケイプ周辺には臨時の散髪屋がいっぱいです。
お参りするヒンズー教徒はここで剃髪して身を清めます。
 
ペットボトルの水を手に注いて頭にかけて、いきなりカミソリでゾリゾリと剃ります。
 
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ディンゼル ワシントン似のこのおじさんも、途中で刃を交換してものの5分でこんな頭になります。
 
ヒゲはそのままでした。
 
私もやってみようかなと思いましたが、カミソリがチョー怖いです。
それに、アイツなにかやってカミさんにバレたなと非ぬ疑いを・・・
 
イメージ 8
 
泣き叫んで嫌がるお子さんだって、大人3人がかりで押さえて剃ります。 
ときどき暴れるのでその度カミソリをパッと頭から離して、危ないのなんの・・・イメージ 9
 
バツーケイプの入り口の門です。
 
ややや、遠くからけたたましい太鼓の音が聞こえてきました。
苦行者です。
苦行者です。
しかしまだ姿は見えません。
苦行者は遠く離れたところから、あるいは体無数の針を刺したまま、あるい鉄の串で頬を貫き通したまま延々と歩いてくるのです。イメージ 2
 
人々はけたたましい太鼓の音に引き寄せられるように寄ってきて苦行者が通るのを待ちます。イメージ 12
 
来ました、凄まじい太鼓のリズムと歌声に励まされて苦行者がやって来ました。
ご覧のとおり体中釣り針のような針を刺し、その先に何と!神聖な神の使い牛のミルクが入った銀の壺を何個もぶら下げています。
 
なんという凄まじさ。
かく言う私も初めて見たときは、あまりのことに言葉を失ったものですが、一人、二人と見ているうちに、あの人は根性が入っている、大したものだと、タイプーサム評論が出来てしまうという、慣れとは怖いものであります。
 
イメージ 23
 
苦行者は何を思うのでしょうか。
頬に突き刺した鉄串など意に介さないかのような苦行者の目はうつろです。
 
もうすぐです。
この苦行者のゴールはもうすぐです。
イメージ 28
 
しかし、そのゴールの寸前にはこのような急な階段が、最後の難関が、苦行者を待ち構えております。
どうか、どうか転げ落ちないように気を付けて、そればかり祈ります。
 
 
イメージ 29
 
はたして疲労困憊
もう既に気力も使い果たしたであろう苦行者にこの最後の難関が突破できるものでありましょうか。
突破して悠久の歴史を刻む洞窟の奥に鎮座ましますヒンズーの神に聖なるミルクを、祈りを捧げることが出来るでありましょうか。
 
遥か頭上からは優しい眼差しの神様が見下ろしています。
イメージ 30
 
ああ、続いて今度は頭の上に聖なる牛のミルクが入った銀の壺を載せた苦行者の一団が・・・・
この方々もこうして頭に壺を載せたまま何時間も歩いてきたのです。
 
イメージ 31
 
女性の方も一緒です。
苦行者に男女の差別はありません。
中には女性も頬に串を刺したり、頭にミルクの壺を載せて延々と歩いたり・・・・
勿論、命の髪の毛だって剃り落としたりします。
 
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はて、これはなんでしょうか。
これも神に捧げるものなのでしょうか。
イメージ 33
 
おお、今度の女性の一団の中にサトウキビを担いでいる女性がいます。
 
その昔、倭寇と呼ばれた海賊が東シナ海の沿岸の村々を襲った時、村々ではサトウキビを植えて沿岸から村が見えないようにして倭寇の襲撃から村を守ったという。
いまや伝説のような故事
以来サトウキビは身を守ってくれる縁起物となっているといいます。
 
勿論サトウキビは甘い砂糖をもたらし、現金収入をもたらしてくれる有益作物でもあります。
 
その大事なサトウキビを神に捧げるという、厳しい面持ちの女性たちの暖かくも深い思いが感じられます。イメージ 3
 
洞窟に続く急な階段の中腹から眼下を見下ろしてみました。
あの頬を串刺しにした苦行者は、その後見た何十人という苦行者のい皆さんは無事この階段を登ったのでしょうか。
 
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「おまえさん、見ていなかったか?」イメージ 11
 
ここは洞窟の入口付近です。
ここまではバロンご夫婦と登って来ました。
 
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おわり

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