先日、飛行機に乗ったときの話。 日本人の老夫婦が同じ機内に乗ってきた。 70歳前後と思われるご夫婦。夫妻ともに少し背中が丸くなってきている二人が添乗員もなく、キョロキョロ辺りを見回したり、おびえた様子もないので、地元に住んでいるのだろうと思ったら、首に下げている搭乗券入れにはHISのマークがあった。 日本から旅行かな?きっと旅慣れているのだろう。 私も乗り継ぎの便だったのだが、先の飛行機が遅れ、搭乗時刻ギリギリだったのでかなり焦って乗り込んだ。このご夫婦も、同様に乗り継ぎで先の便の遅れかどうか、私よりも少し遅れ、かなり息を切らしていた。 自分の席に荷物を置くと、奥様のほうが客室乗務員のところまで歩き、英語で言った。 「Could you give me......(一息置いて) aqua ?」 (クッド ユー ギブ ミー …… アクア?) 乗務員はもちろんすぐに「お水ですね」といってコップに水を注いで手渡していた。 この会話、私の席のすぐ近くで行われていたため、良く聞こえたのだ。 そして、何て素敵な人なのだろう……と、この年配の女性を見て思ったのだ。 「お水(Water)」という言葉がすぐに出てこなかったので一息おいたのか、アクアといったのかは分からない。 日本語なまりはあるが、とても流暢な英語だった。しかも、とても優しく丁寧な口調ながら、堂々と落ち着きもあった。ふと言葉が出てこなくても、怖気ず、堂々と落ち着いて話す様子。また、自分の言いたいことを相手に伝え、相手も正しく理解できている、そのことが素敵に思えた。 それだからこそ語学が上達するのだろう。 私なんか、英語はおろか普段使っているフランス語さえも、相手に聞き返されるとすぐに怖気づいて声が小さくなったり、口数が少なくなってしまう。 壁にぶつかってはすぐにへこんでしまうのだ。 それではいけない。 英語でもフランス語でも、落ち着いて堂々と喋ることがまずは一番の語学上達への近道。 もちろん間違いなく正しく喋るに越したことはないが……。 よ〜し、私も頑張ろう! ……と、ヨーロッパの別の国に行って、英語&仏語の更なる上達が必要だと感じた矢先の出来事であった。
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