NYで”ウォール街を占拠せよ”というデモが始まって１か月以上たった。
当初は アメリカの資本主義も終わりか！？と 世界が固唾を飲んだ。
デモは ほかの都市にも広がったとのニュースに
さらなる緊張が走ったが、
ハロウィンが終わり 雪も降り始めたNYで 今
この抗議活動は どうなっているのだろうか？
現地のメディア関係者によると 最初の報道の時点で
デモ隊の前列では 抗議のプラカードを掲げた人たちが叫んでいたが
後ろの方では ハロウィンの仮装をした連中が
お祭り騒ぎをしていたそうだ。
ウォール街でデモなんて 何となく 面白そうだし
確かに 今の生活には満足とはいえないから
ネットでの声掛けに応じて 集まってみた、、、みたいな？
これと連動した日本のデモ隊も見たが
TPP反対とか 消費税反対とか 震災復興とか 反原発とか
とにかく 主張にまとまりがない。
こんな寄せ集めみたいなデモって ありですか？
アメリカでは 本当によく デモが 行われる。
日本だと 主要都市で人が集まっただけで ニュースになるが
アメリカでは どこでも いつでも いろんな規模のデモが行われている。
実際にわたしが目撃したものの一部を紹介すると・・・・
・ 肉食に反対し ベジタリアンになろうというデモだったり
・ アフリカの先住民が 豚を生贄にする祭りをしていることに対する
動物愛護者の抗議行動であったり
・ 有名動物園の前に並ぶ 毛皮反対派の叫びであったり
・ ゲイやレズビアンの権利を主張する行進だったり
・ 逆にゲイの男の葬儀に乗り込み「地獄へ落ちろ」と叫ぶ
キリスト教保守派の運動だったりした。
我々がNYに住んでいた頃には
イラク派兵反対を叫ぶデモグループと 賛成派が
大通りを挟んで怒鳴りあっているとか風景とか、
富裕層への課税に反対するグループが
各地で「ディーパーティー」を開き 抗議活動をしていた。
そう。
１％の富裕層を支持するために抗議運動をする９９％の市民も
アメリカには たくさんいたのである。
それが 今回のNYデモでは 逮捕者が出たことで
一気に 世界的なニュースとなった。
わたしも 最初、これは 大変なことになったと思った。
駐在で NYの高級住宅街に暮らし アメリカ人の生活を間近で見て
なんで そんなに金持ちなのか、 納得がいかなかったし
不動産や株取引といったマネーゲームで
金儲けをしている連中がたくさんいた。
その上 当の 本人たちも お金をもらいすぎていることを自覚していた。
こんなことは長く続くわけがないから 今のうちに
有り金を投資しておかないとと言っている人もいた。
そこで「貯金」とならず 「投資」となるのが アメリカ人らしいが。
しかし 続く報道で
実際にデモ活動に参加している若者のインタビューを聞いたとき
「 こりゃ、いつものアメリカ人の お祭り騒ぎだな 」と思った。
まず 白人の若者が中心という時点で
アメリカの民意とは かけ離れているだろうと思ったし、
彼らの多くの服装が ヒッピースタイルであるのを見て
この運動にすべてをかけているというよりも
これは 彼らにとって 一種のファッションや
エンターテイメントである可能性が高いと思った。
アメリカの若者は しょっちゅうデモをやる。
パーティーの代わりにデモをしているといっても過言ではない。
ただ集まって 飲んで 映画を見るのは 格好が悪いと思っている。
何か政治的なメッセージのために集まるべきだという熱い思いで
毎週のようにデモを企画しているヒッピー軍団が
わたしが通っていたアメリカの大学にもいた。
空気汚染をやめろと叫びながら タバコをふかし
旧式のワーゲンバンに乗って排ガスを撒き散らしているような連中だ。
見かけで人を判断するのはよくないが NYのデモ隊も
シリアや中東の若者たちと違い 外見ににじみ出る 緊迫感が全くない。
なんたって デモ活動しながら
公園でデリバリのピザを食べてんだからサ・・・。
それに ”オレたちは９９％”という割には
あまり多くの人の共感を得ていないようだ。
（次の記事に つづく）
