先日は昭和基地へのフライトをご紹介しましたが,
今日は僕らの調査地である南極内陸部の山地*へのフライトを紹介します.
*名前はセール・ロンダーネ山地と言います.ノルウェー語なので不思議な響きですね.
まず,以前も紹介したように,南アフリカのケープタウンから南極のロシア基地(ノボレザレフスカヤ)まで,イリューシンという輸送用ジェット機で一気に飛びます.
「一晩飛ぶとソコは南極だった」という感じで,あっと言う間に南極に着きます.
到着したら,大急ぎで物資を下ろします.
いきなりマイナス20℃以下&風速15 m,寒さに慣れぬ体にはかなり厳しいです.
写真は前回の調査の時なので,スノーモービルも入れて計7トンも物資がありました.
これを次は小さなプロペラ機に乗せて(下),調査地近くのベルギー基地まで飛びます.
飛行機に物資を載せるとこんな感じです.
荷物の隙間に隊員も便乗していきます.
もちろん,一回では運べないので,何回も往復します.
そのうちに天候が悪くなり,この時は結局荷物を全部運ぶのに一週間かかりました.
隊員の一部も最後までロシア基地に残ったので,やはり1週間会えませんでした.
フライト中,窓からはまさに「南極の絶景」を見ることが出来ます.
僕もこれまで世界の各地に行かせてもらいましたが(仕事で),他の場所とは比べものにならない圧倒的な景色でした.
やがて遠くに山地が見えてきます.
眼下にクレバス帯が見えてきました.かなり大規模なヤツです.
上空からだと視認できますが,雪原を移動中だと分かりにくい場合もあって危険です.
そして,ベルギー基地の滑走路が見えてきました.
滑走路と行っても,雪面をならしてあるだけです.小型機のみが発着可能ですね.
小屋などもなく,ただ燃料のドラム缶が置いてあるだけです.
帰りはパイロットが自分でドラム缶から給油して,帰ります.
これは,次の飛行機が降りてくる時に撮った着陸(着雪?)の瞬間です.
着陸後,早速に物資を下ろして,とりあえずベルギー基地まで移動します.
乗るのはスノーモービルに牽かれるソリの上.寒い..
という訳で,ベルギー基地に到着しました.
船に比べればあっと言う間ですが,それでも遙々来たなあという感じです.
ベルギー基地ですが.宇宙船のような先進的なデザインですね.
内部は基本的に木材で作られています.その方が丈夫だそうです.
5年ほど前に着工して,未だ内部は建設中のとても新しい基地です.
このベルギー基地は南極初のゼロエミッション基地を目指していて,
夏だけのオープンとは言え,その間は風力と太陽光発電で全ての電力を賄うそうです.
さすがヨーロッパの国の基地は,内装もおしゃれでした.
昭和基地も雰囲気ありますが,ちょっと違いますね.
次は,さらに基地を出発して調査地への移動について紹介したいと思います.
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