感覚統合に役立つ遊び50選 はじめに
感覚統合とは、視覚、聴覚、触覚、前庭感覚(バランス)、固有感覚(筋肉や関節からの情報)などのさまざまな感覚を、脳が効率よく処理し、適切な行動を引き出すためのプロセスです。
感覚統合の課題がある子どもは、生活の中で刺激に対する反応が敏感すぎたり、逆に鈍感だったりすることがあります。感覚統合を促す遊びは、子どもが遊びながら自然に刺激に慣れ、感覚のバランスを取るために役立ちます。
ここでは、感覚統合を促す遊びを50個ご紹介します。
1. 視覚を促す遊びカラフルなビーズを色ごとに分けて並べる遊び。色の識別力や視覚の集中力を高めます。 シャボン玉キャッチ
シャボン玉を追いかけてキャッチしようとする遊び。視覚の追従力が養われます。 間違い探し
同じように見える絵の中から少し違うところを探す遊びで、視覚の注意力を鍛えます。 迷路遊び
ペンで迷路をなぞる遊びは、視覚と手の協応を促し、視覚の追従力を高めます。 絵合わせカード
同じ絵をペアにするカードゲーム。視覚の記憶力や認識力が高まります。
異なる音(鈴、太鼓、拍手など)を順番に鳴らし、その順序を覚える遊びです。聴覚の記憶力と集中力が養われます。 楽器遊び
鈴や太鼓、木琴などを使って音を出し、リズムに合わせる遊びで、聴覚とリズム感が育ちます。 音の探し物
音の出るおもちゃを隠して、その音を頼りに探す遊び。聴覚の方向感覚が鍛えられます。 ボイスチェンジャーで遊ぶ
声を変えるおもちゃを使って遊び、異なる音の特徴を認識します。音の高さや強さに気づく力が育まれます。 静かに耳をすます時間
何も音を立てず、環境の音(鳥のさえずりや風の音など)に集中する遊び。聴覚の敏感さが養われます。
箱の中にいろいろな素材(スポンジ、布、砂など)を入れ、手で触れて中身を当てる遊びです。 砂遊び
砂場でお城を作ったり、手で砂をすくったりして、さまざまな感触を楽しむことができます。 水遊び
水を触って感触を楽しみながら、物を浮かべたり沈めたりして遊ぶことで触覚が刺激されます。 泥遊び
泥の質感や冷たさに触れることで、触覚の幅広い刺激が得られます。濡れる感覚も含めて楽しめます。 シャボン玉泡遊び
石鹸を泡立てて手で触り、泡の柔らかさや冷たさを感じながら遊びます。
前後や横に揺れるブランコでバランスを取ることで、前庭感覚が刺激されます。 回転椅子
回転する椅子に座ってゆっくり回り、バランス感覚とスピードの違いを感じる遊びです。 平均台歩き
細い板やラインの上を歩く遊びで、バランスを取る練習ができます。 片足立ちゲーム
片足立ちで長く立ち続ける遊び。転ばないようにバランスを取ることで前庭感覚が鍛えられます。 スキップやケンケン
リズミカルにスキップしたり片足跳びをすることで、前庭感覚とリズム感が育ちます。
軽く押し合って、相手に力を加減して押し返すことで、筋肉や関節の感覚が刺激されます。 ボールキック
足でボールを蹴って、どれくらいの力が必要かを調整する遊びです。足の固有感覚が鍛えられます。 タオル引き
タオルをお互いに引っ張り合う遊びで、力の加減を学びます。引っ張る力を調整することで固有感覚が鍛えられます。 腕相撲
相手と力の加減をしながら腕相撲をすることで、固有感覚と筋力が刺激されます。 綱引き
グループで綱引きをすることで、全身の固有感覚とバランスが鍛えられます。
風船を優しく叩きながら、キャッチする遊びで、力の加減が学べます。 泡を壊さないように持ち上げる
石鹸の泡を壊さずに持ち上げ、そっと運ぶことで力加減が身につきます。 ペットボトルの水を注ぐ練習
ペットボトルからコップに水をゆっくり注ぐことで、力の調整力が高まります。 輪ゴム飛ばし
輪ゴムを少しの力で飛ばし、ターゲットに向かって飛ばすことで、力のコントロールを学びます。 粘土を押す練習
片手で粘土を押し、力の加減を意識して押しつぶす遊び。どれくらいの力で形が変わるかを感じます。
音楽に合わせて踊り、他の子どもたちと動きを合わせていく遊びです。 玉入れ
グループで協力し、たくさんの玉をかごに入れる遊びで協調性が養われます。 チームでの積み木遊び
一緒に大きなタワーを作るなど、協力して積み木を積むことで協調性が高まります。 手つなぎ鬼ごっこ
友達と手をつないで鬼ごっこをし、協力して逃げることで協調性が育まれます。 ボールリレー
ボールを次の人に渡すリレー形式の遊びで、チームワークと協調性が鍛えられます。
感覚統合の促進は、特別な訓練や専門家に頼る必要がなく、日常の遊びの中で行うことができます。
どの遊びも、家や公園などで手軽に実施できるものばかりです。
子どもたちは自然に楽しみながら感覚統合を促進できるため、保護者の方々も積極的に取り入れてみてください。また、遊びの効果を感じるためには、継続的に行うことが大切です。