こんにちは、みゆきメダカです。ノマド、ノマドライフ、ノマドワーカー、デジタルノマドと言うような言葉を耳にされたことがあると思います。みなさんの中には興味をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。ただ、このような生活、ましてや海外でのノマドライフには、一般の人には少し敷居が高いように思います。
特に僕の住んでいるバンコクは日本人に限らず欧米人からも人気のノマドライフの目的地のようで、最近気にして見ているせいか、ノマドワーカーの人々をちょくちょく見かけようになりました。また、それらの方々を対象にした施設等もあちこちに出来ています。これまでは自分自身からは、関係のない異世界の生き方のように考えていましたが、よくよく調べて考えてみるとこれはこれである意味理にかなった生き方・働き方ではないかと考えるようになりました。(と言っても、僕がすぐにノマドワーカーになるのかと聞かれると、今は、その意思も、能力もありませんが(笑)。)
僕自身は海外駐在員で、残念?ながら海外でノマド生活を送った経験はありませんが、東南アジアのノマドの聖地、バンコクでの経験をもとに少し客観的な立場でお話できるかなと思います。お付き合いいただければ嬉しいです。
ノマドライフ・ノマドワーカーの定義 nomad_life_04簡単に言うと、特定の企業に属さず、フリーランス的に働き、かつインターネットを利用して事務所等の特定の場所に拘束されず、色々な場所に移動しながら働くライフスタイルです。
ノマドライフ・ノマドワーカーをwikipediaで検索すると、「ノマドワーカーは、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使い、Wi-Fi環境のある喫茶店など、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指す日本語の表現[1]。また、そのような働き方を、「ノマドワーク」という。」とあります。また関連語として、テレワークという言葉があります。テレワークはもともと英語の”Telework”から来ているのですが、企業に勤めている人が事務所ではなく、上記のように喫茶店で働いている場合と、フリーランスの人が同じように働いている場合があるようです。それに対して、ノマドワークの場合は、ノマド=遊牧民が示すように、フリーランスの人が喫茶店などで働いている場合を意味するようです。また、遊牧民ですので、大きな周期での場所の移動もイメージ的にはあるのではないでしょうか。つまり、特定の企業に属さず、個人事業主またはフリーランスで、喫茶店などの場所で、携帯端末でWi-Fiを使って仕事を行い、かつ一箇所に長期にわたって滞在せず、移動している働き方と言えるように思います。日本の東京などの大都会でもそうですが、タイのバンコクでも、彼らを客層の一部と考えたコワーキングスペースがあちこちで営業しています。
ノマドライフが継続的に成り立つための条件 nomad_life_03それでは、上記のようなノマドワークが継続的かつ安定的に行われるための必要条件を以下に書き出します。
仕事を継続的に受注できる。発注元や関係者とコミュニケーションが問題なく取れる。完成した商品、プロダクトを安全に引き渡せる。確実に集金できる。そして必要条件ではないですが、同じ発注先から継続的に受注できるようになれば、生活も安定してきます。受注に関しては、ネット上で仕事の紹介(マッチング)サイトがあり、いろいろな種類の仕事を紹介してくれており、その中には、仕事する場所について制約のないものがあります。代表的なものは、Webサイトのデザイン・構築、Webサイトの記事のライティング、各種アプリ、プログラミングの作成などで、これらの職種であれば、成果物(プロダクト)はネット上で発送できますし、発注者等の関係者ともネットでメールやSNSで問題なく連絡をて折り合え、紹介サイトは集金業務も行ってくれます。また、それ以外でも自らネット上にブログサイトを立ち上げてそこから広告収入を得る人や、ネット上で自分が作成したコンテンツを販売する人・起業を行ない法人として活動する人などかなりバラエティーに富んでいます。
また、最近の日経新聞で、あるスタートアップ企業が定額料金(年間48万円、月当たり4万円)で、全国にある宿泊施設を何日でも住めるサービスを始めたと記事がありました。他の企業は海外にも施設があり、料金は毎日利用できるプランで月額8万2000円、月に数日の限定利用なら1万6000円とのことです。まさにノマドワーカーのためのサービスですね。詳しくは以下のリンクを参照してください。
それでは次のステップとして、海外(東南アジア)に出国してノマドライフを始めることを想定してみましょう。これら海外の場合は以下の項目にも注意が必要です。
合法的に該当国に滞在できる公的資格(滞在許可・ビザ)を取得している。合法的に該当国にて労務を行う公的資格(ワークパミット・労働・就業許可証)を取得している。納税を滞りなく行える。出国前に必要な公的手続きを行うこと。生活に必要最低限の英語ができる。医療保険の確保。 滞在許可・ビザ日本人は日本のパスポートは優秀(ちなみにビザなしで入国できる国数を示すパスポート指数では日本のパスポートは190国に入国でき、世界で一番多いです。(2019年現在))で、多くの国にビザなしで入国できるのであまり意識していないかもしれませんが、基本的には外国に入国するにはビザが前提条件として必要です。また、ビザには有効期限(多くの国で30日)があり、期限内に出国するか、延長申請を行わなければなりません。期限を超えて滞在したい場合は一度近隣国に出国する方法(ビザラン)が行われますが、昨今は精査が厳しくなり、回数に制限がかけられています。また、タイではどうやらその回数は国籍により異なるようです。
また、ビザの有効期限を超えて滞在を続けるオーバーステイは取り締まりが厳しくなっています。1日ぐらいという考えは危険です。くれぐれも気をつけてください。うっかりして過ぎてしまった場合は、自己申告をお勧めします。お咎めはありますが、自己申告をすれば軽くなるようです。
また、勘違いされている方がおられますが、ビザと滞在許可は別物です。ビザは滞在許可を得るために必要な書類の一つです。従って、ビザがあるから必ず滞在許可がもらえるとは限りません。気をつけましょう。また、国によっては空港でビザの申請ができるところがありますが、僕は今までの経験からお勧めしません。理由は日本のパスポートで入国にビザが必要な国は圧倒的に後進国が多く、制度、システムが頻繁に変わったり、検査官の質が必ずしも高くなかったりして、トラブルに巻き込まれやすいからです。
以下にバングラデシュに短期出張に行った時の空港での出来事をまとめた記事のリンクを貼ります。空港でのビザ申請(On Arrival VISA)についても話していますので、よろしければ見てみてください。
ノマドワーカーの場合、労働許可証・就業許可証の必要性がグレーゾーンになっているように思います。5年ほど前に、タイでもコワーキングスペースに警察の手入れが入り、外国人が拘束されたようです。一応その後、釈放されて事なきを得たようです。また、以下のリンクにあるように2014年8月の当局の見解では、ノマドワークには就業許可証は必要ないことになったようです。
何れにしても、タイに限らず、日本人ノマドワーカーが警察のお世話になるのは、日本人の密告が直接の原因になるケースが多いようです。妬みが密告を起こさせるのでしょうか。気をつけてください。
所得税税金の件も海外で働く場合は気を付けなければいけません。私の知るかぎりみなさん、やはり日本で個人事業主として確定申告を行われているようです。また、日本を出国する際、住民登録を抹消されると、マイナンバーカードをお持ちでも、e Taxができなくなります。ご注意ください。
出国前の公的手続き出国前の公的手続きに関しては、以前に住民登録に関してと、それ以外の件についてまとめて記事を書いたので、よろしければ以下のリンクを参照してください。
生活に必要最低限の英語英語は基本です。仕事のためという以前に、生きていくため、生活のために必要です。出国前に出来るだけ勉強して少しでも自信をつけてください。基礎があるのと無いのとでは、出国後の上達の度合いが違います。海外での英語の上達方法は以下の記事で僕の考え方をまとめています。よかったら目と通りてください。
ノマドライフの今後の展望と結論 nomad_life_02今後はインターネット回線の高速化、需要増による関連施設の増加等により、ますますノマドライフを海外で送られる方は増えるのでは無いでしょうか。また、’これまでは若い独身の方が多かったようですが、今後はIT技術の普及、健康年齢の増進、日本企業の海外進出増等により、会社勤めを定年まであるいは定年近くまで行われた方が、老後をご夫婦で海外にて過ごされ、それまで培った知識をもとに収入を得られるような生活も出てくるように思います。
また、お邪魔してお仕事をさせて頂くわけですから、最低限のマナーは守って地元の方々に迷惑をかけないようにいたしましょう。以下の最近の日経新聞のリンクにありますように海外にて集団で振り込め詐欺を行うなど、もっての外です。
最後に何れにしても、海外に出る前には、できる限りの準備をしてください。特に英語の学習は強くお勧めします。仕事を行う以前に生活をしなければいけません。現地の言語習得も大切ですが、まずは英語です。そして生活の糧となる、スキル・技能を取得しましょう。
それでは今回は4,500字近くとかなり長い記事になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。本記事はみなさんの海外ライフの一助になればとても嬉しいです。それではさようなら。