アメリカで家を買うシリーズ、第7話。これで完結です。
家の中の壁は、気分も新たにオフホワイトに塗り替えました。引っ越しもなんとか無事に終わりました。
しかし、新居では不具合が立て続けに起きたのです。
入居前のインスペクションではわからないこと、生活してみないとわからないことがたくさんあることを学びました。
でも初めてアメリカで手に入れた自分の家に、大きな幸せを感じています。
実際に生活してみてわかった不具合の数々引っ越して数日のうちに発覚した大きな不具合は5つありました。
食器洗浄機:天井部分のプロペラが紛失、食器がきれいにならない 寝室の洗面所の蛇口のハンドル:止まるべき場所で止まらず、さらに根元から水がモレる 子供部屋のシャワーの根元から水がモレる トイレのタンクの水が、ちょろちょろとずっと流れている 冷蔵庫内の照明がつかない(電球を変えてもダメ)こういうときに使えるはずなのがHome Warranty(ホームワランティ)という保険。
使える「はず」というのがミソです。
使えそうで使えないホームワランティ保険(対象外が多い!)ホームワランティというのは、家の日常的な故障をカバーする保険のこと。
カリフォルニアでは、家を売った側がこの保険を1年分かけるのが通例になっています。なぜ通例なのかというと、家の売買において基本の家電製品がそのまま付いてくるからです。
ガレージドア、トイレのタンク、冷蔵庫、洗濯乾燥機、ヒーター、排水管などの故障が対象ですが、家を買った時点ですでに壊れていたものは対象になりません。
事前のインスペクションで壊れていることが分かっていた電子レンジは保険の対象にならないので、引っ越す前に新品を購入しました。ペンキを塗ってくれたハンディマンが、古い電子レンジを取り外して新しいものを取り付けてくれたのです。電気系統にも強い人で本当に助かりました。
ホームワランティに連絡するさっそくホームワランティの窓口に電話して不具合の箇所を知らせました。
食器洗浄機:天井部分のプロペラが紛失、食器がきれいにならない 寝室の洗面所の蛇口のハンドル:止まるべき場所で止まらず、さらに根元から水がモレる 子供部屋のシャワーの根元から水がモレる トイレのタンクの水が、ちょろちょろとずっと流れている 冷蔵庫内の照明がつかない(電球を変えてもダメ)修理できるのは2と3と4、という返事。サービスコール料金、つまり出張修理代として一回につき$75かかります。
1は部品の紛失で保険の対象外。5の冷蔵庫の照明も対象外。
とにかく2、3、4を直してもらいたいから配管工を派遣してくれと頼みました。
電話して2日後、配管工がきてくれました。3と4は保険で直せるが、2については日常的に使うことによる消耗(英語ではwear and tear)なので保険の対象外だと言います。$220を払えば直すことはできるが、どうするか?と聞かれました。一度に済ませたほうがラクだから直してもらうことに。
$220は痛い出費だけど、3と4を$75で直してもらえたことをありがたいと思うべきなのか?
そのへんは自分の中で折り合いをつけるしかないのです。
さらに洗濯機が壊れるさらに数日後、洗濯機が壊れました。エラーが出て、洗濯の途中で止まってしまったのです。
とにかく洗濯機の中からびしょ濡れの洗濯物を取り出し、手で絞りました。車で10分の場所にコインランドリーがあることは知っていましたが、近所の友人に助けを求めることに。
ありがたいことに「洗濯機、いつでも使ってください」と言ってくれたので、一日おきに使わせてもらいました。
本当に持つべきはいい友人です!自分も、誰かが困っていたらいつでも助けてあげられる人でありたい、と思います。
もちろんすぐにホームワランティに電話して修理を依頼しました。2日後に来た修理の人が見たところ、部品(排水ホース)の交換が必要とのこと。その部品が届いたらすぐ修理する、と言って帰っていきました。
修理まで3週間も待たされましたそして待つこと3週間…
もう学校は夏休みに入っています。毎日のようにプールやビーチで遊ぶ夏に、3週間も洗濯機が使えないなんて!
ようやく排水ホースが到着して、修理の人が来てくれました。古い排水ホースの中に、ガラクタがたくさん詰まっていたのです。小さなボタンやチビた鉛筆など、前に住んでいた人の置き土産を見せられました。
「本当はこういうの保険の対象外だけど、今回は特別に直してあげるよ」と言われましたが、3週間も待たされた私としては「フン!もっと早く直してよね!」という気持ちでしたね。
ホームワランティには期待しすぎない私はホームワランティに期待しすぎたのかもしれません。家の不具合が出たら自分で修理代を出さないといけないけれどホームワランティがあるから出費は押さえられる、と思っていたからです。
実際にフタを開けてみたら、保険の対象項目がかなり厳格に決められていて、カバーされない場合がたくさんあることがわかりました。「それは対象外」と言われることがなんと多いことか!
何かが壊れたら保険でカバーされる故障であることを祈るけれども、カバーされたらラッキー、という程度に考えておいたほうがいいです。
「ホームワランティに過大な期待は禁物」という教訓を学びました。
持ち家の苦労 < 自分の家を持つ幸せ食器洗浄機は修理してもらえないため、電子レンジ同様、新品に買い換えることにしました。
本体は$300ぐらいで買えますが、古いものを取り外して処分して新品を取り付ける作業代を加えると、結局$600以上かかりました。
気楽な賃貸生活が長かった私は、家の所有することの大変さを思い知らされています。
また、家賃よりも月々の住宅ローンの額が高くなったので「とにかく節約!」が口癖になりました。
すべてが徒歩圏という便利さでも、悪いことばかりではありません。
壁の色を好きな色に塗り替えられたのも、自分の家だから。インテリアを考えるときに制限がないはうれしいです。
図書館がすぐ横にあるというのも幸せ。ヒマがあると映画やドラマのDVDを借りています。本も雑誌も、すべて無料で借りられるのは家計の大きな助けになります。
大きなスーパーや飲食店があるショッピングモール、娘のダンス教室、かかりつけの病院、すべてが徒歩圏になりました。車に乗るのはせいぜい週に2回。ガソリンの節約にもなるし、歩くことで身体の調子がよくなります。
さらに!
毎日のように通っているピラティスのスタジオが、私の引っ越しと時期を同じくして隣のショッピングモール内に移転したのです。これは本当にうれしかったですね。
いつ病気になっても大丈夫という安心感出張が多い私の夫。夫の不在中に私が病気で寝込んでも、娘たちだけで何かを食べに行けるし、買い物も頼めます。これで安心していつでも病気になれる、と思うとホッとしました。
自分の健康に自信がない私でしたが、「いつ病気になっても大丈夫」な状況になると逆に元気になるようです(笑)。寝込むことも少なくなりました。これもたくさん歩いているからでしょうか?
最後にこれからも家の不具合は出てくるでしょう。でも、困ったら助けてくれる友人や知り合いが近くにいます。
すべてが思い通りにはならないし、欲を言えばきりがありません。
初めての家の購入で、自分の中で折り合いをつけるすべを学んだ気がします。
娘二人が高校を卒業して巣立つまで、私たちの城をできるだけ快適な空間にして暮らしていきたいと思っています。
【完】
投稿 持ち家は大変だけど幸せも大きい!アメリカで家を買う【7】 は Naoko's English Cafe に最初に表示されました。