南国新聞の連載分を、約1週間後にこのブログにも書いています。紙面の
都合で制限された写真も少し増やし、付け加えたこともあります。
13回で連載は終わります。長文の為・・分割記事、連載中ですが、
・・あと2回・・・ゆっくりお付き合いをお願いしま~す。
========= [第11回]=====
~~~~~~~~~~~~~~~タイトルーーーーーーー
~身体のきしみと心の高揚に包まれ体験しました~
あの有名なキナバル山に老体にむち打ち挑戦! !
<<キナバル山の魅力って?山の魅力って何?>>
「何故山に登るの?」「そこに山があるから」は、よく知られた言葉。
これにはエピソードがあって、著名な登山家の「ジョージ・マロリー」の
言葉なのです。
・・つい、口に思いついて出た言葉が「そこ」。
・・・「そこ」とは、「処女峰エベレスト」だったらしい。
・・・・・・・日本語訳では「そこに山があるから」と訳されてしまった。
(どこにでもある山、の「そこの山」・・という意味なのでしょう)
(さあ、遊んでないで、下山するぞ。・・ワタクシ達は、いません)
そのマロリーさんは、答えるのが面倒で、適当に発した言葉が受けて、
しとやかに、端的な的確な答えとして、その後、広く浸透していった
という説である。
・・・それも正解だと思う。日本の山、世界の山に限らず、その山の
ふもとには人が住んでおり、高かろうが低かろうが生活の一部であり、
人生の一部であり、山に登ることは、ごく普通である。
遠くに山の頂を抱く私達は、直接に山を感じてないけど、そこに山が
あるから行くし登れる。・・そこで登ることによって山と一体となる。
平地には無い、あの自然の雄大さ、優しさ、現実を忘れさせてくれる
時間と空間。時に見せる激しさ過酷な様相は、逆に都会での生ぬるい
人生を送る自分への反面教師だ。登山中の苦しい時、ホントにそう思う。
(3500ⅿ付近の新コース下りの階段。やはり帰りは楽だな。
しかし、段差ありで、ひざが笑う。
・・1年前の地震で破壊された後、新しく作られた木の階段)
・・山行での苦しさが、自分への叱咤激励、励ましが、希望、光りとなる。
時に、暗闇からの一条の光となって気持ちの転換を示唆してくれる事もある。
・・・・山は、人間の弱い心に・・響く・・何かを・・秘めている。
・・・・海では味わえない山の心。海は綺麗で健やかに憩いをいざなうが、
山は、いつも汗まみれで、時間との戦い。・・・危険と隣り合わせ。
頂上への到達だけが目的じゃない・・その途中の過程が山行のホントの心。
・・・身体の限界を感じながらも、自然との調和を感じ、時に、あまりに
見事な流星や星空、太陽の浮き沈みを見るにつけ、サンライズとサンセット
の遭遇の時は、神の領域を感じることもしばしば。・言葉で表現できない程
の美しさを見たら感じたら・・口は開けたまま・・で、息をのむ感動だけ。
人間の生きている意味や、死んでどこに行くのか・・。時に山は来訪する
人間に瞑想を至らしめる。だから、山が好き。汗かいて辛いことキツイこと
多いけど、山が好き。今回、MM2Hの私ども夫婦は、キナバル山で密かに
その心を取り戻したみたい。奥さんは初めての経験で未知の世界だったハズ。
<<山の魅力?頂上だけが目的じゃない。人生色んな道もある>>
日常雑多な日々を送る私達の生活にとって、救いであり、心のリフレッ
シュであり、目的であり目標にもなりうる山登り。やがてそれも生活の
一部、人生の生き方にもなってゆく過程で、山男、山女達は・・たぶん
そのスピリッツで心身を磨かれる。
(白く剥げ落ちたこの岩が、1年前の地震の爪痕の一部。
・・・・大きく削られて、下にゴロゴロ転がった様子が分かる)
かなり大きい。この写真の手前に崩れた岩盤が無いという事は、この写真の
下奥まで転がったという事だ。登山中なら、かなり恐怖だったと思うマジで。
<<ボルネオ島のサバ州、世界遺産のキナバル山の魅力は?>>
1、正に世界遺産になったこと。個人的にはあまり意識がない。
2、日本からのツアーがあり気軽に参加出来る事。初めての海外登山
には、4095.2mの高度であることが大きな魅力となる。
・・・・・・・・・・日本には4000m級は無いからだ。
3、登頂ルートがバラエティで最初から最後まで飽きさせない魅力を
持っていること。若い頃、日本の富士山にも登ったけど、確かに富士山
のご来光は素晴らしいものがある・・・とはいえ、途中のジグザグの
ガレキの道、帰りの無機質な斜面の小さな石ころだらけの道、行きも
帰りも、飽きてしまう残念さがある。
4、一方キナバル山は目に染み入る景色もそうだが、肌に感じる空気、
森での森林浴、岩の荒々しさ、木々の新鮮な息づき、踏みしめる土
から靴へと、心臓を登り越え、頭、身体全体に伝わる感じる喜びがある。
変化に富んだ鬱蒼と生い茂るジャングルの息吹からは、鳥のささやきや
、高度差の変化に富んだ異色の植物たち、可愛いリスたち・・それらの
生命力のいざないが感じられる。登る最初から降りる最後まで、生命の
息吹を感じさせてくれるキナバル山。そこがいい。
この白い部分は、崩れ落ちた部分。岩肌が削られた証拠。急坂なので
恐怖・・・山の神の怒りと思っただろうなぁ~。
5、移り変わる、晴れと曇りと霧の応酬。登るにしたがって下界を見下
ろす時、染み入る目に入ってくる雲海の下の俗界の虚無。その代り天空
の自然の山に抱かれる高揚感。
6、世界に有名なキナバル山ゆえ、各国からの登山者も多い。そういう
中で渡り合える、通え会える心のふれあい。これも魅力。
・・・・・・・・・・・・・言葉が出来なくってもいい。
7、岩場とロープは父の厳しさ、シェルターに見せる休息の母の優しさ。
苔類、シダ類、菌類、は含まずとも、およそ5000種類の花の咲く植物
の自生があり、自然の豊かさを感じる。頂上に近づくにつれ、花崗岩の
岩盤は、不気味なほど荒涼とした荒削りの中で、静寂さと平静さを
保っているキナバル山。
(あの時の地震の発生時は、どうだったのだろう?こういう残骸が、数か所
で見受けられた。岩石が、このように途中で止まっているが大型トラック
より遥かに大きい)
<<キナバル山の気候と持ち物は?>>
気候的に、降水量からして、1月から4月は雨が少ない。6月から多く
なり、特に10月はピーク。山の天気だから、変化が激しい、少ない
からと言って全然雨が降らないという事でもない。
体温を下げる雨と風には、十分対策が必要。雨具は丈夫なものが絶対
必要。折り畳み傘は役に立つ。結果、強い雨に降られたので、自分の
場合、もう少し丈夫な傘にすべきだった。100均の傘はダメだった。
・・PHQあたりでは日中25度前後だが、3272mのラバンラタでは、
12度前後に。夜明けの頂上では0度をみておいた方がよい。頂上付近
では、強風が吹き荒れる。今回気温で苦労したことは、暑いと思って
薄着になると寒くなり、寒いと思って着こむと、汗と共に暑くなり、
今度は、汗で冷えてくる。こまめな体温の調整が大事だった。
要は、脱ぎはぎの簡単な服装を心がけ、変化に応じて出し入れ自由の
出来る上着の準備も、ポイントだと思う。
山の魅力の一つは、当然、頂上に達する事!。山の魅力って?でも、頂上
だけが目的じゃないはず。・・人生色んな道もある。たどり着く道は色々。
そして、頂上で見る景色は人それぞれ違う。だって、歩んできた道のり、
登って来た足跡が違うからだ。達成感が違うんだな。
一般的な言葉で言うと、頂点は一つでも、どの道を選ぶかは本人次第。
また、引き返してもいいし回り道をしてもいい。そこには人間的な辛さが
あり、悩みがあり、喜びもある。
そういうことでも、古来から「山は人生に例えられる」のかもしれない。
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参考までに:他の方々の面白ブログ拝見はこの上下から。動画紹介専門ブログも。