ニュージーランドの首都ウェリントンとはいったものの
工場のあるところはもちろん首都からかなりかけ離れた場所。
何も分かるわけでもなく、まして英語が話せたわけでもない
このおいらにとってはどこにも行く気がうせていた。
毎日、工場に行き身振り手振りで仕事工程を客に教えるおいら。
しかし、問題は土曜日と日曜日。まわりは本当に何もなく
駅もどこにあるのかさっぱり。
駅についても当時は英語すらチンプンカンプンのおいら
どこかに行けるという自信はあるわけもなかった。
同じ期間にオーストラリアには後輩3人が展示会に
行っていた。
毎度毎度の事だが、片方が田舎町に行くと片方が都会に行く。
その田舎側に行く事が多いのはおいらやった。
一人の出張が多かったおいらに対し、なんで他は2人とか3人で
行かせる事ができるねん?
と、ジャラシーになっていた時期があった。
まー、それが後々になって自分の駐在員としての人生が
始まることになるとは確かに思ってもみなかったが。
おいらが勤めていた会社のセールス課オセアニア担当が
気を使ったのかFAXでオーストラリアで後輩3人が滞在している
電話番号を送ってきた・・・。って電話しろってことですか?
自分の持っていたトラベル英会話の本のフレーズを覚えた。
そして恐る恐る電話をする。
「ooo Hotel. Can I help you?」でたでたでた~!
目の前が真っ白になりそうやった。耳元の受話器の中で
自分の知らない世界が聞こえていた。
覚えたフレーズで
「I.I.I would like to my japanese friend
p..please?Room number is XXXXX.」
レセプションのにーさんに
「 I'll put you through sir.」とかなんとかいわれた気がした。
最初のトライにしてはよく通じたな。ふ~力が抜けた。
が緊張の糸がまた張り詰めた。
「No,We can not find him sir,bhsdbbdanicb 」
と、レセプションがよく分からん事をいってきた。
困った。全く分からん・・・。多分、もう一つの部屋番号を
いえばいいんだろう。
違うナンバーを伝えてみた。
「O.K. Sir.」
やった!感が当たった。
しかし、電話がつながらない。
また、レセプションが何かを英語で言ってきた。
おいらはもう何も思いつかず「No thanks」といってみた。
レセプションのにーさんは「Ok Sir Bye Bye.」といって
電話がきれた。
完全に力が抜けた。フ~ッとタバコを一服。
そして我に返って考えてみた。そういえば後輩3人も
英語でけへんやンけ。急に部屋の電話が鳴っても
受話器取りたくないわな。
あー、そりゃそうやわなー。話なんかでけへんて。
しかし、ほんまによう伝わったな日本人アクセントの
素人英語。
びっくりやったわ。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。