なんと偶然ずいぶん前のことになりますが、出張中、米国のある空港のスタンドで村上春樹『1Q84』を見つけました。もちろん英語訳のものです~
恥ずかしながらそれまで彼の作品はまったく読んだことがなかったのですが、その出来事の1ヶ月ほど前にオリジナルが文庫化されたタイミングで日本出張があり、一気に読んでいました。
何か不思議な縁を感じます。
とても暗示的な文章ですねさて、表題の英文は、冒頭の章で青豆が"仕事"に向かうタクシーの中で、インテリな雰囲気も持つ風変わりな運転手が青豆に向かって言う台詞(英語訳)です。オリジナルではBook 1の第1章の表題になっていることも含めて、2回本文に登場し、最後は太字になっていたので覚えている方もいらっしゃるかも知れません。
「見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです。」
Don’t let appearances fool you. There’s always only one reality.
物語の始めとしてとても暗示的な台詞が用意されましたね。同時に、我々の生活においても、いろいろな意味で暗示する言葉だと思います♪ 言葉自体としての含蓄もあるし、英文としても非常に"英語的”であり、暗記するにもとても良いと思います~
ネイティブの翻訳英文に惚れ惚れさてその空港では、せめて機内で「ちょっとだけ、英語の勉強でも」と早速買うこととしました。かなり分厚い本なので、もう一度全部を英語で読み直す気もありませんでしたが。始めの章だけを読んだのですが、やっぱりプロのネイティブによる英文にはしびれます!惚れ惚れしちゃいますね~
「青豆は音楽を聴きながら、ボヘミアの平原を渡るのびやかな風を想像し、歴史のあり方について思いをめぐらせた」
Listening to Janáček’s music, Aomame imagined the carefree winds sweeping across the plains of Bohemia and thought about the vicissitudes of history.
"the carefree winds sweeping across te plains of Bohemia"とか"vicissitudes of history"- こんな表現がさらっと使えたら、本当にカッコいいですよね♪
ちなみに英辞郎からvicissitudeの意味を記載しますね。確か英検1級の単語集で出てきた記憶があります。翻訳では複数形ですよ~ (英辞郎も名詞がCountableなのかUncountableなのか表記が欲しいですね)
vicissitude
【名】
〔状況・運命・境遇などの〕変化、変遷、変わりやすさ
〔人生の〕浮き沈み、栄枯盛衰
〔人生で遭遇する〕苦難、試練◆複数形(vicissitudes)で使われることが多い。
・For People who have a purpose of life, daily vicissitudes are seen in reference to longer-term goals. : 人生に目的を持っている人にとって、日々の試練は長期的な目標に関連しているものと見なされる。
私は翻訳の勉強はきっちりとしていないのですが、社内翻訳など真似事はする機会も多く、とても役立ちます。
今は無理でもいつかはもう20年以上前も前になりますが、英語の勉強の一環としてアルビン・トフラーの著作を、有名な『第3の波』を含む3部作の全てを原書で読みま した。もうすっかり細かいことは忘れてしまっていますが、アメリカを中心に世の中の流れがどんどん速くなり、ボーダーレスになっていく様子が理解できるよ うになったと思います。
この『1Q84』を原書で読めば、オリジナルを読んでいることもあって、英語力のさらなる向上にとても役立つでしょう。他にもやるべきことはたくさんあるので、今すぐというわけには行きませんが、いつかは挑戦しようと思います♪
補足翻訳者については次のようにあります。
Books 1 and 2 translated by Jay Rubin. Book 3 translated by Philip Gabriel.
簡単に調べると、Rubin氏は村上春樹の訳を多数、Gabriel氏は大江健三郎の訳をしていますね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Rubin
http://en.wikipedia.org/wiki/Philip_Gabriel