続きです。
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PM 12:30 (出産まであと2時間50分)
道端でタクシーを拾い、病院へ。
車が走り出すと、それまで余裕だった痛みが、けっこう痛くなってきた。
この時すでに5分の等間隔。ま、まずい・・・
ひとまず、気合を入れるため車中でリポDを一気飲み。
いざ、出陣!!
病院に到着し、通訳の人がお出迎え。
担当医に診てもらってもないのに入院前提で話が進んでいき、
窓口で入院費用の押金を支払う。
「むーみんさん、重大なことが発覚しました」と、通訳。
私が病院に到着したのが12:30。
しかし、昼休み中に検査をすると、検査費用が割増になるらしい。
重大なことが発覚って…新人でもないのに今更?(苦笑)
なんか悔しいので13:00まで待つことにした。
が、しかし・・・
タクシーの振動と、病院内を歩き回ったせいか、
その待っている30分で急に痛みが強くなる。
今まで半信半疑だったが、これは間違いなく、陣痛!!
割増でもいいから早く検査してもらうんだったと、
のちのち後悔することになる。
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PM 13:00 (出産まであと2時間20分)
状態を確認するために検査を受ける。
まず内診で子宮口の状態を確認。
まだ開いてないものの、頭は下がってきてると。
次にエコー。
以前指摘された臍帯が首に巻きついているのもほどけていて、
自然分娩するには最高の状態(体勢?)とのこと。
上記の検査だけで入院確定。
え?今きてるこの痛みは、陣痛ってことでいいの?
日本だと分娩監視装置で陣痛がきてるの確認してから入院だったかと。
自然に生まれなくても、今日中に強制的にお腹切って取り出しちゃうとか?
中国ならあり得る~とドキドキ。。
とりあえず家で待機してるアーイーに連絡。
夫はセミナー中で電話に出られないというバッドタイミング。
まぁ夜までかかるだろうし、後でいいか。
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PM 13:30 (出産まであと1時間50分)
検査費用を精算し、入院病棟へ移動。
車椅子使う?と聞かれたけど、歩けないほどの痛みではないので断った。
が、歩いてみるとけっこう遠い・・・。
入院病棟に向かう途中で、
「钓鱼岛是中国的」ってゆー巨大ポスターを発見。
これからって時にテンション下がるなァ~ヽ(`Д´)ノ!
外国人も利用する病院にこんなの貼るんじゃない(怒)!
入院病棟の受付に到着する頃には、
「いたたたた…」と声に出して立ち止まるほどに。
歩いたことで陣痛が強くなったらしい。
通訳の人が受付で入院手続きをしている間、
椅子に腰かけてても辛い状態になってきた。
この時すでに、3分間隔!!
入院部屋と分娩室は階が違うらしく、それから更に移動。
移動多いな。なんかもう、やばいんですけどヽ(;´Д`)ノ?
何やら書類にサインをし、担当の助産師さんを紹介され、
とりあえずここで待っててと、ベッドのある待合室?に通される。
ちょっと他の件があるから、行ってくるね~と、
通訳がどこかへ行ってしまった。
おいおい、一人にするなァー!!
通訳不在の中、看護師さんが代わる代わるやってきて、
分娩監視装置をつけたり採血したりと検査が進んでいく。
看護師さんが容赦なく中国語で話しかけてくるが、
追い詰められて必死なせいか、普段よりも聞きとれる。
ベッドに横たわって10分もすると、陣痛の間隔は3分を切り、
寝返りを打つのに唸り声をあげるほどの痛みに。
でも、通訳も付添もいないし、
痛い~!とか腰さすって~!とか何やらの表現は、
全て中国語で看護師さんに伝えないといけない。
もともと使えない(おっと失敬!)通訳だったから、
出産当日も通訳能力には大して期待してなくて、
水とってもらったり介助してもらったりするのに使ってやろーと企んでたけど、それすら叶わないっていう。
仕方ないのでそこら辺にいる看護師さんに助けてもらうが、
その度、「あなた付添(家族)誰かいないの?」と言われる。。
ご、ごめんなさい。。(@_@)
中国では、出産の際にわんさか付添がいるのが当たり前。
私みたいに一人でタクシー乗ってくる妊婦は稀。
異国で、この状況で、一人で、他言語で出産って・・・
なんか孤独で泣けてきた・°・(ノД`)・°・
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PM 14:30 (出産まであと50分)
相変わらず通訳不在のまま、
あっという間に陣痛が末期状態まで進む。
病院に到着した時全く開いていなかった子宮口が、
すでに7~8cm開大と・・・
今日中どころじゃない、もう今まさに生まれる。
そーいえば、夫に入院のこと連絡してない。
しかし蘇州で会議中の夫、電話に出られず。
渾身の力を振り絞って、メールを打つことにした。
私の携帯はかなり古い機種で、中国語しか打てない。
ゼーゼー息を切らしながら、入院すること、持ってきてほしいもの、娘のことなど、中国語で長文メールを打つ。
しかし・・・辛い!!!
陣痛間隔はすでに3分を切り、痛みの合間にメールを打つ。
この時はじめて、日本語打てる携帯持ってればよかったと後悔。
「これ以降、もう連絡できないと思う」と最後の一文を書き終え、送信ボタンをカチッ。
なんか遺言を残す人の気持ちが少しわかったような…
ようし、やることやったし、出産に集中!
と、メールを打っている間に、私が横たわっているベッドに色々と器具が装着され、分娩台に変身していた。
いつの間にやら、最終段階に突入したらしい。
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PM 14:50 (出産まであと30分)
何やら助産師さんが慌てて看護師さん達を呼んだり、
諸所の準備を大慌てでやっている。
もしかしてもう出てくる??
それでも明るくノリよく私に不安を感じさせないように対応してくれて、とっても感じの良い助産師さん。
分娩台の足をのせるところに、かかとを乗せるように言われる。
M字開脚になるアレ。
ということは…
私「子宮口全開??」
助産師「いやまだ全開じゃない」
私「いきんでいいの?」
助「う○ち出したいような感覚になったら、いきんでいいよ~」
私「もうう○ち出したいような感覚なんだけど」
と、助産師さんがどっか行ってしまった。
そして別の看護師さんが来たので、
私「いきんでいい??」
看護師「まだダメ」
私「え????」
もういきんで産みだしたい気分なんだけど、
言ってることがバラバラなのでタイミングがわからん!
いきんじゃダメなのに開脚姿勢で陣痛に耐えるのは、かなりキツイ!
私「いきんじゃダメならこの姿勢やめていい?」
看「いいよー」
おいおい助産師と看護師の連携プレーができてないぞ(焦)
辛いので、足をベッドに降ろしてもうしばらく耐えることに。
あまりの痛みに、時々日本語が出てきてしまう。
私「イタタタタター!!!」
看「いたたたた(笑)!」
↑
日本語の絶叫が面白いらしく、笑いながら復唱する看護師たち。
痛(tong)って意味ダヨ!と自分で通訳する私・・・
ってか、通訳どこ行ったー!?
そして別の看護師さんが数枚の紙ぺらを持って入室。
どうやら分娩に関する諸所緊急事態に関する説明書を読んで、サインするらしい。
看「あなた~、付添(家族)は~?」
私「来てません」
看「じゃあ自分でサインしてね~これを読んで~、こうこうコレコレで~(説明文を読む)」
↑
で、この看護師がやたら満面の笑みでゆっくりおっとりチンタラと説明する。
こっちはもう死にそうなんですけどー?!
ペース合わせてー!早くしてェー!!
私「わかり・・まし・・た」
もはや手先に力が入らないものの、必死に自分の名前を書く。
が、しかし・・・
看「はい、次はコレね~、こうこうコレコレ(また長い説明)」
そしてまたサイン。何枚あるんだ???
これが数回繰り返され、プッツン寸前になったところで、助産師さんが足早に入室。
助産師「あ、その子、事前に全部サインしてあるから要らないよっ!」
看「はぁ、そうなんですか~」
私「・・・」
あの死に物狂いのサインは、全て徒労にオワタ。
怒る気力さえ残っておらず、どうにでもなれという気分に。
このわけわからんやり取りが終わった時、すでに、子宮口全開。
いよいよいきんでいいとの号令がかかる!
が、しかし、いきんでいいと言われたものの、
看護師さんも助産師さんも見守っているのみ。
日本で出産したことがある方はご存知かと思うけど、
いきんだ勢いで脱肛しないように、助産師さんがお尻おさえたりするんですよ。
それが、何もしないので、不安になってきた。
私「お尻おさえないの?脱肛になっちゃうよ!!」
↑
が、コレを中国語でどう表現すればいいかわからず、初めてやり取りに不具合が出てくる。
看「??どーいう意味??」
私「書くから紙とペン持ってきて!!」
で、字で書いてみるものの、意味が通じず。
この期に及んで脱肛を気にするのもアレだけど、お尻のトラブルって、産後けっこう長いこと苦しむハメになるから、ちゃんとしときたくて・・・
てゆーか、何で私がこんなに大変な思いを?
こんな時に通訳が必要なのに!
急に今までの検診のこととか走馬灯のように思いだして、通訳への怒りが頂点に。
私「通訳どこ行ったァーー!!」
看「探してるんだけど、見つからなくて」
通訳してほしいとかじゃなくて、この怒りを、その場でぶつけたくて、私はしばらく通訳どこ行ったー!と叫び続けた。
助「もう頭が出てくるヨ!用力!用力」
私「え?もういいの?」
もはや脱肛のことを気にしてる場合じゃない、
赤ちゃんが頑張ってる、私も頑張らないと!
せーの、んーーーー!!!!
・・・ガコーン!!
私「足、落ちたー!」
いきんだ瞬間、左足をのせている台が取れ、足が落ちるというトラブル。
これがけっこう身体に衝撃がくる。
看護師が急いで足置きを直し、再び左足をのせる。
そしてまたいきむ。
看「用力!用力!」
私「んーーーー!!」
ガッコーン!!
また落ちたー!
私「足!!足!!(怒)」
なんだなんだこの中国クオリティの分娩台は\(゜□゜)/!
こうゆう時に無駄なストレスかけないでいただきたい!
その後、いきむ度に足置きがはずれ、イライライライラしてきたところ・・・
助「はい、一度いきむのやめて!」
私「え??」
一瞬、痛みが和らいだような気がした次の瞬間、
助「はい、もう一回いきんでー!」
再びちょっと力を入れたら、つるんと出てきた感覚。
そしてふにゃふにゃという産声。
助「女の子よ~」
私「はぁ、よかった~」
赤ちゃんと対面した瞬間、それまでのイライラはどこへやら。
通訳のこととかもどうでも良くなって、一気に身体の力が抜けた。
分娩所要時間、1時間25分のスピード安産。
8月30日 15時20分。
3120gの元気な子が、むーみん家の次女として誕生。
手指がやたら長いので、長女と同じく大きく育ちそう。
上海で生まれ、上海で育つこの子は、
一体どんな子になるんだろう?
とんでもない疲労感と幸福感に包まれながら、
私の初めての海外出産は幕をとじたのでした。
次回は入院中のことを書きます。
ちょっと先になるかもしれないけど。。
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