本サイトのメインテーマである海外移住とも駐在妻ともあまり関係ない話なのですが、
母として妻として、そして元コンサルタントとして、
気になる内閣府のキャンペーンを見つけました。
それがこれ「おとう飯」キャンペーン。
私の第一印象は、「センスない!」「また行政が無駄な予算使ってる、、」でした(笑)。
でもココは一旦落ち着いて、このキャンペーンが
誰がやってるのか?
何目的でやっているのか?
お金はいくら使われているのか?
誰に、何に払われているのか?
結局誰が得しているのか?
個人的に興味がでたので、元コンサルタント(主なクライアントは行政機関)だし、行政文書とか予算とか読んでみて調べてみました。
調べても分からないこともあったけど、ざっくり予算とか分かることもあったよ~!
そもそも、「おとう飯」って?
そもそも「おとう飯」(おとうはん、と読むそうです)って何かというと、以下の定義になります。
【おとう飯(おとうはん)とは】
男性が料理をするにあたっては、知識や技術がなくて自分には作れない、家族のた
めに作る料理は栄養バランスや盛付けなどに気をつかい立派でなければいけない、
料理を作ってみたものの家族に不評だったため作るのをやめてしまった等、技術的、
心理的ハードルがあると思われます。
そこで、これまで料理をしていない、料理をしたことはあるものの作ることをやめ
てしまったという男性の料理参画への第一歩として、簡単で手間を掛けず、多少見た
目が悪くても美味しい料理を「おとう飯」と命名しました。
引用:【別紙】 “おとう飯”とは・キャンペーンロゴ・キャンペーン大使プロフィール
つまり、私が解釈するに、おとう飯とは
料理下手のお父さんがつくる簡単で手間を掛けず、多少見た目が悪いが、美味しい料理!
ですかね。そんな都合のいい料理があるのか、、、
NHK等で紹介された後、プチ炎上したみたいです。私も炎上を伝えるツイッターからこのキャンペーンを知りました。
炎上の理由はHUFFPOSTやBLOGSなどにまとめられています。
主な批判の内容としては、
おとう飯は見た目悪くても、おかん飯は見た目悪くちゃいけないってこと?!
それよりも、男性の労働時間削減のほうをやってくれ!
男だって料理できる!やってる!なめんな!
等があげられます。
私は1児の母であり、妻であるのでこのキャンペーンを知った直後の率直な感想としては、
初心者が料理を1から作るとかはハードル高いし、私が材料の準備から後片付けが大変になるだけだから、料理を手伝うとかのほうが助かるな。例えば、野菜切るまでとか、料理を食卓に運ぶとか、食器洗いとかそういう地味だけど基本的なことからね。
と思いました。いやいやもっとやってもらいたい!っていう意見があるかもだけど、私は専業主婦で料理が好きだから、これで十分うれしいし助かります。
そんな私の感覚とはずれている「おとう飯」キャンペーン。どうしてこのようなキャンペーンが始まることになったのか、興味がわいたので調べることにしました。
誰がやってるのか?最初の疑問、このキャンペーン誰主催なのか?
答えは、
内閣府 男女共同参画局
です。
内閣府男女共同参画局は、何をやる局なのか?内閣府のHPによると、
男⼥共同参画局では、5年毎に、男⼥共同参画社会基本法に基づき男⼥共同参画基本計画を策定し、政府⼀体となっ
た取組を総合的かつ計画的に推進しています。
つまり、「男女共同参画基本計画」を作ってそれに基づいた取組をする。
うーん、分かったようなわかってないような。
じゃあその「男女共同参画基本計画」には何が書かれているのか?最新の計画は、平成27年12月に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」になります。
それを読む限り、
あらゆる女性の活躍の推進とか、
(女性が安定した職業を得たり、暴力にさらされないという意味で)安全・安心な暮らしの実現を目指した施策や取組を推進していく。
と書いてあります。やっぱり具体的に何するか分からない。。
それもそのはず、この計画は、行政の計画の中でも各種計画のもとになる「基本計画」なので、あまり具体的なことは書かない(書けない)んですよねー。
網羅的に読んでいても時間がかかるので、
以下より、おとう飯に関わる部分だけに着目したいと思います。
何目的でやっているのか?今回の話題にしている「おとう飯」が関係しているのは、「第4次男女共同参画基本計画」の「第1分野 男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍」の分野です。内容的に判断するに。
そこには、「3 男女共同参画に関する男性の理解の促進」という施策あげられており、そこの「具体的な取組」として、
② 男性が家事・育児等を自らのことと捉え、主体的に参画する動きを
広めるため、男性を対象とした啓発手法の開発・実施、食育の推進、男
性のロールモデルによる活躍事例の発信、キャンペーンや顕彰を通じ、
国民全体の気運の醸成を図る。
③ 男性が家事や育児に参画することや、介護休業・休暇を取得するこ
とに対する周囲(女性、両親等の年配者、子供、地域、職場等)の理解
を深め、男性がそれらの活動に前向きに参画等できるよう、必要な広
報・啓発活動等を行う。
があげられています。また成果目標として、
6歳未満の子供を持つ夫の育児・家事関連時間を、平成32年に1日あたり2時間30分とする(平成23年は67 分)
があげられています。
上記の具体的な取組がほんとに具体的かどうかは別として、分かったことがあります。
それは、
どうやら「おとう飯」は、内閣府男女共同参画局がつくった、「第4次男女共同参画基本計画」に書「3 男女共同参画に関する男性の理解の促進」という施策の「具体的な取組」の具体的な取組のひとつである
ということです。
実際に、「“おとう飯”始めよう」キャンペーンの実施についてには、
我が国の6歳未満の子供を持つ夫の週平均1日あたりの家事・育児関連時間は、平成23年時点で67分と欧米諸国と比べて短い状況にあります。平成27年12月に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」には、67分を平成32年に2時間30分とする数値目標が掲げられています。
という「第4次男女共同参画基本計画」の数値目標に関する記述があります。
コンサルタントとして働いた時、分かったのですが、
役所が何かするための流れは、
何か計画作る→そこに施策載せる→施策に具体的な取組みをぶらさげる→それぞれ(施策毎か取組み毎かは計画による)に予算(お金)がつく→実行!
という構造になっていて、この通りに進むよう(少なくとも表面上は)厳密に守るんですよね。
民間企業もそういう構造だと思うのですが、違うのは
計画や施策、具体的な取組までが今や誰でも閲覧可能ってところですよね。
なぜ見れるのかって、それは国民の税金でこの計画は実行されるからです。
だから、次はお金について調べてみました。
お金はいくら使われるのか?私の中で、
「おとう飯」ってキャンペーンにいくらお金(税金)が使われているの?!
って素朴な疑問がわきました。
実は、これもインターネットで調べればざっくりですがわかるんですよ。
どうやって調べるか?それは各局の「予算の概要」を調べてみます。
「○○局 予算」とグーグルで検索をかければすぐでてきます。
今回は、平成29年度男女共同参画基本計画関係予算額をみてみます。
「おとう飯」に関わる予算は、どれか細かい文字に負けじと探してみると、、、
の「3 男女共同参画に関する男性の理解の促進」のとこの「男性の家事・育児等参加応援事業」という事業と思われます!!
この事業の予算は、、、 17,220千円。
つまり1722万円の予算がついてます。(昨年度より約400万円増)
この金額のうちどれくらいの割合が「おとう飯」キャンペーンに使われているかどうかまではわかりませんが、
少なくともこれくらいのオーダーで税金が使われているわけです。
このお金、誰に何に払われているのか?誰得?(私の推測)じゃあこの約1700万円何に具体的に使われているんでしょうか?
ぱっと思いつくのは、おとう飯大使の給料。
おとう飯大使さんは、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属ということなので、よしもとクリエイティブ・エージェンシーにお金が支払われていると思われます。
また、ロゴデザイン代、広告代、レシピ考案代、イベント参加代、、etc
他にも、私が思いついていない経費があるでしょうね。
あと、広告代で1つ私の推測があるんです。
「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」という会議の委員名簿に、「電通総研」の人が入ってます。もしかしたら、この広告事業を受注した企業は、、?
結局、このキャンペーンで(少なくとも短期的には)得しているのは誰なのかな??
まとめ、税金は無駄に使ってほしくないから、チェックすると、興味深い事実が出てきたりする。最初のほうにも書きましたが、私には、どう考えてもこのキャンペーンで家事する男性が増えたり、男性が家事する時間が増えるとは思わないので、もっとほかの事してほしいなと思ってます。これじゃ、税金が無駄になる、、
個人的には、心と時間の余裕がないと、家事でも何でも新しいことは始めるのしんどいから、やっぱり行き過ぎた労働時間の削減が必須だなって思います。
こんな感じで、ちょっと気になるキャンペーンやら行政の取組みがあったら、どれぐらいの税金が使われているのかとか、どんな企業や団体や個人が関わっているのかがインターネットで調べるだけでもけっこういろいろ分かって興味深いです。もちろん、全部じゃないけど。
最後に、お金は目的を明確にして大切に使おう(笑)!
身もふたもない終わり方になってしまった(笑)
では。