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[NEWS]ナイジェリアの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年08月17日
【危険度】
●ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州,アクワイボム州沿岸部及びカノ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
●ケビ州,ソコト州,ザンファラ州,カツィナ州及びジガワ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
●カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州,コギ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●その他の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
【ポイント】
●イスラム過激派組織ボコ・ハラムは,現在も北東部3州(ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州)を中心に,軍との衝突やテロを繰り返しています。このため,同3州における治安情勢は依然として,危険な状況にあることから,退避勧告を継続します。
●南部ナイジャーデルタ地域のナイジャーデルタ解放運動をはじめ,反政府武装組織による活動は,比較的落ち着きを取り戻しつつありますが,再び武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件等の事案発生が増加に転じることが懸念されます。
●ナイジェリア全土で,テロ事件や外国人の誘拐事案が発生する可能性があります。また,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」が多数発生しています。これらの事案等に巻き込まれることがないよう,海外の報道を含め,幅広い安全情報の収集に努めてください。
1 概況
(1)ボコ・ハラム
ナイジェリアでは,2010年頃から北東部を拠点とするイスラム過激派組織ボコ・ハラムが活動を活発化させ,2015年までは北東部のみならず首都アブジャにおいても,警察本部に対する爆破テロ(2011年6月),国連事務所に対する爆破テロ(同年8月)を皮切りに複数件のテロが発生しました。
2014年には,郊外ニャンニャ地区でのバスターミナル爆破テロ(4月,5月),アブジャ中心部にあるショッピングモール付近での爆破テロ(6月)が発生。また,2015年10月にも再び,アブジャ郊外のクジェ及びニャンニャ地区において同時多発的にテロが発生し,多くの死傷者を出しました。
その後,アブジャやラゴスにおいてテロの発生はありませんが,ボコ・ハラム戦闘員は,北東部を逃れて国内各地に潜伏しているといわれ,アブジャにおいては,2017年以降もボコ・ハラムがテロ攻撃や外国人の誘拐を予告しており,実際に当地英米の大使館への攻撃を計画したとして戦闘員が逮捕されています。
2015年のブハリ政権発足以降,ボコ・ハラムに対する軍の掃討作戦が効果を上げ,北東部における支配領域の多くが奪還されるなど,情勢面では改善も認められました。しかし,北東部3州(ボルノ・ヨベ・アダマワ)で発令されている非常事態宣言については,政府から正式解除の発表はなく,今も北東部では,ボルノ州やアダマワ州を中心にテロの発生や軍との戦闘が頻繁に続いており,依然として危険な状態にあります。
(2)ナイジャーデルタ情勢
南部ナイジャーデルタ地域のナイジャーデルタ解放運動(MEND:Movement of the Emancipation of the Niger Delta)をはじめ反政府武装組織による活動は,2009年の政府恩赦プログラムを機に比較的落ち着いて推移してきましたが,2015年,ブハリ大統領が同プログラムの打ち切りに言及して以降,元武装組織関係者の間で反発が高まり,ナイジャーデルタアベンチャーズ(NDA)等の新たな武装勢力が次々と現れ,石油関連施設への攻撃が続く事態に陥りました。
その後,恩赦プログラム打ち切りはひとまず回避され,2016年11月のブハリ大統領と住民代表による交渉や,2017年1月~3月に行われたオシンバジョ副大統領の現地訪問等の連邦政府側の動きにより,情勢は比較的落ち着きを取り戻しつつあります。
しかしながら,住民側が提示した条件への回答や政府の約束が履行されるか否かによって,再び武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件が増加することも懸念されます。
(3)その他の治安上の懸念
昨今,カドゥナ州を中心にイスラム教シーア派集団(IMN:Islamic Movement of Nigeria)による政府や反対派に対する抗議が活発になりつつあります。特に,2015年12月に発生したザリア事件(IMN信者多数が軍により殺害されたとされる事件)及び同事件後の治安当局による指導者の拘束に対する支持者の反発は強く,2016年中はカドゥナ州だけでなく,首都アブジャを含む国内各地において抗議・反発動向が行われました。
カドゥナ州政府は,IMNを犯罪組織と認定し,彼らの存在を違法とみなす法律を制定しており,同州では,現在もIMNと地元住民や治安当局との間で衝突が発生していることから,今後,同問題が新たな治安上の脅威として拡大していくおそれもあります。
(4)一般犯罪
このほか,全国的に,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,誘拐,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」(以下3(5)をご参照(http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo04.html ))と呼ばれる悪質で巧妙な手口の詐欺事件が多発しています。
(5)テロ等への対策
これまでに,ナイジェリアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。
ナイジェリアにおいて活動しているボコ・ハラムは,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織とも関わりを有し,外国人に対するテロ攻撃実行を宣言している事実を踏まえると,今後,日本人や日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性が十分に考えられます。
また,ナイジェリアでは,近年,当地経済の低迷,物価上昇や国民の失業率が治安にも悪影響を及ぼし,実際に誘拐事件が大幅に増加しているとの治安機関や民間警備会社の分析もあることから,このような情勢を十分に認識し,誘拐,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,海外の報道を含め,幅広い安全情報の収集に努める必要があります。日頃から高い危機管理意識を持つとともに,状況に応じて,以下の主な点を参考に,適切・十分な安全対策を講じるよう常に心掛けてください。
●テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
●テロの標的となりやすい場所※を訪れる際には,滞在時間をできるだけ短くするとともに,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
●政府・軍・警察関係施設には近づかない。
●複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。
●爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
●在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難するとともに,大使館等に状況等を連絡する。
※テロの標的となりやすい場所:デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関や不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など
2 地域情勢
(1)ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の本拠地がある地域であり,2010年頃から同組織によるテロ活動が激化し,最近も軍・警察施設,宗教施設のみならず,集落・一般民家や避難民キャンプへの襲撃・爆弾テロの発生が深刻化しています。その後,これら3州における軍の掃討作戦や警察部隊による治安維持が一定の効果を上げ,集落等が解放されつつあったものの,現在も「非常事態宣言」は解除されておらず,主要な市街地では軍・警察部隊を投入しての取り締まりと厳戒態勢が続いています。特にボルノ州では,州都マイドゥグリをはじめテロの発生が多く,発生件数ではアダマワ州,ヨベ州の順に続き,2016年中には報道ベースで少なく見積もっても約50件のテロ攻撃が認知されており,一度にまたは同時多発的の発生で数十人規模の犠牲者を出した事件も数多く認められます。
ボコ・ハラムは,2016年以降,ボルノ州東部・カメルーン国境沿いに位置するサンビサの森奥地に拠点を置くシェカウ派と,チャド湖周辺を拠点に活動が活発なバルナーウィ派に分裂し,今も互いに勢力を保っていると言われており,この地域に立ち入ることは極めて危険です。特に,ボルノ州では、2013年4月に国境都市バガで発生した治安部隊との大規模な戦闘で住民等200人近くが犠牲となり,2014年4月には,チボクにおいて女子学校が襲撃を受け,200人を超える女子学生が拉致される事件が発生しました。少女達は2017年までに一部解放されたものの,依然として100人以上が拘束され続けたままその安否は確認されていません。
また,2016年8月には,ディクワにおいて,支援物資を搬送中の国連車両が襲撃される事件も発生しています。
アダマワ州では,2014年7月,州都ヨラから約100km離れた町ゴンビで,オートバイに乗った武装集団がドイツ人男性を拉致したほか,同地域では2016年以降も,主にマダガリにおいて少女による自爆テロや戦闘員が集落を襲撃するなどの事件が散発し,これにより多くの被害と犠牲者が出ています。
つきましては,隣接のヨベ州を含め,これら地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在されている方は直ちに同地域から退避してください。
(2)リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州,アクワイボム州沿岸部及びカノ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
ア リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州及びアクワイボム州沿岸部
これら地域においては,武装勢力による身代金目的の誘拐や,強盗・殺人等の凶悪犯罪が多発しています。また,石油利権をめぐる争いにより,反政府武装組織の石油関連施設への攻撃や,外資系企業駐在員を狙った誘拐事件も多数発生しています。
同地域は,複雑な入り江地帯が発達する地形的事情からも,武装勢力はこれを活動・潜伏拠点として,周辺における外国人誘拐等の犯罪行為を繰り返しています。2016年中も,駐在員宿舎やホテル,あるいは陸路移動中の橋の上において待ち伏せし,武装犯が外国人を襲撃・拉致する事件や,高速艇を用いて襲撃・逃走する事件が多発しています。誘拐事件は特定の時間帯・地域に限らず無差別に発生しており,一部事件では,被害者の行動予定が警察官や警備員から外部に漏れて犯行に繋がっている可能性も指摘されています。
そのほかにも,同地域においては,石油利権をめぐる争いが政治抗争にも発展し,2016年中に実施されたリバース州知事選挙に際しても,複数の抗争・衝突により警察官を含め少なからず死傷者が発生しています。また,バイエルサ州における海賊問題やカルト宗教間の抗争・殺戮も頻繁に発生しています。これら凶悪犯罪には,国籍にかかわらず誰もが巻き込まれるおそれがあり,加えて地元警察をはじめとする治安機関もこれら犯罪への対応に苦慮していることから,この地域において身の安全を確保することは極めて困難です。
イ カノ州
カノ州では,以下のとおりボコ・ハラムによるテロ・襲撃・誘拐が頻発していたところ,2016年中も同州で戦闘員のリクルート活動を行っていた者をはじめ,複数のボコ・ハラム戦闘員が逮捕されており,依然としてボコ・ハラムの影響力が強く及んでいる地域として高い警戒が必要です。
(ア)2012年1月,市内で大規模な爆発・襲撃事件が発生し,185人が死亡。
(イ)同年1月,建設会社のドイツ人従業員が武装集団により誘拐され,その後殺害。
(ウ)2013年3月,市内バスターミナルで自爆テロが発生し,40人以上が死亡。
(エ)2014年5月,市内キリスト教徒地区の繁華街で自動車爆弾によるテロが発生し,5人が死亡。
(オ)同年6月,州立衛生大学で爆発があり,少なくとも8人が死亡,20人以上が負傷。
(カ)同年7月,市内駐車場で爆弾テロが発生し,数十人が死亡。
つきましては,同地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在中の方は、事情の許す限り早期の退避をお勧めします。
(3)ケビ州,ソコト州,ザンファラ州,カツィナ州及びジガワ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
隣国ニジェールと国境を接するこれらの地域では,2013年1月以降,フランスがマリに部隊を派遣したことに伴い,マリの武装勢力や北アフリカで活動するマグレブ・イスラム諸国のアルカイダ(AQIM)などのテロ組織に属する分子等が流入し,テロ・誘拐を行うおそれがあります。また,ボコ・ハラムの影響が及ぶ地域でもあります。
特に,国境管理が脆弱な同地域では,誘拐の発生状況も深刻です。これまでも2011年に,ケビ州で建設会社の英国人やイタリア人が誘拐された事案(翌年の救出作戦後,両人の遺体発見)のほか,2012年12月には,カツィナ州でフランス人1人が拉致されました。2016年2月には,同州から隣国ニジェールへの国境沿いにおいて,リビアに向けて連行されていた人身売買被害者約20人が入管当局に保護された事件をはじめ,同地域では,現在も誘拐事件が多発しています。
また,ザンファラ州では,2017年初旬にかけても,武装窃盗団が,1度に数十人以上もの住民を殺害して家畜などを強奪する事件が複数発生しており,武装集団と治安機関による銃撃戦に地元住民が巻き込まれて被害に遭うケースも多数報告されています。
つきましては,同地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。特に国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。
(4)カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州,コギ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(継続)
ア カドゥナ州
ボコ・ハラムの影響がおよぶ地域であり,また国内で最も誘拐事件の脅威が高い地域と言われており,以下のような事例が発生しています。加えて,部族間対立,イスラム教シーア派組織(IMN)と州政府や地元住民との衝突も新たな懸念となりつつあり,同地域の治安は深刻です。2016年から2017年初旬にかけても,死傷者が伴う外国人に対する武装誘拐事件が複数発生しています。
2016年中の部族間衝突による死者は100人以上,暴動による損傷家屋は5万棟以上との報告があり,2017年初旬以降も,フラニ族の武装集団と現地農耕民・IMNとキリスト教徒の問題に軍や治安機関の関与も加わり,多数の死傷者が発生しています。
(ア)2012年4月,同市内の教会付近で自爆テロが発生し,38人が死亡,多数が負傷。
(イ)2014年6月,州南部の2つの村を武装集団が襲撃し,住民38人が死亡。
(ウ)同年7月,同市で連続爆弾テロが発生し,80人以上が死亡。市内に外出禁止令が発令。
(エ)2016年7月,シオラレオネ外交官が武装集団により誘拐され,身代金が要求された。
(オ)2016年10月,前環境大臣夫妻が武装集団により誘拐され,身代金が要求された。
(カ)2017年2月,ドイツ人学者が武装集団に誘拐され,身代金が要され,同行者は殺害。
イ バウチ州,ゴンベ州
これらの州では,ボコ・ハラムの活動がみられ,過去,主にキリスト教の教会等が爆発物等で襲撃されており,多数の死傷者が発生しています。2012年9月,バウチ市の教会で自動車爆弾による自爆テロが発生したほか,2013年2月には,建設業に携わる英国人,イタリア人,ギリシャ人,レバノン人他計7人が拉致され,翌月にうち数人が殺害されました。
また,2014年6月,売春宿で爆発があり,11人が死亡,約30人が負傷しました。2016年以降も,同地域ではボコ・ハラムの拠点が設置される旨の情報や,戦闘員が逮捕された旨の報道があり,ボコ・ハラムの活動が完全には制圧されておらず,引き続き警戒が必要です。
ウ プラトー州ジョス市及びその周辺
この地域では,部族・民族間の武力衝突が相次いでおり,多くの死傷者が発生しています。
2012年7月には,ジョス市郊外及びバルキンラディ地区で,フラニ族がビロム族を襲撃して60人以上が死亡した上,翌日には,フラニ族が犠牲者の葬儀を襲撃し,上院議員や州議員等40人以上が死亡する事件が発生。その後も同様の抗争・殺戮が続き,多くの犠牲者が出ています。
また,2014年5月,ジョス市中心部において2回連続で爆破テロが発生し,少なくとも118人が死亡,45人が負傷しました。2016年中も,治安機関が同地域において,ボコ・ハラムのテロ活動に供される予定の武器弾薬を手配していた被疑者を逮捕しており,また,同地域では戦闘員が潜伏している旨の注意喚起が発せられているなど,緊張が続いています。
エ コギ州
コギ州のうち,特にオケネ市及びその周辺地域では,これまで複数の爆弾製造工場が摘発されているほか,2016年4月には,同地域において,過去にボコ・ハラムから分裂した「アンサール」の指導者であるハリド・バルナーウィが治安当局に逮捕されました。
なお,同地域には,他のボコ・ハラム戦闘員が多数潜伏していると言われ,2017年以降も,主にオケネ・ロコジャといった地域では,治安機関による高い警戒が維持されており,依然として,次のようなテロや誘拐の発生しており,注意が必要です。
(ア)2012年8月,武装組織が教会を襲撃し,20人以上が死亡。
(イ)2013年1月,マリへ派兵されるナイジェリア軍の部隊車列に対する爆弾テロ事件が発生し,兵士10人が死傷。
(ウ)2017年7月,オスン州政府高官が武装勢力に誘拐・殺害。
つきましては,上記地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。
(5)その他の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア 首都アブジャ
首都アブジャでは,2011年以降,国連事務所や警察本部,富裕層や外国人も利用する市内中心地のショッピングモールに対する爆破テロが多発しました。2015年10月以降,同地域におけるテロの発生はありませんが,2016年以降もボコ・ハラム戦闘員がアブジャにおいて逮捕され,2017年4月には,当地の英・米大使館へのテロ攻撃を計画していたとされる戦闘員が治安機関に逮捕された旨発表されました。
ボコ・ハラムは,西欧利権や外国人をテロ攻撃のターゲットとしており,我が国を含め多くの外交団をはじめ多くの外国人が居住するアブジャにおいては,今もなおテロの脅威が常に存在します。
また,アブジャ中心地は,治安機関の配置・検問等が他地域に比べると手厚く,他地域と比較しても治安面の不安が少ないとも言われますが,2016年中にも,外国人が被害に遭う強盗事件等の凶悪犯罪が何件も発生しており,市街地では,警察官が外国人の車両を取り囲み,賄賂を求めたりするトラブルも数多く報告されていることから,決して安全とは言えません。主な事件発生状況は次のとおりです。
(ア)2012年4月,新聞社「This day」社が,自動車爆破テロに遭い,6人が死亡。
(イ)同年6月及び7月,市内飲食店と商業施設で爆破テロが発生。
(ウ)2013年9月,議員宿舎付近で武装集団と治安部隊との銃撃戦により,少なくとも7人が死亡。
(エ)2014年4月及び5月,ニャンニャ地区バスターミナルで爆破テロが発生し,少なくとも70人以上が死亡。
(オ)同年6月,市内商業施設前で爆破テロが発生し,数十名の死傷者が発生。
(カ)2015年10月,アブジャ郊外の2か所で連続爆破テロが発生し,少なくとも60人以上が死傷。
イ ラゴス州
前首都であり,現在も商業の中心地として各国外交団や外資系企業,外国人駐在員が拠点を置き,知名度の高い外資系大型ホテルも多いことから,テロのターゲットとして脅威が存在します。2016年中も,当地ラマダン期間に合わせて,同地域の大型ホテルに対する,ボコ・ハラムによるテロの具体的脅威が高まると米国が注意喚起を発信しました。
また,首都アブジャ同様,ラゴスにおいても実際に戦闘員が逮捕されています。加えて,ナイジャーデルタ問題では,2016年以降もナイジャーデルタ・アベンチャーズ(NDA)を中心に武装勢力が石油関連施設への攻撃を行い,また外国人に対して危害を加える旨の脅迫行為も認められ,これを受けて,一部欧米系資本の駐在員がラゴスから退避する事態にも至りました。
また,ラゴスでは,銀行強盗だけでなく,富裕層や外国人の住宅への侵入強盗や車両強盗など凶悪犯罪が多発しているほか,市民が暴徒化する事件も発生しています。最近では,特に外国人が多数居住するラゴス島やビクトリア島において,武装強盗事件が複数頻発するなど治安の悪化が目立ちます。なお,2016年11月には,白昼に在留邦人が強盗被害に遭い負傷する事件も発生しています。
ほかにも,身代金目的の誘拐事件が多発しており,近年,把握されているだけでも,英国人,レバノン人,イタリア人,サウジアラビア人,アラブ首長国連邦人,中国人が誘拐されており,日本人にあっても高いレベルでの安全対策が必要です。
ウ オンド州,エキティ州,エボニー州,アビア州,エヌグ州,エド州,クワラ州及びナイジャー州
これらの州でも,外国人の誘拐事件が増加傾向にあります。国内では,ナイジェリアが西アフリカの中でも比較的,外国人や富裕層が多いとの認識に基づき,近隣諸国の犯罪集団がこれらをターゲットに不法入国しては誘拐事件を起こしているとの治安機関の分析があります。
ナイジェリアでは,レバノンや中国系企業の進出が多く,同国籍者に対する誘拐被害が後を絶たないところ,当地の犯罪者からみて見分けが付きにくい日本人に関しても,誘拐をはじめ,犯罪被害の高いリスクが常につきまといます。
つきましては,上記の地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。近年,テロ情勢のみならず一般犯罪の脅威も高まっていることから,真に必要な渡航・滞在以外は控え,仮に渡航・滞在される場合も,警察・民間警備会社によるエスコートを手配するなど,必要不可欠な安全対策を講じることをお勧めします。
3 滞在に当たっての注意
ナイジェリア滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,あらかじめ危険を避けるようにしてください。また,日本国外務省,在ナイジェリア日本国大使館,現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努めてください。なお,詳細については,「安全対策基礎データ」(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=115 )をご参照ください。
上記に記載した事例は,あくまで氷山の一角に過ぎず,報道や政府発表が行われない凶悪事件がほかにも多数発生していることに留意する必要があります。また,外交団や民間警備会社の見積もりでは,2015年以降,誘拐事件の認知件数は急増傾向にあり,一部の分析では,2016年中に把握されているだけで1,000件近くにものぼるとも言われます。
このような治安情勢の下,十分な安全対策を講じないまま同地域に渡航・滞在した場合,誘拐等の事件被害や不測の事態に巻き込まれる可能性が極めて高いことを今一度強く認識してください。
(1)在留届,「たびレジ」
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,在ナイジェリア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(2)テロ
これまでテロの多くは,警察等の政府機関,宗教施設,報道機関及び欧米権益が主な対象でしたが,近年は商業施設や公共交通機関施設などの一般の人が日常的に利用し,かつ多くの人が集まる場所,いわゆる「ソフトターゲット」が狙われやすい傾向にあります。これら場所には普段から努めて近づかないように注意を払い,万が一,テロ発生に遭遇した場合は,現場付近に留まらず,すぐにその場を離れてください。特に,週末に加え,イースターやラマダンといった宗教的に意義を有する期間やその前後には,特別な注意が必要です。
(3)誘拐
ナイジェリアでは,身代金目的の事件を中心に誘拐事件が全国的に多発しています。また最近では,追い込まれたボコ・ハラム戦闘員が,活動資金や生活の糧を獲得するために外国人を誘拐する脅威も高まりつつあります。
これら被害を防ぐためにも,不要な渡航や単独・夜間の外出は控えた上で,行動する際には,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」という誘拐被害防止のための三原則を心掛け,ご自身で安全対策を講じてください。また,万一に備え,渡航前には,家族や職場の知人等との間で連絡先を確認し,渡航中も,緊密に連絡を取りながら常に安否を明らかにするよう心がけてください。また,滞在期間に応じて,以下「旅レジ」や「在留届」への登録を励行し,日本大使館が発信するものを含め,最新治安情報の入手・参照を徹底して下さい。
(4)その他の一般犯罪
ナイジェリアでは,複数犯による路上強盗,車両強盗等が多発しています。特に夜間は,不要不急の外出や単独での外出は原則控えてください。万が一,被害に遭遇した場合には,身の安全を第一に考え,絶対に抵抗することなく,相手を刺激しないよう対処してください。
車で走行中にタイヤがパンクした場合など,武装強盗等が釘を散布して襲撃を企んでいる可能性が高いことから,直ちに停車することなく,周囲を注視しながらできる限り安全な場所まで移動した上で,至急応援を呼ぶなど慎重な対応を心がけて下さい。また信号停止中に車両を挟み,または,故意に追突してひるんだところを襲撃する強盗手口も発生していることから,運転・乗車中は常に周囲の状況に注意を払うよう心がけてください。
(5)金融犯罪
ナイジェリアを中心とした国際的金融詐欺事件(通称「419詐欺」http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo04.html )が後を絶たず,日本人を含め多くの被害者が出ています。ナイジェリアの政府関係者や銀行関係者を名乗る者が,突然のEメール・FAX・国際電話等で口座の名義貸しや多額の商取引を持ちかけるケース,また最近では,事前に一定金額を相手が指定する口座に振り込めば多額の利益を得ることができる等と申し出る手口が多いことから,これら甘言・誘惑に惑わされ,安易に個人情報を教えることは危険です。
そのほか,偽造文書による各種要望・申し出,また,見知らぬ相手からの面談等に無防備に応じることは,犯罪被害に遭う危険が極めて高いことから絶対に控えて下さい。当地の社会・治安・司法制度の下では,いざ被害に遭ってしまうと,犯人の検挙や被害回復,損害賠償の請求は極めて困難です。
(6)交通手段
タクシーや商業バス等の公共交通機関は安全性が低く,しばしば誘拐・強盗などの犯罪に利用されています。2017年中も,相乗りタクシーを利用した日本人旅行者が,恐喝未遂の被害に遭っています。移動の際は,警備が付いた信頼の置けるレンタカーや所属企業・組織の車両等を利用するようにしてください。
空路に関しては,国内線では航空機の機体が古い上に整備・保守管理面でも信頼性が低いことが多く,機体のトラブルやフライト遅延,キャンセルが多発しています。2012年6月には,アブジャ発ラゴス行きの国内線旅客機がラゴス空港付近で墜落し,150人以上が死亡する事故が発生しました。遅延等のトラブルを避け,事故に巻き込まれないためには,利用する航空会社について,各方面からの情報収集に努めることが重要です。
(7)その他の注意事項
ナイジェリアでは,56日以上滞在される場合は,到着後21日以内に居住地を管轄する移民 局事務所で外国人登録を行う必要があります。
住居やホテル等を選定する際は,外部から武装強盗等の侵入を防ぐため,周辺の状況や塀の高さ等を考慮に入れて,慎重に選定する必要があります。また,警備員が配置されているか否かも重要な判断材料です。
日常の移動に際しては,可能な限り複数車両で移動するとともに,緊急事態に遭遇した場合には,直ちに現地警察,または同僚・家族や在ナイジェリア日本国大使館まで連絡してください。
不測の事態に備え,平素から食料・飲料水・医薬品・燃料等を備蓄しておくとともに,自動車等の移動手段を確保して,日常的に整備点検を心掛けるようにしてください。また,所在をはじめ在ナイジェリア日本国大使館との連絡を緊密に行い,最新情報の入手に努めてください。
4 隣国のベナン,ニジェール,チャド及びカメルーンに対しても別途危険情報が発出されていますので,あわせてご留意ください。
詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T070.html
●ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州,アクワイボム州沿岸部及びカノ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
●ケビ州,ソコト州,ザンファラ州,カツィナ州及びジガワ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
●カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州,コギ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●その他の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
【ポイント】
●イスラム過激派組織ボコ・ハラムは,現在も北東部3州(ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州)を中心に,軍との衝突やテロを繰り返しています。このため,同3州における治安情勢は依然として,危険な状況にあることから,退避勧告を継続します。
●南部ナイジャーデルタ地域のナイジャーデルタ解放運動をはじめ,反政府武装組織による活動は,比較的落ち着きを取り戻しつつありますが,再び武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件等の事案発生が増加に転じることが懸念されます。
●ナイジェリア全土で,テロ事件や外国人の誘拐事案が発生する可能性があります。また,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」が多数発生しています。これらの事案等に巻き込まれることがないよう,海外の報道を含め,幅広い安全情報の収集に努めてください。
1 概況
(1)ボコ・ハラム
ナイジェリアでは,2010年頃から北東部を拠点とするイスラム過激派組織ボコ・ハラムが活動を活発化させ,2015年までは北東部のみならず首都アブジャにおいても,警察本部に対する爆破テロ(2011年6月),国連事務所に対する爆破テロ(同年8月)を皮切りに複数件のテロが発生しました。
2014年には,郊外ニャンニャ地区でのバスターミナル爆破テロ(4月,5月),アブジャ中心部にあるショッピングモール付近での爆破テロ(6月)が発生。また,2015年10月にも再び,アブジャ郊外のクジェ及びニャンニャ地区において同時多発的にテロが発生し,多くの死傷者を出しました。
その後,アブジャやラゴスにおいてテロの発生はありませんが,ボコ・ハラム戦闘員は,北東部を逃れて国内各地に潜伏しているといわれ,アブジャにおいては,2017年以降もボコ・ハラムがテロ攻撃や外国人の誘拐を予告しており,実際に当地英米の大使館への攻撃を計画したとして戦闘員が逮捕されています。
2015年のブハリ政権発足以降,ボコ・ハラムに対する軍の掃討作戦が効果を上げ,北東部における支配領域の多くが奪還されるなど,情勢面では改善も認められました。しかし,北東部3州(ボルノ・ヨベ・アダマワ)で発令されている非常事態宣言については,政府から正式解除の発表はなく,今も北東部では,ボルノ州やアダマワ州を中心にテロの発生や軍との戦闘が頻繁に続いており,依然として危険な状態にあります。
(2)ナイジャーデルタ情勢
南部ナイジャーデルタ地域のナイジャーデルタ解放運動(MEND:Movement of the Emancipation of the Niger Delta)をはじめ反政府武装組織による活動は,2009年の政府恩赦プログラムを機に比較的落ち着いて推移してきましたが,2015年,ブハリ大統領が同プログラムの打ち切りに言及して以降,元武装組織関係者の間で反発が高まり,ナイジャーデルタアベンチャーズ(NDA)等の新たな武装勢力が次々と現れ,石油関連施設への攻撃が続く事態に陥りました。
その後,恩赦プログラム打ち切りはひとまず回避され,2016年11月のブハリ大統領と住民代表による交渉や,2017年1月~3月に行われたオシンバジョ副大統領の現地訪問等の連邦政府側の動きにより,情勢は比較的落ち着きを取り戻しつつあります。
しかしながら,住民側が提示した条件への回答や政府の約束が履行されるか否かによって,再び武装民兵による石油施設への攻撃や外国人を狙った誘拐事件が増加することも懸念されます。
(3)その他の治安上の懸念
昨今,カドゥナ州を中心にイスラム教シーア派集団(IMN:Islamic Movement of Nigeria)による政府や反対派に対する抗議が活発になりつつあります。特に,2015年12月に発生したザリア事件(IMN信者多数が軍により殺害されたとされる事件)及び同事件後の治安当局による指導者の拘束に対する支持者の反発は強く,2016年中はカドゥナ州だけでなく,首都アブジャを含む国内各地において抗議・反発動向が行われました。
カドゥナ州政府は,IMNを犯罪組織と認定し,彼らの存在を違法とみなす法律を制定しており,同州では,現在もIMNと地元住民や治安当局との間で衝突が発生していることから,今後,同問題が新たな治安上の脅威として拡大していくおそれもあります。
(4)一般犯罪
このほか,全国的に,宗教・民族間対立や集落の土地をめぐる衝突,殺人,誘拐,強盗,強姦等の凶悪犯罪や,「ナイジェリア419詐欺」(以下3(5)をご参照(http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo04.html ))と呼ばれる悪質で巧妙な手口の詐欺事件が多発しています。
(5)テロ等への対策
これまでに,ナイジェリアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。
ナイジェリアにおいて活動しているボコ・ハラムは,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織とも関わりを有し,外国人に対するテロ攻撃実行を宣言している事実を踏まえると,今後,日本人や日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性が十分に考えられます。
また,ナイジェリアでは,近年,当地経済の低迷,物価上昇や国民の失業率が治安にも悪影響を及ぼし,実際に誘拐事件が大幅に増加しているとの治安機関や民間警備会社の分析もあることから,このような情勢を十分に認識し,誘拐,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,海外の報道を含め,幅広い安全情報の収集に努める必要があります。日頃から高い危機管理意識を持つとともに,状況に応じて,以下の主な点を参考に,適切・十分な安全対策を講じるよう常に心掛けてください。
●テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
●テロの標的となりやすい場所※を訪れる際には,滞在時間をできるだけ短くするとともに,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
●政府・軍・警察関係施設には近づかない。
●複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。
●爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
●在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難するとともに,大使館等に状況等を連絡する。
※テロの標的となりやすい場所:デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関や不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など
2 地域情勢
(1)ボルノ州,ヨベ州及びアダマワ州
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」の本拠地がある地域であり,2010年頃から同組織によるテロ活動が激化し,最近も軍・警察施設,宗教施設のみならず,集落・一般民家や避難民キャンプへの襲撃・爆弾テロの発生が深刻化しています。その後,これら3州における軍の掃討作戦や警察部隊による治安維持が一定の効果を上げ,集落等が解放されつつあったものの,現在も「非常事態宣言」は解除されておらず,主要な市街地では軍・警察部隊を投入しての取り締まりと厳戒態勢が続いています。特にボルノ州では,州都マイドゥグリをはじめテロの発生が多く,発生件数ではアダマワ州,ヨベ州の順に続き,2016年中には報道ベースで少なく見積もっても約50件のテロ攻撃が認知されており,一度にまたは同時多発的の発生で数十人規模の犠牲者を出した事件も数多く認められます。
ボコ・ハラムは,2016年以降,ボルノ州東部・カメルーン国境沿いに位置するサンビサの森奥地に拠点を置くシェカウ派と,チャド湖周辺を拠点に活動が活発なバルナーウィ派に分裂し,今も互いに勢力を保っていると言われており,この地域に立ち入ることは極めて危険です。特に,ボルノ州では、2013年4月に国境都市バガで発生した治安部隊との大規模な戦闘で住民等200人近くが犠牲となり,2014年4月には,チボクにおいて女子学校が襲撃を受け,200人を超える女子学生が拉致される事件が発生しました。少女達は2017年までに一部解放されたものの,依然として100人以上が拘束され続けたままその安否は確認されていません。
また,2016年8月には,ディクワにおいて,支援物資を搬送中の国連車両が襲撃される事件も発生しています。
アダマワ州では,2014年7月,州都ヨラから約100km離れた町ゴンビで,オートバイに乗った武装集団がドイツ人男性を拉致したほか,同地域では2016年以降も,主にマダガリにおいて少女による自爆テロや戦闘員が集落を襲撃するなどの事件が散発し,これにより多くの被害と犠牲者が出ています。
つきましては,隣接のヨベ州を含め,これら地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在されている方は直ちに同地域から退避してください。
(2)リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州,アクワイボム州沿岸部及びカノ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
ア リバーズ州,バイエルサ州,デルタ州及びアクワイボム州沿岸部
これら地域においては,武装勢力による身代金目的の誘拐や,強盗・殺人等の凶悪犯罪が多発しています。また,石油利権をめぐる争いにより,反政府武装組織の石油関連施設への攻撃や,外資系企業駐在員を狙った誘拐事件も多数発生しています。
同地域は,複雑な入り江地帯が発達する地形的事情からも,武装勢力はこれを活動・潜伏拠点として,周辺における外国人誘拐等の犯罪行為を繰り返しています。2016年中も,駐在員宿舎やホテル,あるいは陸路移動中の橋の上において待ち伏せし,武装犯が外国人を襲撃・拉致する事件や,高速艇を用いて襲撃・逃走する事件が多発しています。誘拐事件は特定の時間帯・地域に限らず無差別に発生しており,一部事件では,被害者の行動予定が警察官や警備員から外部に漏れて犯行に繋がっている可能性も指摘されています。
そのほかにも,同地域においては,石油利権をめぐる争いが政治抗争にも発展し,2016年中に実施されたリバース州知事選挙に際しても,複数の抗争・衝突により警察官を含め少なからず死傷者が発生しています。また,バイエルサ州における海賊問題やカルト宗教間の抗争・殺戮も頻繁に発生しています。これら凶悪犯罪には,国籍にかかわらず誰もが巻き込まれるおそれがあり,加えて地元警察をはじめとする治安機関もこれら犯罪への対応に苦慮していることから,この地域において身の安全を確保することは極めて困難です。
イ カノ州
カノ州では,以下のとおりボコ・ハラムによるテロ・襲撃・誘拐が頻発していたところ,2016年中も同州で戦闘員のリクルート活動を行っていた者をはじめ,複数のボコ・ハラム戦闘員が逮捕されており,依然としてボコ・ハラムの影響力が強く及んでいる地域として高い警戒が必要です。
(ア)2012年1月,市内で大規模な爆発・襲撃事件が発生し,185人が死亡。
(イ)同年1月,建設会社のドイツ人従業員が武装集団により誘拐され,その後殺害。
(ウ)2013年3月,市内バスターミナルで自爆テロが発生し,40人以上が死亡。
(エ)2014年5月,市内キリスト教徒地区の繁華街で自動車爆弾によるテロが発生し,5人が死亡。
(オ)同年6月,州立衛生大学で爆発があり,少なくとも8人が死亡,20人以上が負傷。
(カ)同年7月,市内駐車場で爆弾テロが発生し,数十人が死亡。
つきましては,同地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また,既に滞在中の方は、事情の許す限り早期の退避をお勧めします。
(3)ケビ州,ソコト州,ザンファラ州,カツィナ州及びジガワ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。)(継続)
隣国ニジェールと国境を接するこれらの地域では,2013年1月以降,フランスがマリに部隊を派遣したことに伴い,マリの武装勢力や北アフリカで活動するマグレブ・イスラム諸国のアルカイダ(AQIM)などのテロ組織に属する分子等が流入し,テロ・誘拐を行うおそれがあります。また,ボコ・ハラムの影響が及ぶ地域でもあります。
特に,国境管理が脆弱な同地域では,誘拐の発生状況も深刻です。これまでも2011年に,ケビ州で建設会社の英国人やイタリア人が誘拐された事案(翌年の救出作戦後,両人の遺体発見)のほか,2012年12月には,カツィナ州でフランス人1人が拉致されました。2016年2月には,同州から隣国ニジェールへの国境沿いにおいて,リビアに向けて連行されていた人身売買被害者約20人が入管当局に保護された事件をはじめ,同地域では,現在も誘拐事件が多発しています。
また,ザンファラ州では,2017年初旬にかけても,武装窃盗団が,1度に数十人以上もの住民を殺害して家畜などを強奪する事件が複数発生しており,武装集団と治安機関による銃撃戦に地元住民が巻き込まれて被害に遭うケースも多数報告されています。
つきましては,同地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。特に国境地帯に滞在中の方は事情の許す限り早期の退避をお勧めします。
(4)カドゥナ州,バウチ州,ゴンベ州,コギ州及びプラトー州ジョス市(周辺地域を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」(継続)
ア カドゥナ州
ボコ・ハラムの影響がおよぶ地域であり,また国内で最も誘拐事件の脅威が高い地域と言われており,以下のような事例が発生しています。加えて,部族間対立,イスラム教シーア派組織(IMN)と州政府や地元住民との衝突も新たな懸念となりつつあり,同地域の治安は深刻です。2016年から2017年初旬にかけても,死傷者が伴う外国人に対する武装誘拐事件が複数発生しています。
2016年中の部族間衝突による死者は100人以上,暴動による損傷家屋は5万棟以上との報告があり,2017年初旬以降も,フラニ族の武装集団と現地農耕民・IMNとキリスト教徒の問題に軍や治安機関の関与も加わり,多数の死傷者が発生しています。
(ア)2012年4月,同市内の教会付近で自爆テロが発生し,38人が死亡,多数が負傷。
(イ)2014年6月,州南部の2つの村を武装集団が襲撃し,住民38人が死亡。
(ウ)同年7月,同市で連続爆弾テロが発生し,80人以上が死亡。市内に外出禁止令が発令。
(エ)2016年7月,シオラレオネ外交官が武装集団により誘拐され,身代金が要求された。
(オ)2016年10月,前環境大臣夫妻が武装集団により誘拐され,身代金が要求された。
(カ)2017年2月,ドイツ人学者が武装集団に誘拐され,身代金が要され,同行者は殺害。
イ バウチ州,ゴンベ州
これらの州では,ボコ・ハラムの活動がみられ,過去,主にキリスト教の教会等が爆発物等で襲撃されており,多数の死傷者が発生しています。2012年9月,バウチ市の教会で自動車爆弾による自爆テロが発生したほか,2013年2月には,建設業に携わる英国人,イタリア人,ギリシャ人,レバノン人他計7人が拉致され,翌月にうち数人が殺害されました。
また,2014年6月,売春宿で爆発があり,11人が死亡,約30人が負傷しました。2016年以降も,同地域ではボコ・ハラムの拠点が設置される旨の情報や,戦闘員が逮捕された旨の報道があり,ボコ・ハラムの活動が完全には制圧されておらず,引き続き警戒が必要です。
ウ プラトー州ジョス市及びその周辺
この地域では,部族・民族間の武力衝突が相次いでおり,多くの死傷者が発生しています。
2012年7月には,ジョス市郊外及びバルキンラディ地区で,フラニ族がビロム族を襲撃して60人以上が死亡した上,翌日には,フラニ族が犠牲者の葬儀を襲撃し,上院議員や州議員等40人以上が死亡する事件が発生。その後も同様の抗争・殺戮が続き,多くの犠牲者が出ています。
また,2014年5月,ジョス市中心部において2回連続で爆破テロが発生し,少なくとも118人が死亡,45人が負傷しました。2016年中も,治安機関が同地域において,ボコ・ハラムのテロ活動に供される予定の武器弾薬を手配していた被疑者を逮捕しており,また,同地域では戦闘員が潜伏している旨の注意喚起が発せられているなど,緊張が続いています。
エ コギ州
コギ州のうち,特にオケネ市及びその周辺地域では,これまで複数の爆弾製造工場が摘発されているほか,2016年4月には,同地域において,過去にボコ・ハラムから分裂した「アンサール」の指導者であるハリド・バルナーウィが治安当局に逮捕されました。
なお,同地域には,他のボコ・ハラム戦闘員が多数潜伏していると言われ,2017年以降も,主にオケネ・ロコジャといった地域では,治安機関による高い警戒が維持されており,依然として,次のようなテロや誘拐の発生しており,注意が必要です。
(ア)2012年8月,武装組織が教会を襲撃し,20人以上が死亡。
(イ)2013年1月,マリへ派兵されるナイジェリア軍の部隊車列に対する爆弾テロ事件が発生し,兵士10人が死傷。
(ウ)2017年7月,オスン州政府高官が武装勢力に誘拐・殺害。
つきましては,上記地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。
(5)その他の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア 首都アブジャ
首都アブジャでは,2011年以降,国連事務所や警察本部,富裕層や外国人も利用する市内中心地のショッピングモールに対する爆破テロが多発しました。2015年10月以降,同地域におけるテロの発生はありませんが,2016年以降もボコ・ハラム戦闘員がアブジャにおいて逮捕され,2017年4月には,当地の英・米大使館へのテロ攻撃を計画していたとされる戦闘員が治安機関に逮捕された旨発表されました。
ボコ・ハラムは,西欧利権や外国人をテロ攻撃のターゲットとしており,我が国を含め多くの外交団をはじめ多くの外国人が居住するアブジャにおいては,今もなおテロの脅威が常に存在します。
また,アブジャ中心地は,治安機関の配置・検問等が他地域に比べると手厚く,他地域と比較しても治安面の不安が少ないとも言われますが,2016年中にも,外国人が被害に遭う強盗事件等の凶悪犯罪が何件も発生しており,市街地では,警察官が外国人の車両を取り囲み,賄賂を求めたりするトラブルも数多く報告されていることから,決して安全とは言えません。主な事件発生状況は次のとおりです。
(ア)2012年4月,新聞社「This day」社が,自動車爆破テロに遭い,6人が死亡。
(イ)同年6月及び7月,市内飲食店と商業施設で爆破テロが発生。
(ウ)2013年9月,議員宿舎付近で武装集団と治安部隊との銃撃戦により,少なくとも7人が死亡。
(エ)2014年4月及び5月,ニャンニャ地区バスターミナルで爆破テロが発生し,少なくとも70人以上が死亡。
(オ)同年6月,市内商業施設前で爆破テロが発生し,数十名の死傷者が発生。
(カ)2015年10月,アブジャ郊外の2か所で連続爆破テロが発生し,少なくとも60人以上が死傷。
イ ラゴス州
前首都であり,現在も商業の中心地として各国外交団や外資系企業,外国人駐在員が拠点を置き,知名度の高い外資系大型ホテルも多いことから,テロのターゲットとして脅威が存在します。2016年中も,当地ラマダン期間に合わせて,同地域の大型ホテルに対する,ボコ・ハラムによるテロの具体的脅威が高まると米国が注意喚起を発信しました。
また,首都アブジャ同様,ラゴスにおいても実際に戦闘員が逮捕されています。加えて,ナイジャーデルタ問題では,2016年以降もナイジャーデルタ・アベンチャーズ(NDA)を中心に武装勢力が石油関連施設への攻撃を行い,また外国人に対して危害を加える旨の脅迫行為も認められ,これを受けて,一部欧米系資本の駐在員がラゴスから退避する事態にも至りました。
また,ラゴスでは,銀行強盗だけでなく,富裕層や外国人の住宅への侵入強盗や車両強盗など凶悪犯罪が多発しているほか,市民が暴徒化する事件も発生しています。最近では,特に外国人が多数居住するラゴス島やビクトリア島において,武装強盗事件が複数頻発するなど治安の悪化が目立ちます。なお,2016年11月には,白昼に在留邦人が強盗被害に遭い負傷する事件も発生しています。
ほかにも,身代金目的の誘拐事件が多発しており,近年,把握されているだけでも,英国人,レバノン人,イタリア人,サウジアラビア人,アラブ首長国連邦人,中国人が誘拐されており,日本人にあっても高いレベルでの安全対策が必要です。
ウ オンド州,エキティ州,エボニー州,アビア州,エヌグ州,エド州,クワラ州及びナイジャー州
これらの州でも,外国人の誘拐事件が増加傾向にあります。国内では,ナイジェリアが西アフリカの中でも比較的,外国人や富裕層が多いとの認識に基づき,近隣諸国の犯罪集団がこれらをターゲットに不法入国しては誘拐事件を起こしているとの治安機関の分析があります。
ナイジェリアでは,レバノンや中国系企業の進出が多く,同国籍者に対する誘拐被害が後を絶たないところ,当地の犯罪者からみて見分けが付きにくい日本人に関しても,誘拐をはじめ,犯罪被害の高いリスクが常につきまといます。
つきましては,上記の地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。近年,テロ情勢のみならず一般犯罪の脅威も高まっていることから,真に必要な渡航・滞在以外は控え,仮に渡航・滞在される場合も,警察・民間警備会社によるエスコートを手配するなど,必要不可欠な安全対策を講じることをお勧めします。
3 滞在に当たっての注意
ナイジェリア滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,あらかじめ危険を避けるようにしてください。また,日本国外務省,在ナイジェリア日本国大使館,現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努めてください。なお,詳細については,「安全対策基礎データ」(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=115 )をご参照ください。
上記に記載した事例は,あくまで氷山の一角に過ぎず,報道や政府発表が行われない凶悪事件がほかにも多数発生していることに留意する必要があります。また,外交団や民間警備会社の見積もりでは,2015年以降,誘拐事件の認知件数は急増傾向にあり,一部の分析では,2016年中に把握されているだけで1,000件近くにものぼるとも言われます。
このような治安情勢の下,十分な安全対策を講じないまま同地域に渡航・滞在した場合,誘拐等の事件被害や不測の事態に巻き込まれる可能性が極めて高いことを今一度強く認識してください。
(1)在留届,「たびレジ」
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,在ナイジェリア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(2)テロ
これまでテロの多くは,警察等の政府機関,宗教施設,報道機関及び欧米権益が主な対象でしたが,近年は商業施設や公共交通機関施設などの一般の人が日常的に利用し,かつ多くの人が集まる場所,いわゆる「ソフトターゲット」が狙われやすい傾向にあります。これら場所には普段から努めて近づかないように注意を払い,万が一,テロ発生に遭遇した場合は,現場付近に留まらず,すぐにその場を離れてください。特に,週末に加え,イースターやラマダンといった宗教的に意義を有する期間やその前後には,特別な注意が必要です。
(3)誘拐
ナイジェリアでは,身代金目的の事件を中心に誘拐事件が全国的に多発しています。また最近では,追い込まれたボコ・ハラム戦闘員が,活動資金や生活の糧を獲得するために外国人を誘拐する脅威も高まりつつあります。
これら被害を防ぐためにも,不要な渡航や単独・夜間の外出は控えた上で,行動する際には,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」という誘拐被害防止のための三原則を心掛け,ご自身で安全対策を講じてください。また,万一に備え,渡航前には,家族や職場の知人等との間で連絡先を確認し,渡航中も,緊密に連絡を取りながら常に安否を明らかにするよう心がけてください。また,滞在期間に応じて,以下「旅レジ」や「在留届」への登録を励行し,日本大使館が発信するものを含め,最新治安情報の入手・参照を徹底して下さい。
(4)その他の一般犯罪
ナイジェリアでは,複数犯による路上強盗,車両強盗等が多発しています。特に夜間は,不要不急の外出や単独での外出は原則控えてください。万が一,被害に遭遇した場合には,身の安全を第一に考え,絶対に抵抗することなく,相手を刺激しないよう対処してください。
車で走行中にタイヤがパンクした場合など,武装強盗等が釘を散布して襲撃を企んでいる可能性が高いことから,直ちに停車することなく,周囲を注視しながらできる限り安全な場所まで移動した上で,至急応援を呼ぶなど慎重な対応を心がけて下さい。また信号停止中に車両を挟み,または,故意に追突してひるんだところを襲撃する強盗手口も発生していることから,運転・乗車中は常に周囲の状況に注意を払うよう心がけてください。
(5)金融犯罪
ナイジェリアを中心とした国際的金融詐欺事件(通称「419詐欺」http://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo04.html )が後を絶たず,日本人を含め多くの被害者が出ています。ナイジェリアの政府関係者や銀行関係者を名乗る者が,突然のEメール・FAX・国際電話等で口座の名義貸しや多額の商取引を持ちかけるケース,また最近では,事前に一定金額を相手が指定する口座に振り込めば多額の利益を得ることができる等と申し出る手口が多いことから,これら甘言・誘惑に惑わされ,安易に個人情報を教えることは危険です。
そのほか,偽造文書による各種要望・申し出,また,見知らぬ相手からの面談等に無防備に応じることは,犯罪被害に遭う危険が極めて高いことから絶対に控えて下さい。当地の社会・治安・司法制度の下では,いざ被害に遭ってしまうと,犯人の検挙や被害回復,損害賠償の請求は極めて困難です。
(6)交通手段
タクシーや商業バス等の公共交通機関は安全性が低く,しばしば誘拐・強盗などの犯罪に利用されています。2017年中も,相乗りタクシーを利用した日本人旅行者が,恐喝未遂の被害に遭っています。移動の際は,警備が付いた信頼の置けるレンタカーや所属企業・組織の車両等を利用するようにしてください。
空路に関しては,国内線では航空機の機体が古い上に整備・保守管理面でも信頼性が低いことが多く,機体のトラブルやフライト遅延,キャンセルが多発しています。2012年6月には,アブジャ発ラゴス行きの国内線旅客機がラゴス空港付近で墜落し,150人以上が死亡する事故が発生しました。遅延等のトラブルを避け,事故に巻き込まれないためには,利用する航空会社について,各方面からの情報収集に努めることが重要です。
(7)その他の注意事項
ナイジェリアでは,56日以上滞在される場合は,到着後21日以内に居住地を管轄する移民 局事務所で外国人登録を行う必要があります。
住居やホテル等を選定する際は,外部から武装強盗等の侵入を防ぐため,周辺の状況や塀の高さ等を考慮に入れて,慎重に選定する必要があります。また,警備員が配置されているか否かも重要な判断材料です。
日常の移動に際しては,可能な限り複数車両で移動するとともに,緊急事態に遭遇した場合には,直ちに現地警察,または同僚・家族や在ナイジェリア日本国大使館まで連絡してください。
不測の事態に備え,平素から食料・飲料水・医薬品・燃料等を備蓄しておくとともに,自動車等の移動手段を確保して,日常的に整備点検を心掛けるようにしてください。また,所在をはじめ在ナイジェリア日本国大使館との連絡を緊密に行い,最新情報の入手に努めてください。
4 隣国のベナン,ニジェール,チャド及びカメルーンに対しても別途危険情報が発出されていますので,あわせてご留意ください。
詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T070.html
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