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[NEWS]トルコの危険情報【危険レベル継続】 (外務省 海外安全ホームページ)
2017年07月14日
【危険レベル】
●シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●ハッカーリ県,シュルナク県,ハタイ県,キリス県,ガジアンテップ県,シャンルウルファ県,マルディン県(以上,シリア及びイラクとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●イスタンブール県,アンカラ中心部及びエセンボア空港,東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン)
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●トルコ国内では引き続きテロの発生が見られ,2017年1月には,イスタンブール及びイズミルにおいてテロ事件がありました。今後もトルコ国内におけるテロの発生に警戒する必要があります。常に最新の治安関係情報を入手し,十分な安全対策をとってください。
●シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部の地域は,テロ,誤爆,流弾等の危害が及ぶ可能性が排除されません。どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は退避してください。
●ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯は,治安当局を狙ったテロや治安当局と「クルド労働党」(PKK)との衝突が発生しています。どのような目的であれ渡航は止めてください。
1.概況
(1)シリア情勢の悪化に伴い,現在トルコには約300万人のシリア難民が流入しています。その中には,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)関係者も紛れ込んでいるとされているほか,世界各地からISIL関係者等がトルコ国内に流入していると見られています。トルコ政府は引き続き全土においてISILの取締りを強化しています。一方で,2016年11月以降,ISILは繰り返しトルコへの攻撃を呼びかけています。2017年1月にはイスタンブールのナイトクラブにおいてISILによるテロが実行され,多くの外国人を含む死傷者が出ました。今後もトルコ国内におけるISIL関係者によるテロに警戒する必要があります。
(2)近年,トルコ政府は,ISILに加えイラク北部及びトルコ国内の反政府武装組織(PKK)に対する空爆を実施するとともに,国内での取締りを強化しています。その一方で,主に東部及び南東部等においてPKKによる警察及び軍関係施設等に対するテロ活動が激化するようになりました。また,2016年以降,イスタンブールやアンカラにおいて,PKKの関連組織とみられる「クルディスタン解放の鷹(TAK)」によるテロ事件も発生しています。TAKは「観光は我々が破壊しようとする主要なターゲットである」とする声明を出すなど,観光地でのテロの可能性を示唆しています。最近では,2016年12月に,イスタンブール中心部のサッカー・スタジアム近くにおける自爆テロにより,多くの死傷者が出たほか,2017年1月に,イズミルの裁判所前において2名が死亡する車爆弾テロ事件が起こりました。トルコ政府による対PKKオペレーションにより現在も各地で多くのPKK関係者が拘束されていますが,今後もトルコ国内におけるPKK関係者によるテロの発生に警戒する必要があります。
(3)2015年初頭以降,左翼系反政府武装組織DHKP/C(革命人民解放党/戦線)による主に警察等政府機関がターゲットとなるテロ事件が多く発生しました。また,DHKP/Cは,2015年8月にイスタンブールの米国総領事館に対する発砲事件等も行っています。
(4)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件に対する捜査が継続しており,多数の軍・治安当局関係者等が拘束され,免職等の処分が科されています。2016年7月20日に発出された非常事態宣言は,2017年7月19日まで延長されています。非常事態宣言は,クーデターを企てたとされるフェトフッラー・ギュレン運動関係者の一掃が目的とされており,現在のところ一般の市民生活への直接的な影響はありません。ただし,同事件に関する捜査時等において予期せぬ事態の発生も懸念されます。
(5)トルコ国内では,政情や社会情勢を受けて,デモや抗議活動が突発的に行われることがあります。それに対し,警察当局も放水銃や催涙ガス等を使用し,強制的に排除する場合もあるため,デモ等に近づくことは非常に危険です。最近では,2017年4月16日に実施された憲法改正に関する国民投票の結果に反対する団体による小規模なデモが散発的に発生しています。
(6)これまでに,トルコにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,トルコも含む,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
(1)シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
2015年7月以降,トルコ政府とPKKの和平プロセスは停止しています。シリア及びイラクとの国境地帯においては,PKKによる治安当局に対する攻撃が度々発生している状況です。トルコ治安当局は,PKKに対する掃討作戦を継続しており,以下のとおり双方に多くの死傷者が出ています。
●2016年10月16日,ガジアンテップ県シャーヒンベイ郡で発生したISIL戦闘員による自爆テロにより,警察官3人が死亡,8人が負傷。
●2016年11月10日,マルディン県デリク郡庁舎において,PKKによる爆弾テロ攻撃により,郡長が死亡。
●2016年12月20日,マルディン県ヌサイビンにおいて,治安部隊による対テロ・オペレーションにより,PKK戦闘員10人を拘束。
●2017年2月17日,マルディン県ヌサイビンにおいて,治安部隊による対テロ・オペレーションにより,治安当局2人が負傷。
また,ISILは,トルコとの国境地帯を中心に自爆テロ等を行っています。
また,ガジアンテップ県南部のシリアとの国境の町であるカルカムシュやキリス県ではトルコからシリアに不法に入国しようとしたISIL関係者が頻繁に摘発されており,シリア国境沿いの町には一定数のISIL関係者がいるものとみられます。シリア国境地帯においては,シリア情勢の悪化を受けて多くのシリア難民が流入していますが,難民の中にはISIL関係者も混在している可能性も指摘されており,今後もテロ,誘拐等の発生に警戒する必要があります。
現在シリアとの国境地帯の情勢は極めて流動的です。テロ,誤爆,流弾等により一般人に危害が及ぶ可能性も排除できません。
つきましては,同国境地帯への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また既に滞在している方は,直ちに同地帯から退避してください。
「トルコにおけるシリアとの国境付近での取材に際する注意喚起について(その2)」
(http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_press20150130.pdf )
(2)ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
2015年7月以降,ディヤルバクル県においてPKKによる軍や警察等の治安当局に対するテロ攻撃が発生するとともに,治安当局による摘発の際の武力衝突も発生しています。2016年秋以降も治安当局を狙ったテロ及び治安機関との衝突の発生が以下のとおり継続しています。
また,現在も対PKKオペレーション実施のために,不定期に一部の郡において外出禁止令が発出されることがあります。
●2016年11月4日,ディヤルバクル県バーラル郡の県警本部機動隊周辺において,車載爆弾が爆発し,市民を含む9人が死亡,100人以上が負傷。
●2016年11月25日,ディヤルバクル県リジェ郡において,治安部隊とPKKによる衝突により,兵士1人が死亡,5人が負傷。
●2017年4月11日,ディヤルバクル県バーラル郡にある県警本部機動隊支部別棟の修理工場において,外部から掘ったトンネルを使っての爆弾攻撃によって警察関係者2人が死亡,10人以上が負傷。
イラクとの国境地帯にあるハッカーリ,シュルナク県の南部においては,長年,テロや武装攻撃等の反政府活動を繰り広げてきたPKKの拠点があります。PKKは2013年3月,停戦宣言を行い,トルコ政府との間で和平プロセスを推し進め,いったんは武力衝突が沈静化しました。しかし,2015年以降のPKKによる攻撃やトルコ軍の空爆もあって,和平プロセスは停止し,治安当局に対する攻撃は2016年秋以降も以下のとおり発生している状況です。
●2016年10月29日,イラクとの国境沿いにあるハッカーリ県チュクルジャ郡において,警察の対テロ・オペレーション展開中に車両爆弾が爆発し,市民を含む3人が死亡。
●2016年11月5日,シュルナク県ウルデレ郡において,治安部隊の車両が走行中,PKKにより道路沿いに設置された爆弾が爆発し,警察官1人が死亡。
●2016年11月24日,シュルナク県ジュジ山において,治安部隊による対テロ・オペレーションを実施中に,爆弾が爆発し,兵士1人が死亡。
●2016年12月2日,ハッカーリ県チュクルジャ郡において,治安部隊とテロリストの衝突により,兵士2人が死亡。
●2017年4月17日,ハッカーリ県チュクルジャ郡において,治安部隊とテロリストの衝突により,兵士1人が死亡,治安関係者2人が負傷。
つきましては,これらの地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。
(3)ハッカーリ県,シュルナク県,ハタイ県,キリス県,ガジアンテップ県,シャンルウルファ県,マルディン県(以上,シリア又はイラクとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア トルコ政府とPKKの和平プロセスが停止するなか,トルコ南東部においてPKKによる軍や警察等の治安当局へのテロ攻撃が増加,2016年秋以降も以下のとおり頻発しています。その一方,トルコ治安当局によるPKK掃討作戦が各地で実施されており,PKK及び軍や警察の双方に死者が出ています。
●2016年10月9日,ハッカーリ県シェムディンリ郡において,PKKによる車両爆弾が検問所で爆発し,市民を含む18人が死亡,市民を含む27人が負傷。
●2016年10月14日,マルディン県とディヤルバクル県を結ぶ幹線道路上において,軍用車が走行中,PKKにより設置された車両爆弾が爆発し,市民を含む3人が死亡。
●2016年10月25日,ハタイ県アマノス山において,PKKが採石場を襲撃し,建設機械やトラック等に放火。
●2017年2月17日,シャンルウルファ県ビランシェヒルにおいて,司法関係者の官舎付近で,自動車爆弾テロが発生し,子供1人が死亡,18人が負傷。
イ シリアと国境を接する各県においては,シリアからの避難民に混じってISIL関係者が入り込んでいる可能性が指摘されています。
●2016年10月16日,ガジアンテップ県において,治安部隊によるISILに対するオペレーション実施中の自爆テロにより,警察官3人が死亡,市民を含む8人が負傷。
●2016年10月24日,シャンルウルファ県において,手製爆弾によるテロ攻撃を計画していたISIL戦闘員1人を拘束。
●2016年12月14日,シャンルウルファ県アクチャカレ郡において,ISILに対するオペレーションにより,外国籍の戦闘員16名を拘束。
これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
(4)イスタンブール県,アンカラ中心部(チャンカヤ区,イェニマハッレ区,エティメスグトゥ区,ママック区,アルトゥンダー区,ケチオレン区,ギョルバシュ市)及びエセンボア空港,東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン)
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア イスタンブール県
(ア)イスタンブール県内では, 2015年以降,テロ事件が増加しています。特に外国人旅行者を狙った無差別テロが発生していることに注意が必要です。
●2016年1月12日,イスタンブールのスルタンアフメット広場近くにおいて自爆テロが発生し,ドイツ人12人が死亡,14名が負傷,トルコ首相はISILの犯行と断定。
●2016年3月3日,イスタンブール市バイラムパシャ区に所在する機動隊基地前において,DHKP/Cの2人の女性テロリストが手榴弾と自動小銃により同基地を攻撃。近くのアパートに立て籠もった両名は射殺された。
●2016年3月19日,イスタンブール市内新市街中心部のイスティクラル通りにおいて自爆テロが発生し,外国人4人が死亡,36人が負傷。トルコ内相は,ISIL関係者の関与を指摘。
●2016年5月12日,イスタンブール市アジア側のサンジャクテペ区において軍のバスが走行中,付近に駐車していた自動車が爆発し,8人が負傷するテロが発生,PKKが犯行声明を発出。PKKは,3日後の5月15日にも,イスタンブール市アジア側のマルテペ区を走る幹線道路に設置した音響爆弾を爆発させるテロを起こし,4人が負傷。
●2016年6月7日,イスタンブール市旧市街の市庁舎付近を機動隊車両が走行中,併走していた車両が自爆し,一般市民を含む12人が死亡,36人が負傷するテロが発生,TAKが犯行声明を発出。
●2016年6月28日,アタテュルク国際空港ターミナルにおいて,3人の武装グループが同空港を襲撃,自爆あるいは射殺される前に,銃の乱射や手榴弾を投擲するなどのテロを敢行し,45人が死亡,200人以上が負傷するテロが発生,当局はISILによる犯行と断定。
●2016年10月6日,イスタンブール市バフチェリエヴレル区の警察署付近において,車両(オートバイ)爆弾が爆発し,市民10人が負傷するテロが発生,TAKが犯行声明を発出。
●2016年12月10日,イスタンブール市タクシム広場近くのサッカー・スタジアムそばにおいて,機動隊のバス等を狙った連続自爆テロが発生し,警察官を中心とする46人が死亡,約240人が負傷。TAKが犯行声明を発出。
●2017年1月1日未明,イスタンブール市オルタキョイ区のナイトクラブ「レイナ」において,銃乱射事件が発生し,外国人27人を含む39人が死亡,約70人が負傷。ISILが犯行声明を発出。
今後も外国人等が巻き込まれる,あるいは,直接のターゲットとされるテロが実行されるおそれがあります。つきましては,イスタンブールへ渡航・滞在される場合には,外国人が多く集まる観光地や繁華街にはなるべく近寄らないよう,また,治安当局の施設などの政府関連施設や各国在外公館,また公共交通機関,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット等不特定多数の人が集まる施設はテロの標的となり得ることに十分留意してください。
また,そのような場所を訪れる際には,警備がしっかりなされている場所を選んだ上で,滞在時間を極力短くするなどして,事件に巻き込まれないよう厳重に警戒するとともに,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意を払ってください。
在イスタンブール日本国総領事館ホームページに掲載の「総領事館からのお知らせ(治安情報)」
http://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/consulate_j/ryoji/oshirase11.html
(イ)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件の際には,アジア側とヨーロッパ側を繋ぐボスポラス海峡の2本の大橋がクーデター派によって封鎖され,アタテュルク国際空港に戦車を始めとする部隊が展開し,同空港へのアクセスが遮断されました。また,アタテュルク国際空港におけるフライトの発着が一時全てストップして,利用客が長時間にわたり空港内に留め置かれました。有事の際には,同様の事態となる可能性があることにつき留意してください。
(ウ)イスタンブール県等では,政情や社会情勢を受けて,以下のようなデモや抗議活動が突発的に行われることがあります。それに対し,警察当局も放水銃や催涙ガス等を使用し,強制的に排除する場合もあるため,デモ等に近づくことは非常に危険です。
●2015年,中国政府のウイグル人に対する政策に反対するトルコの極右団体等による抗議デモが一時活発化し,中国人に見間違えられた韓国人観光客が暴行を受ける被害が発生。
●2016年,タイ政府がウイグル人約100人を中国に強制送還したことを受け,イスタンブールのタイ名誉総領事館に対するデモが発生し,一部が暴徒化,館内に侵入する事件が発生。
●2016年,サウジアラビアによるシーア派宗教指導者に対する死刑執行を受けて,イスタンブールのサウジアラビア総領事館前で約400人のシーア派イスラム教徒による抗議活動が発生。
●2016年,PKKによる警察や軍に対するテロ行為を非難する市民デモがイスタンブール,アンカラ,イズミル等の都市で発生。
イ アンカラ中心部(チャンカヤ区,イェニマハッレ区,エティメスグトゥ区,ママック区,アルトゥンダー区,ケチオレン区,ギョルバシュ市)及びエセンボア空港
(ア)2015年後半以降,アンカラにおいて以下のような大規模なテロ事件が発生しています。
●2015年10月10日,アンカラ中心部スフヒイェ地区のアンカラ駅前において,左派系団体が主催する集会を狙った自爆テロが発生し,103人が死亡,200人以上が負傷。犯行声明は確認されていないが, ISILによるものとみられています。
●2016年2月17日,アンカラ中心部で軍車両を狙った自動車爆弾テロが発生し,29人が死亡,80人が負傷。PKK関連組織であるTAKが犯行声明を発出。
●2016年3月13日,アンカラ中心部クズライ地区のバス停留所付近において自動車爆弾テロが発生し,一般市民37人が死亡,125人が負傷。TAKが犯行声明を発出。
アンカラには,テロの標的となり得る軍・治安当局の本部や,政府機関,国会施設,各国大使館や観光施設,交通機関,ショッピングモール等の公共施設が多数存在していることから,最近のテロを巡る情勢を考慮すれば,今後もテロの発生に警戒する必要があります。
また,2016年12月には,アンカラ市内の文化センターにおいて,スピーチ中の駐トルコ・ロシア大使が非番の警察官に銃撃され死亡する事件が発生しました。
(イ)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件の際は,軍の一部勢力により国会議事堂や,参謀本部,ジャンダルマ(軍警察),治安機関に対し,戦闘機やヘリコプター等を用いた砲撃がなされました。また,市民がクーデターへの抗議行動に出たこともあり,市民に多数の死者が出ました。
懸念されていた治安当局によるクーデター関与者の拘束時における衝突や,クーデター関与者が拘束されている警察署や法廷が開かれる裁判所に対する抗議行動等の発生は現在のところ確認されていませんが,クーデター未遂事件以降のフェトフッラー・ギュレン運動関係者への捜査は継続していることから,引き続き注意が必要です。
つきましては,アンカラ中心部へ渡航する際は,最新の治安情報の入手に努め,ショッピングモールやバザール(市場),公共交通機関等不特定多数の人が集まる場所,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設等を訪れる際には十分注意を払い,不審な状況を察知したら,速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意してください。
ウ 東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン) トルコ東部及び南東部では, PKKによる軍や警察等の治安当局に対するテロ攻撃及び捜索中の衝突が発生しています。
●2016年10月22日,ビンギョル県ゲンチュ郡の郡長公邸付近において,警察車両が走行中,PKKによる車両爆弾が爆発し,警察官2人が死亡,市民14人を含む19人が負傷。
●2016年11月9日,ヴァン県バシュカレ郡において,PKKによる警備員に対する襲撃により,警備員3人が死亡,2人が負傷。
●2016年12月6日,シールト県中心地において,PKKによる警察署に対する襲撃により,警察官5人が負傷。
●2017年4月15日,ヴァン県ムラディエにおいて,PKKの仕掛けた爆弾により捜査中の治安関係者1人が死亡,4人が負傷。
これらの地域への渡航に当たっては危険を避けていただくため十分な注意が必要です。上記情勢に留意するとともに,最新の治安情報の入手に努め,不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
(5) その他
その他の地域においても,以下のような事案が発生しています。
●2016年11月24日,アダナ県庁駐車場において,PKKによる車両爆弾が爆発し市民2人が死亡,33人が負傷。
●2016年12月17日,カイセリ県所在のエルジェエス大学キャンパス内バス停において,PKKによる軍の車両を狙った車両爆弾が爆発し,トルコ軍兵士14人が死亡,55人が負傷。
●2017年1月5日,イズミル県イズミル市の司法合同庁舎前において,PKKによる銃撃と車両爆弾によるテロにより,市民を含む2人が死亡。
これらの地域には危険情報は発出されておりませんが,渡航に当たっては,安全の確保に留意願います。
3.滞在に当たっての注意
トルコにおいては,上記のとおりトルコ南東部を中心に,首都アンカラやイスタンブールにおいてもテロが発生しています。滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,外務省,在トルコ日本国大使館,在イスタンブール日本国総領事館,現地関係機関,報道等を通じて最新情報を入手し,自ら安全対策に努めてください。
(1) 全般的な注意事項
ア 警察,軍駐屯地などの治安関係施設(待機場所や立哨地を含む),政府機関,各政党施設などはテロの標的となっているので,可能な限り近づかない。
イ また,外国人が多く集まる観光地や繁華街,各国の在外公館もテロの対象となっていることに常に留意し,モスク等の観光施設,ホテル,ショッピングセンター,バザール(市場),レストランについては,可能な限り警備体制の整った施設を利用する。どうしても警備体制に不備のある施設を利用せざるを得ない場合は,周囲の状況に注意を払い,可能な限り短時間で用事をすませるようにし,不審な状況を察知したら,速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意を払う。その他のナイトクラブ等の娯楽施設については,警備体制がとられている施設においてもテロ事件が発生していることを踏まえ,当面,利用を避けることが望ましい。
ウ 地下鉄,トラム(路面電車),バスなどの公共交通機関(駅,バス停含む。)等もテロの標的になっていることから,これらの交通機関を利用する際は,不審物や不審人物に注意する。アンカラやイスタンブールの空港を利用する際には,セキュリティが厳しくなっていることを踏まえて,出発の際には充分な時間的余裕をもって空港に到着する。他方で,空港の発着ロビーには長時間滞在しない。更には,自動車を運転する場合も,警察や軍の車両にはできるだけ近づかない。
エ イスタンブール県など国内主要観光地等において,スリ,置き引き,偽警官による金品詐取,路上強盗,ひったくり,極めて悪質なじゅうたん販売(時には暴行を含む),ぼったくりバーなどの被害報告があるため十分注意する。
オ 建物内及び街頭や公園などの野外を含め,放置された不審物(バッグ,袋,包みなど)やゴミ箱に爆弾が隠されている可能性があり,常にそうした物がないか周囲に気を付け,不審物があった場合には近づかず,直ちにその場を離れる。
カ スリ,ひったくりのほか,空き巣及び車上荒らしの被害が報告されている。普段から玄関の鍵や窓の格子をよく点検するとともに,外出の際には施錠を確認する。また,街中では身の周りに十分注意する。
車上荒らしの被害に遭わないよう,車内に貴重品を放置したまま車から離れたり,夜間の路上駐車は避ける。
キ デモの際には,巻き添え被害に遭わないよう,デモが行われている現場や群衆が集まっている場所には近づかない。
ク トルコにおいて設備の整った病院で治療を受けたり,入院したりする場合,医療費は極めて高額。現在,トルコの情勢は決して安全とは言えないことから,海外旅行保険には必ず加入し,テロ事件やクーデター,戦争等の不測の事態に巻き込まれた場合でも治療費や入院費などが十分にカバーされる保険(戦争特約等)を選ぶ。
(2) 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時に大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
4.隣国のシリア,イラク,イラン,ジョージア,アルメニアについても別途危険情報が発出されていますので,併せて留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T059.html
●シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●ハッカーリ県,シュルナク県,ハタイ県,キリス県,ガジアンテップ県,シャンルウルファ県,マルディン県(以上,シリア及びイラクとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●イスタンブール県,アンカラ中心部及びエセンボア空港,東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン)
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●トルコ国内では引き続きテロの発生が見られ,2017年1月には,イスタンブール及びイズミルにおいてテロ事件がありました。今後もトルコ国内におけるテロの発生に警戒する必要があります。常に最新の治安関係情報を入手し,十分な安全対策をとってください。
●シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部の地域は,テロ,誤爆,流弾等の危害が及ぶ可能性が排除されません。どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は退避してください。
●ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯は,治安当局を狙ったテロや治安当局と「クルド労働党」(PKK)との衝突が発生しています。どのような目的であれ渡航は止めてください。
1.概況
(1)シリア情勢の悪化に伴い,現在トルコには約300万人のシリア難民が流入しています。その中には,イスラム過激派組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)関係者も紛れ込んでいるとされているほか,世界各地からISIL関係者等がトルコ国内に流入していると見られています。トルコ政府は引き続き全土においてISILの取締りを強化しています。一方で,2016年11月以降,ISILは繰り返しトルコへの攻撃を呼びかけています。2017年1月にはイスタンブールのナイトクラブにおいてISILによるテロが実行され,多くの外国人を含む死傷者が出ました。今後もトルコ国内におけるISIL関係者によるテロに警戒する必要があります。
(2)近年,トルコ政府は,ISILに加えイラク北部及びトルコ国内の反政府武装組織(PKK)に対する空爆を実施するとともに,国内での取締りを強化しています。その一方で,主に東部及び南東部等においてPKKによる警察及び軍関係施設等に対するテロ活動が激化するようになりました。また,2016年以降,イスタンブールやアンカラにおいて,PKKの関連組織とみられる「クルディスタン解放の鷹(TAK)」によるテロ事件も発生しています。TAKは「観光は我々が破壊しようとする主要なターゲットである」とする声明を出すなど,観光地でのテロの可能性を示唆しています。最近では,2016年12月に,イスタンブール中心部のサッカー・スタジアム近くにおける自爆テロにより,多くの死傷者が出たほか,2017年1月に,イズミルの裁判所前において2名が死亡する車爆弾テロ事件が起こりました。トルコ政府による対PKKオペレーションにより現在も各地で多くのPKK関係者が拘束されていますが,今後もトルコ国内におけるPKK関係者によるテロの発生に警戒する必要があります。
(3)2015年初頭以降,左翼系反政府武装組織DHKP/C(革命人民解放党/戦線)による主に警察等政府機関がターゲットとなるテロ事件が多く発生しました。また,DHKP/Cは,2015年8月にイスタンブールの米国総領事館に対する発砲事件等も行っています。
(4)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件に対する捜査が継続しており,多数の軍・治安当局関係者等が拘束され,免職等の処分が科されています。2016年7月20日に発出された非常事態宣言は,2017年7月19日まで延長されています。非常事態宣言は,クーデターを企てたとされるフェトフッラー・ギュレン運動関係者の一掃が目的とされており,現在のところ一般の市民生活への直接的な影響はありません。ただし,同事件に関する捜査時等において予期せぬ事態の発生も懸念されます。
(5)トルコ国内では,政情や社会情勢を受けて,デモや抗議活動が突発的に行われることがあります。それに対し,警察当局も放水銃や催涙ガス等を使用し,強制的に排除する場合もあるため,デモ等に近づくことは非常に危険です。最近では,2017年4月16日に実施された憲法改正に関する国民投票の結果に反対する団体による小規模なデモが散発的に発生しています。
(6)これまでに,トルコにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,トルコも含む,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
(1)シリアとの国境地帯,イラクとの国境地帯の一部
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
2015年7月以降,トルコ政府とPKKの和平プロセスは停止しています。シリア及びイラクとの国境地帯においては,PKKによる治安当局に対する攻撃が度々発生している状況です。トルコ治安当局は,PKKに対する掃討作戦を継続しており,以下のとおり双方に多くの死傷者が出ています。
●2016年10月16日,ガジアンテップ県シャーヒンベイ郡で発生したISIL戦闘員による自爆テロにより,警察官3人が死亡,8人が負傷。
●2016年11月10日,マルディン県デリク郡庁舎において,PKKによる爆弾テロ攻撃により,郡長が死亡。
●2016年12月20日,マルディン県ヌサイビンにおいて,治安部隊による対テロ・オペレーションにより,PKK戦闘員10人を拘束。
●2017年2月17日,マルディン県ヌサイビンにおいて,治安部隊による対テロ・オペレーションにより,治安当局2人が負傷。
また,ISILは,トルコとの国境地帯を中心に自爆テロ等を行っています。
また,ガジアンテップ県南部のシリアとの国境の町であるカルカムシュやキリス県ではトルコからシリアに不法に入国しようとしたISIL関係者が頻繁に摘発されており,シリア国境沿いの町には一定数のISIL関係者がいるものとみられます。シリア国境地帯においては,シリア情勢の悪化を受けて多くのシリア難民が流入していますが,難民の中にはISIL関係者も混在している可能性も指摘されており,今後もテロ,誘拐等の発生に警戒する必要があります。
現在シリアとの国境地帯の情勢は極めて流動的です。テロ,誤爆,流弾等により一般人に危害が及ぶ可能性も排除できません。
つきましては,同国境地帯への渡航は,どのような目的であれ止めてください。また既に滞在している方は,直ちに同地帯から退避してください。
「トルコにおけるシリアとの国境付近での取材に際する注意喚起について(その2)」
(http://www.anzen.mofa.go.jp/attached2/attached_press20150130.pdf )
(2)ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
2015年7月以降,ディヤルバクル県においてPKKによる軍や警察等の治安当局に対するテロ攻撃が発生するとともに,治安当局による摘発の際の武力衝突も発生しています。2016年秋以降も治安当局を狙ったテロ及び治安機関との衝突の発生が以下のとおり継続しています。
また,現在も対PKKオペレーション実施のために,不定期に一部の郡において外出禁止令が発出されることがあります。
●2016年11月4日,ディヤルバクル県バーラル郡の県警本部機動隊周辺において,車載爆弾が爆発し,市民を含む9人が死亡,100人以上が負傷。
●2016年11月25日,ディヤルバクル県リジェ郡において,治安部隊とPKKによる衝突により,兵士1人が死亡,5人が負傷。
●2017年4月11日,ディヤルバクル県バーラル郡にある県警本部機動隊支部別棟の修理工場において,外部から掘ったトンネルを使っての爆弾攻撃によって警察関係者2人が死亡,10人以上が負傷。
イラクとの国境地帯にあるハッカーリ,シュルナク県の南部においては,長年,テロや武装攻撃等の反政府活動を繰り広げてきたPKKの拠点があります。PKKは2013年3月,停戦宣言を行い,トルコ政府との間で和平プロセスを推し進め,いったんは武力衝突が沈静化しました。しかし,2015年以降のPKKによる攻撃やトルコ軍の空爆もあって,和平プロセスは停止し,治安当局に対する攻撃は2016年秋以降も以下のとおり発生している状況です。
●2016年10月29日,イラクとの国境沿いにあるハッカーリ県チュクルジャ郡において,警察の対テロ・オペレーション展開中に車両爆弾が爆発し,市民を含む3人が死亡。
●2016年11月5日,シュルナク県ウルデレ郡において,治安部隊の車両が走行中,PKKにより道路沿いに設置された爆弾が爆発し,警察官1人が死亡。
●2016年11月24日,シュルナク県ジュジ山において,治安部隊による対テロ・オペレーションを実施中に,爆弾が爆発し,兵士1人が死亡。
●2016年12月2日,ハッカーリ県チュクルジャ郡において,治安部隊とテロリストの衝突により,兵士2人が死亡。
●2017年4月17日,ハッカーリ県チュクルジャ郡において,治安部隊とテロリストの衝突により,兵士1人が死亡,治安関係者2人が負傷。
つきましては,これらの地域への渡航は,どのような目的であれ止めてください。
(3)ハッカーリ県,シュルナク県,ハタイ県,キリス県,ガジアンテップ県,シャンルウルファ県,マルディン県(以上,シリア又はイラクとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア トルコ政府とPKKの和平プロセスが停止するなか,トルコ南東部においてPKKによる軍や警察等の治安当局へのテロ攻撃が増加,2016年秋以降も以下のとおり頻発しています。その一方,トルコ治安当局によるPKK掃討作戦が各地で実施されており,PKK及び軍や警察の双方に死者が出ています。
●2016年10月9日,ハッカーリ県シェムディンリ郡において,PKKによる車両爆弾が検問所で爆発し,市民を含む18人が死亡,市民を含む27人が負傷。
●2016年10月14日,マルディン県とディヤルバクル県を結ぶ幹線道路上において,軍用車が走行中,PKKにより設置された車両爆弾が爆発し,市民を含む3人が死亡。
●2016年10月25日,ハタイ県アマノス山において,PKKが採石場を襲撃し,建設機械やトラック等に放火。
●2017年2月17日,シャンルウルファ県ビランシェヒルにおいて,司法関係者の官舎付近で,自動車爆弾テロが発生し,子供1人が死亡,18人が負傷。
イ シリアと国境を接する各県においては,シリアからの避難民に混じってISIL関係者が入り込んでいる可能性が指摘されています。
●2016年10月16日,ガジアンテップ県において,治安部隊によるISILに対するオペレーション実施中の自爆テロにより,警察官3人が死亡,市民を含む8人が負傷。
●2016年10月24日,シャンルウルファ県において,手製爆弾によるテロ攻撃を計画していたISIL戦闘員1人を拘束。
●2016年12月14日,シャンルウルファ県アクチャカレ郡において,ISILに対するオペレーションにより,外国籍の戦闘員16名を拘束。
これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
(4)イスタンブール県,アンカラ中心部(チャンカヤ区,イェニマハッレ区,エティメスグトゥ区,ママック区,アルトゥンダー区,ケチオレン区,ギョルバシュ市)及びエセンボア空港,東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン)
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア イスタンブール県
(ア)イスタンブール県内では, 2015年以降,テロ事件が増加しています。特に外国人旅行者を狙った無差別テロが発生していることに注意が必要です。
●2016年1月12日,イスタンブールのスルタンアフメット広場近くにおいて自爆テロが発生し,ドイツ人12人が死亡,14名が負傷,トルコ首相はISILの犯行と断定。
●2016年3月3日,イスタンブール市バイラムパシャ区に所在する機動隊基地前において,DHKP/Cの2人の女性テロリストが手榴弾と自動小銃により同基地を攻撃。近くのアパートに立て籠もった両名は射殺された。
●2016年3月19日,イスタンブール市内新市街中心部のイスティクラル通りにおいて自爆テロが発生し,外国人4人が死亡,36人が負傷。トルコ内相は,ISIL関係者の関与を指摘。
●2016年5月12日,イスタンブール市アジア側のサンジャクテペ区において軍のバスが走行中,付近に駐車していた自動車が爆発し,8人が負傷するテロが発生,PKKが犯行声明を発出。PKKは,3日後の5月15日にも,イスタンブール市アジア側のマルテペ区を走る幹線道路に設置した音響爆弾を爆発させるテロを起こし,4人が負傷。
●2016年6月7日,イスタンブール市旧市街の市庁舎付近を機動隊車両が走行中,併走していた車両が自爆し,一般市民を含む12人が死亡,36人が負傷するテロが発生,TAKが犯行声明を発出。
●2016年6月28日,アタテュルク国際空港ターミナルにおいて,3人の武装グループが同空港を襲撃,自爆あるいは射殺される前に,銃の乱射や手榴弾を投擲するなどのテロを敢行し,45人が死亡,200人以上が負傷するテロが発生,当局はISILによる犯行と断定。
●2016年10月6日,イスタンブール市バフチェリエヴレル区の警察署付近において,車両(オートバイ)爆弾が爆発し,市民10人が負傷するテロが発生,TAKが犯行声明を発出。
●2016年12月10日,イスタンブール市タクシム広場近くのサッカー・スタジアムそばにおいて,機動隊のバス等を狙った連続自爆テロが発生し,警察官を中心とする46人が死亡,約240人が負傷。TAKが犯行声明を発出。
●2017年1月1日未明,イスタンブール市オルタキョイ区のナイトクラブ「レイナ」において,銃乱射事件が発生し,外国人27人を含む39人が死亡,約70人が負傷。ISILが犯行声明を発出。
今後も外国人等が巻き込まれる,あるいは,直接のターゲットとされるテロが実行されるおそれがあります。つきましては,イスタンブールへ渡航・滞在される場合には,外国人が多く集まる観光地や繁華街にはなるべく近寄らないよう,また,治安当局の施設などの政府関連施設や各国在外公館,また公共交通機関,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット等不特定多数の人が集まる施設はテロの標的となり得ることに十分留意してください。
また,そのような場所を訪れる際には,警備がしっかりなされている場所を選んだ上で,滞在時間を極力短くするなどして,事件に巻き込まれないよう厳重に警戒するとともに,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意を払ってください。
在イスタンブール日本国総領事館ホームページに掲載の「総領事館からのお知らせ(治安情報)」
http://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/consulate_j/ryoji/oshirase11.html
(イ)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件の際には,アジア側とヨーロッパ側を繋ぐボスポラス海峡の2本の大橋がクーデター派によって封鎖され,アタテュルク国際空港に戦車を始めとする部隊が展開し,同空港へのアクセスが遮断されました。また,アタテュルク国際空港におけるフライトの発着が一時全てストップして,利用客が長時間にわたり空港内に留め置かれました。有事の際には,同様の事態となる可能性があることにつき留意してください。
(ウ)イスタンブール県等では,政情や社会情勢を受けて,以下のようなデモや抗議活動が突発的に行われることがあります。それに対し,警察当局も放水銃や催涙ガス等を使用し,強制的に排除する場合もあるため,デモ等に近づくことは非常に危険です。
●2015年,中国政府のウイグル人に対する政策に反対するトルコの極右団体等による抗議デモが一時活発化し,中国人に見間違えられた韓国人観光客が暴行を受ける被害が発生。
●2016年,タイ政府がウイグル人約100人を中国に強制送還したことを受け,イスタンブールのタイ名誉総領事館に対するデモが発生し,一部が暴徒化,館内に侵入する事件が発生。
●2016年,サウジアラビアによるシーア派宗教指導者に対する死刑執行を受けて,イスタンブールのサウジアラビア総領事館前で約400人のシーア派イスラム教徒による抗議活動が発生。
●2016年,PKKによる警察や軍に対するテロ行為を非難する市民デモがイスタンブール,アンカラ,イズミル等の都市で発生。
イ アンカラ中心部(チャンカヤ区,イェニマハッレ区,エティメスグトゥ区,ママック区,アルトゥンダー区,ケチオレン区,ギョルバシュ市)及びエセンボア空港
(ア)2015年後半以降,アンカラにおいて以下のような大規模なテロ事件が発生しています。
●2015年10月10日,アンカラ中心部スフヒイェ地区のアンカラ駅前において,左派系団体が主催する集会を狙った自爆テロが発生し,103人が死亡,200人以上が負傷。犯行声明は確認されていないが, ISILによるものとみられています。
●2016年2月17日,アンカラ中心部で軍車両を狙った自動車爆弾テロが発生し,29人が死亡,80人が負傷。PKK関連組織であるTAKが犯行声明を発出。
●2016年3月13日,アンカラ中心部クズライ地区のバス停留所付近において自動車爆弾テロが発生し,一般市民37人が死亡,125人が負傷。TAKが犯行声明を発出。
アンカラには,テロの標的となり得る軍・治安当局の本部や,政府機関,国会施設,各国大使館や観光施設,交通機関,ショッピングモール等の公共施設が多数存在していることから,最近のテロを巡る情勢を考慮すれば,今後もテロの発生に警戒する必要があります。
また,2016年12月には,アンカラ市内の文化センターにおいて,スピーチ中の駐トルコ・ロシア大使が非番の警察官に銃撃され死亡する事件が発生しました。
(イ)2016年7月15日に発生したクーデター未遂事件の際は,軍の一部勢力により国会議事堂や,参謀本部,ジャンダルマ(軍警察),治安機関に対し,戦闘機やヘリコプター等を用いた砲撃がなされました。また,市民がクーデターへの抗議行動に出たこともあり,市民に多数の死者が出ました。
懸念されていた治安当局によるクーデター関与者の拘束時における衝突や,クーデター関与者が拘束されている警察署や法廷が開かれる裁判所に対する抗議行動等の発生は現在のところ確認されていませんが,クーデター未遂事件以降のフェトフッラー・ギュレン運動関係者への捜査は継続していることから,引き続き注意が必要です。
つきましては,アンカラ中心部へ渡航する際は,最新の治安情報の入手に努め,ショッピングモールやバザール(市場),公共交通機関等不特定多数の人が集まる場所,政府・軍・警察関係施設,欧米関連施設等を訪れる際には十分注意を払い,不審な状況を察知したら,速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意してください。
ウ 東部11県(トゥンジェリ,エラズー,ビンギョル,ムシュ,ビトリス,ヴァン,ウードゥル,カルス,アール,エルズルム,エルジンジャン)及び南東部3県(バトマン,シールト,アドゥヤマン) トルコ東部及び南東部では, PKKによる軍や警察等の治安当局に対するテロ攻撃及び捜索中の衝突が発生しています。
●2016年10月22日,ビンギョル県ゲンチュ郡の郡長公邸付近において,警察車両が走行中,PKKによる車両爆弾が爆発し,警察官2人が死亡,市民14人を含む19人が負傷。
●2016年11月9日,ヴァン県バシュカレ郡において,PKKによる警備員に対する襲撃により,警備員3人が死亡,2人が負傷。
●2016年12月6日,シールト県中心地において,PKKによる警察署に対する襲撃により,警察官5人が負傷。
●2017年4月15日,ヴァン県ムラディエにおいて,PKKの仕掛けた爆弾により捜査中の治安関係者1人が死亡,4人が負傷。
これらの地域への渡航に当たっては危険を避けていただくため十分な注意が必要です。上記情勢に留意するとともに,最新の治安情報の入手に努め,不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
(5) その他
その他の地域においても,以下のような事案が発生しています。
●2016年11月24日,アダナ県庁駐車場において,PKKによる車両爆弾が爆発し市民2人が死亡,33人が負傷。
●2016年12月17日,カイセリ県所在のエルジェエス大学キャンパス内バス停において,PKKによる軍の車両を狙った車両爆弾が爆発し,トルコ軍兵士14人が死亡,55人が負傷。
●2017年1月5日,イズミル県イズミル市の司法合同庁舎前において,PKKによる銃撃と車両爆弾によるテロにより,市民を含む2人が死亡。
これらの地域には危険情報は発出されておりませんが,渡航に当たっては,安全の確保に留意願います。
3.滞在に当たっての注意
トルコにおいては,上記のとおりトルコ南東部を中心に,首都アンカラやイスタンブールにおいてもテロが発生しています。滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,外務省,在トルコ日本国大使館,在イスタンブール日本国総領事館,現地関係機関,報道等を通じて最新情報を入手し,自ら安全対策に努めてください。
(1) 全般的な注意事項
ア 警察,軍駐屯地などの治安関係施設(待機場所や立哨地を含む),政府機関,各政党施設などはテロの標的となっているので,可能な限り近づかない。
イ また,外国人が多く集まる観光地や繁華街,各国の在外公館もテロの対象となっていることに常に留意し,モスク等の観光施設,ホテル,ショッピングセンター,バザール(市場),レストランについては,可能な限り警備体制の整った施設を利用する。どうしても警備体制に不備のある施設を利用せざるを得ない場合は,周囲の状況に注意を払い,可能な限り短時間で用事をすませるようにし,不審な状況を察知したら,速やかにその場を離れるなど,安全確保に十分注意を払う。その他のナイトクラブ等の娯楽施設については,警備体制がとられている施設においてもテロ事件が発生していることを踏まえ,当面,利用を避けることが望ましい。
ウ 地下鉄,トラム(路面電車),バスなどの公共交通機関(駅,バス停含む。)等もテロの標的になっていることから,これらの交通機関を利用する際は,不審物や不審人物に注意する。アンカラやイスタンブールの空港を利用する際には,セキュリティが厳しくなっていることを踏まえて,出発の際には充分な時間的余裕をもって空港に到着する。他方で,空港の発着ロビーには長時間滞在しない。更には,自動車を運転する場合も,警察や軍の車両にはできるだけ近づかない。
エ イスタンブール県など国内主要観光地等において,スリ,置き引き,偽警官による金品詐取,路上強盗,ひったくり,極めて悪質なじゅうたん販売(時には暴行を含む),ぼったくりバーなどの被害報告があるため十分注意する。
オ 建物内及び街頭や公園などの野外を含め,放置された不審物(バッグ,袋,包みなど)やゴミ箱に爆弾が隠されている可能性があり,常にそうした物がないか周囲に気を付け,不審物があった場合には近づかず,直ちにその場を離れる。
カ スリ,ひったくりのほか,空き巣及び車上荒らしの被害が報告されている。普段から玄関の鍵や窓の格子をよく点検するとともに,外出の際には施錠を確認する。また,街中では身の周りに十分注意する。
車上荒らしの被害に遭わないよう,車内に貴重品を放置したまま車から離れたり,夜間の路上駐車は避ける。
キ デモの際には,巻き添え被害に遭わないよう,デモが行われている現場や群衆が集まっている場所には近づかない。
ク トルコにおいて設備の整った病院で治療を受けたり,入院したりする場合,医療費は極めて高額。現在,トルコの情勢は決して安全とは言えないことから,海外旅行保険には必ず加入し,テロ事件やクーデター,戦争等の不測の事態に巻き込まれた場合でも治療費や入院費などが十分にカバーされる保険(戦争特約等)を選ぶ。
(2) 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時に大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
4.隣国のシリア,イラク,イラン,ジョージア,アルメニアについても別途危険情報が発出されていますので,併せて留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T059.html
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