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[NEWS]チュニジアの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年07月10日
【危険度】
●アルジェリア・リビア国境地帯を含む南部砂漠地帯の一部及びカスリン県
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●上記以外の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
【ポイント】
● 2015年3月から2016年3月にかけて,チュニジア国内では,大規模なテロが連続して発生しました。その後,大規模なテロは発生していませんが,地域格差や高い失業率といった根本的な問題は依然として解決されておらず,更に,イラク,シリアで戦闘経験を積んだISILのチュニジア人戦闘員が多く帰国しており,今後もISIL等によるテロ等が懸念されます。
● アルジェリア・リビア国境付近は,テロリストが頻繁に往来する地域とされ,軍事緩衝地帯に指定されており,不測の事態に巻き込まれる恐れがあります。同地域への渡航は止めてください。
1.概況
(1) 2015年3月から2016年3月にかけて,チュニジア国内では,大規模なテロ事件が連続して発生しました。2015年3月18日(現地時間),首都チュニスの郊外にあるバルドー国立博物館において,武装集団が日本人3名を含む22人を殺害,43人を負傷させる襲撃テロ事件が発生しました。さらに同年6月26日,沿岸部のリゾート地スースにおいて,武装した男が高級リゾートホテルを襲撃するテロ事件が発生し,外国人38人が死亡,39人が負傷しました。また,これら外国人を狙ったテロに加え,同年11月24日,チュニス市内中心部において,大統領警護隊を乗せたバスが自爆テロ犯によって爆破される事件,及び2016年3月7日,メドニン県ベン・ゲルダンにある複数の治安関連施設を武装したテログループが襲撃し,一般市民を含む50名以上の死傷者が出る事件も発生しました。
(2) チュニジアでは,2011年1月,いわゆる「アラブの春」の先駆けとなる政変が発生し,23年間に及んだベン・アリ大統領の長期政権に終止符が打たれました。2014年の新憲法の制定,新憲法に基づく議会選挙・大統領選挙の実施を経て,同年末にエセブシ大統領が就任,2015年2月にエシード内閣が成立しました。革命から6年の歳月を経た現在,移行プロセスは完了しているものの,政変の要因となった地域格差や高い失業率といった問題は依然として解決していません。国内の社会情勢は,引き続き不安定な状況にあります。
(3) こうした国内の状況や周辺諸国の不安定な情勢を背景にして,「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」に関係するテログループがチュニジア国内へ侵入したことが確認されているほか,多くの武器や犯罪資金源となる麻薬等が主に内戦状態のリビアから流入したと見られています。また,2013年8月に政府からテロ組織と指定されたイスラム過激派組織「アンサール・シャリーア」等イスラム武装勢力の活動も活発化し,治安当局や政治家等を狙ったテロ事件が発生しています。加えて,国連のレポートによれば5,000人以上のチュニジア人がISIL(イラク・レバントのイスラム国)に参加するためにシリアやイラクに渡航したとされ,チュニジア内務省は,昨年12月末までに,これらの戦闘経験を積んだチュニジア人約800名が既に帰国していると発表しました。これらのチュニジア人は,内務省の監視下などに置かれているとされていますが,いわゆる「帰還兵」問題が,大きな不安材料となっています。
(4) ISIL等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けているとみられる者によるテロが世界各地で発生しており,とりわけチュニジアにおいては観光客を標的としたテロ事件が立て続けに発生していることを踏まえれば,日本人,日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性は,引き続き高い状況にあると言えます。このような情勢を十分に認識し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,渡航情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
(1) アルジェリア・リビア国境付近を含む南部砂漠地帯の一部及びカスリン県 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
ア アルジェリア・リビア国境付近を含む南部砂漠地帯の一部
2013年8月29日,マルズーキ大統領(当時)は,密輸武器の流入阻止等テロ対策のため,アルジェリア及びリビアとの国境地帯を含む南部地域一帯を軍事緩衝地帯に設定することを宣言しました。設定された軍事緩衝地帯は,テロリストや武器商人などが頻繁に往来する地域とみなされています。その範囲は,西はアルジェリア国境地域に位置するアル・マトローハ(Al-Matrouha)以南,東はリビアとの検問所が位置するラスジェディール(Ras Jedir)以南のそれぞれ国境隣接地域そしてエル・ボルマ(El-Borma)とロルゾット(Lorzot)を結ぶ線より以南のタタウィン県全域となります。
これらの地域への立ち入りは,管轄する県知事の許可が必要となります。また,右地域への出入りは,カンボート(Kambout),アル・カモール(Al-Kamour),アル・ジべイル(Al-Jbeil),アル・マトローハ(Al-Matrouha),あるいは,申請者が許可を得た際に指定される場所で検問を受ける必要があります。また,仮に許可を得た後でも,同地域においては当局の指示,命令に従う義務があり,従わなかった場合,治安当局は警告射撃なしで発砲することが許されています。
イ カスリン県
(ア) 2015年8月,ブーシュブカ地区において密輸業者等を警戒パトロール中の税関職員がテログループの待ち伏せ攻撃を受け,複数名が死傷した他,同年10月,テログループに拉致された羊飼いの捜索のため同県サンマーマ山に掃討作戦に入った軍部隊が,テログループの襲撃に遭い,複数名が死傷しました。この山一帯の地域はテロ組織「ウクバ・イブン・ナファア旅団」が潜伏していると見られ,2013年4月から治安当局による大規模な掃討作戦が展開されており,現在も継続中です。また,2016年8月29日にも,サンマーマ山において国家警備隊員がテロリストグループに襲撃され3名が死亡,9名が負傷しました。同地域では,治安部隊だけでなく地元住民もテロ組織により埋設された地雷で死傷する事件が多発しており,危険な状況が継続しています。
(イ) 2016年1月,県の雇用政策に対する抗議活動が行われ,その最中にデモ隊が暴徒化し,県庁等で投石等を行ったため,デモ隊と治安部隊との間で衝突が発生しました。同衝突により,双方に多数の死傷者が発生しました。
ついては,これらの地域への渡航は,どのような理由であれ止めてください。
(2) 上記以外の地域:
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア 2015年3月18日正午,首都チュニスの郊外にあるバルドー国立博物館において,日本人3人を含む22人が死亡し,43人が負傷するテロ事件が発生しました。また,同年6月26日午後,沿岸部のリゾート地スースにおいて,自動小銃などで武装したテロリストが高級リゾートホテルを襲撃する事件が発生し,外国人38名が死亡,39名が負傷しました。事件後,ISILがテロを認める声明を発出しました。今後も国内観光地において,外国人観光客を狙ったテロ事件が発生する可能性は否定できません。
イ 2015年11月24日,チュニス市中心部のモハメド5世通りにおいて,大統領警護隊を乗せたバスが自爆テロ犯によって爆破され,警護隊員12名が死亡,民間人を含む20名が負傷するテロ事件が発生しました。同事件を受け,大統領府は全土に非常事態宣言を発出しました。その後も期限が繰り返し延長されています。
ウ 2016年3月7日,メドニン県ベン・ゲルダンにある複数の治安関連施設を武装したテログループが襲撃し,治安部隊と同グループとの間で銃撃戦が発生しました。テロリストは,治安関連施設を占拠し,ベン・ゲルダンにISILの「首長国」を樹立することを目的に襲撃したと見られており,この銃撃により一般市民を含む50名以上の死傷者が出ました。
同銃撃事件以降,ベン・ゲルダン地区では,度々多数の武器庫が発見され,2016年11月には,自爆ベルトや対建物・車両用爆弾,カラシニコフ銃等の大量の武器が押収されています。
エ 2016年5月11日,アリアナ県及びタタウィン県において,治安部隊によるテログループ掃討作戦が行われ,治安部隊とテログループが銃撃戦となり,テロリスト1名が自爆ベルトを爆発させ,これにより警察官2名,国家警備隊員2名が死亡しました。これら一連のテログループ掃討作戦で,テロリストが多数逮捕され,その後の捜査により,大型商業施設や政府機関重要施設等への同時多発テロを計画していたことが明らかになりました。
オ 2017年3月12日,ケビリ県Jenoura地区において,検問中の警察官がバイクに乗った4人組のテロリストグループに襲撃され,1名が死亡,2名が負傷しました。
カ 一般犯罪については,特に窃盗及び強盗事件が増加傾向にあり,日本人も被害に遭っています。最近では,刃物を持った男が在留邦人宅に押し入り,現金などを奪う強盗事件や在留邦人宅への空き巣事件が発生し,また,首都チュニスの観光地で,日本人を含む外国人が被害に遭うひったくり事件が多発しています。
ついては,これらの地域への不要不急の渡航・滞在は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
また,不測の事態に巻き込まれることのないよう,テロの標的になりやすい政府機関,軍,警察等治安当局施設,大型商業施設,外国人が多く集まるような場所等にはできるだけ近づかないなど,自らの安全確保や危険回避に努めてください。
3.滞在に当たっての注意
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(1) 渡航者全般向けの注意事項
ア 夜間の不要不急の外出は控えるようにしてください。
イ チュニジア国内の移動に際しては,可能な限り現地事情に詳しいガイドを同行させ,必要により安全対策の専門家の同行を求めるなど十分な安全対策を講じてください。また,移動経路における周囲の状況の変化等にも十分注意してください。各地でデモやストライキが予告無く発生する傾向にあります。
ウ 列車,バス等の公共機関や市場,ショッピングモール,繁華街等不特定多数の人が集まる場所では,テロ,騒じょう事件等に巻き込まれないよう十分に注意し,デモ等に遭遇した場合は,慌てず速やかにその場から離れるようにしてください。
エ 治安関係施設や政府関係施設で大勢の人が集まっている場合には,速やかにその場から立ち去ってください。
オ テロや誘拐等の事件に巻き込まれないよう,米,仏等の西欧諸国権益及び政府関連施設への立ち寄りは必要最小限にとどめるとともに,チュニジアがAQIMやISILの影響を受けた組織が複数存在する地域であることを十分認識し,自らの安全に十分注意するよう心掛けてください。
カ ホテルを利用する場合には,安全対策が十分施されたホテルを選択し,ホテルから外出する際は十分注意を払うよう心掛けてください。
キ 一般的に沿岸部に比べ内陸部は開発が進んでおらず,貧困率や失業率も高い傾向があります。2017年5月には,南部タタウィン県等で,雇用の改善などを要求する抗議活動が行われ,一部の暴徒が警察施設などを襲撃し,死傷者が出る事件が発生したこともあり,危険情報のレベルに係わらず内陸部への渡航を予定されている方は注意が必要です。
ク 観光地においても,種々のトラブルが発生する可能性があるので,細心の警戒を払うよう心掛けてください。単独行動は避け,信頼できる現地旅行会社や観光ガイドを利用されることをお勧めします。
ケ 抗議活動が暴動や略奪等の犯罪行為に発展する畏れがあります。現地では可能な限り情報を収集し,危険な状況に巻き込まれる前に避難する等の安全対策を取ってください。
コ 首都チュニスの観光地における強盗や郊外電車内におけるスリやひったくり被害が増加傾向にあります。常に周囲の状況に警戒を払い,電車等に乗っている時は,手荷物の管理を厳重にするよう心掛けてください。
サ 万一,病気にかかったり,事故等に遭ったりした場合,重症の際には国外への緊急移送が必要となる可能性もあるので,緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをお勧めします。
(3) 長期滞在者向けの追加注意事項
長期滞在される方は,食料や水その他必要な生活物資等の備蓄に努め,ガソリンのこまめな給油等も心掛けてください。また,貴重品の所在や旅券の有効期間等の確認を常時行ってください。
4.隣国のアルジェリア,リビアに対しても別途それぞれ危険情報を発出していますので,併せ留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T053.html
●アルジェリア・リビア国境地帯を含む南部砂漠地帯の一部及びカスリン県
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●上記以外の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
【ポイント】
● 2015年3月から2016年3月にかけて,チュニジア国内では,大規模なテロが連続して発生しました。その後,大規模なテロは発生していませんが,地域格差や高い失業率といった根本的な問題は依然として解決されておらず,更に,イラク,シリアで戦闘経験を積んだISILのチュニジア人戦闘員が多く帰国しており,今後もISIL等によるテロ等が懸念されます。
● アルジェリア・リビア国境付近は,テロリストが頻繁に往来する地域とされ,軍事緩衝地帯に指定されており,不測の事態に巻き込まれる恐れがあります。同地域への渡航は止めてください。
1.概況
(1) 2015年3月から2016年3月にかけて,チュニジア国内では,大規模なテロ事件が連続して発生しました。2015年3月18日(現地時間),首都チュニスの郊外にあるバルドー国立博物館において,武装集団が日本人3名を含む22人を殺害,43人を負傷させる襲撃テロ事件が発生しました。さらに同年6月26日,沿岸部のリゾート地スースにおいて,武装した男が高級リゾートホテルを襲撃するテロ事件が発生し,外国人38人が死亡,39人が負傷しました。また,これら外国人を狙ったテロに加え,同年11月24日,チュニス市内中心部において,大統領警護隊を乗せたバスが自爆テロ犯によって爆破される事件,及び2016年3月7日,メドニン県ベン・ゲルダンにある複数の治安関連施設を武装したテログループが襲撃し,一般市民を含む50名以上の死傷者が出る事件も発生しました。
(2) チュニジアでは,2011年1月,いわゆる「アラブの春」の先駆けとなる政変が発生し,23年間に及んだベン・アリ大統領の長期政権に終止符が打たれました。2014年の新憲法の制定,新憲法に基づく議会選挙・大統領選挙の実施を経て,同年末にエセブシ大統領が就任,2015年2月にエシード内閣が成立しました。革命から6年の歳月を経た現在,移行プロセスは完了しているものの,政変の要因となった地域格差や高い失業率といった問題は依然として解決していません。国内の社会情勢は,引き続き不安定な状況にあります。
(3) こうした国内の状況や周辺諸国の不安定な情勢を背景にして,「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」に関係するテログループがチュニジア国内へ侵入したことが確認されているほか,多くの武器や犯罪資金源となる麻薬等が主に内戦状態のリビアから流入したと見られています。また,2013年8月に政府からテロ組織と指定されたイスラム過激派組織「アンサール・シャリーア」等イスラム武装勢力の活動も活発化し,治安当局や政治家等を狙ったテロ事件が発生しています。加えて,国連のレポートによれば5,000人以上のチュニジア人がISIL(イラク・レバントのイスラム国)に参加するためにシリアやイラクに渡航したとされ,チュニジア内務省は,昨年12月末までに,これらの戦闘経験を積んだチュニジア人約800名が既に帰国していると発表しました。これらのチュニジア人は,内務省の監視下などに置かれているとされていますが,いわゆる「帰還兵」問題が,大きな不安材料となっています。
(4) ISIL等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けているとみられる者によるテロが世界各地で発生しており,とりわけチュニジアにおいては観光客を標的としたテロ事件が立て続けに発生していることを踏まえれば,日本人,日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性は,引き続き高い状況にあると言えます。このような情勢を十分に認識し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,渡航情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
(1) アルジェリア・リビア国境付近を含む南部砂漠地帯の一部及びカスリン県 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
ア アルジェリア・リビア国境付近を含む南部砂漠地帯の一部
2013年8月29日,マルズーキ大統領(当時)は,密輸武器の流入阻止等テロ対策のため,アルジェリア及びリビアとの国境地帯を含む南部地域一帯を軍事緩衝地帯に設定することを宣言しました。設定された軍事緩衝地帯は,テロリストや武器商人などが頻繁に往来する地域とみなされています。その範囲は,西はアルジェリア国境地域に位置するアル・マトローハ(Al-Matrouha)以南,東はリビアとの検問所が位置するラスジェディール(Ras Jedir)以南のそれぞれ国境隣接地域そしてエル・ボルマ(El-Borma)とロルゾット(Lorzot)を結ぶ線より以南のタタウィン県全域となります。
これらの地域への立ち入りは,管轄する県知事の許可が必要となります。また,右地域への出入りは,カンボート(Kambout),アル・カモール(Al-Kamour),アル・ジべイル(Al-Jbeil),アル・マトローハ(Al-Matrouha),あるいは,申請者が許可を得た際に指定される場所で検問を受ける必要があります。また,仮に許可を得た後でも,同地域においては当局の指示,命令に従う義務があり,従わなかった場合,治安当局は警告射撃なしで発砲することが許されています。
イ カスリン県
(ア) 2015年8月,ブーシュブカ地区において密輸業者等を警戒パトロール中の税関職員がテログループの待ち伏せ攻撃を受け,複数名が死傷した他,同年10月,テログループに拉致された羊飼いの捜索のため同県サンマーマ山に掃討作戦に入った軍部隊が,テログループの襲撃に遭い,複数名が死傷しました。この山一帯の地域はテロ組織「ウクバ・イブン・ナファア旅団」が潜伏していると見られ,2013年4月から治安当局による大規模な掃討作戦が展開されており,現在も継続中です。また,2016年8月29日にも,サンマーマ山において国家警備隊員がテロリストグループに襲撃され3名が死亡,9名が負傷しました。同地域では,治安部隊だけでなく地元住民もテロ組織により埋設された地雷で死傷する事件が多発しており,危険な状況が継続しています。
(イ) 2016年1月,県の雇用政策に対する抗議活動が行われ,その最中にデモ隊が暴徒化し,県庁等で投石等を行ったため,デモ隊と治安部隊との間で衝突が発生しました。同衝突により,双方に多数の死傷者が発生しました。
ついては,これらの地域への渡航は,どのような理由であれ止めてください。
(2) 上記以外の地域:
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア 2015年3月18日正午,首都チュニスの郊外にあるバルドー国立博物館において,日本人3人を含む22人が死亡し,43人が負傷するテロ事件が発生しました。また,同年6月26日午後,沿岸部のリゾート地スースにおいて,自動小銃などで武装したテロリストが高級リゾートホテルを襲撃する事件が発生し,外国人38名が死亡,39名が負傷しました。事件後,ISILがテロを認める声明を発出しました。今後も国内観光地において,外国人観光客を狙ったテロ事件が発生する可能性は否定できません。
イ 2015年11月24日,チュニス市中心部のモハメド5世通りにおいて,大統領警護隊を乗せたバスが自爆テロ犯によって爆破され,警護隊員12名が死亡,民間人を含む20名が負傷するテロ事件が発生しました。同事件を受け,大統領府は全土に非常事態宣言を発出しました。その後も期限が繰り返し延長されています。
ウ 2016年3月7日,メドニン県ベン・ゲルダンにある複数の治安関連施設を武装したテログループが襲撃し,治安部隊と同グループとの間で銃撃戦が発生しました。テロリストは,治安関連施設を占拠し,ベン・ゲルダンにISILの「首長国」を樹立することを目的に襲撃したと見られており,この銃撃により一般市民を含む50名以上の死傷者が出ました。
同銃撃事件以降,ベン・ゲルダン地区では,度々多数の武器庫が発見され,2016年11月には,自爆ベルトや対建物・車両用爆弾,カラシニコフ銃等の大量の武器が押収されています。
エ 2016年5月11日,アリアナ県及びタタウィン県において,治安部隊によるテログループ掃討作戦が行われ,治安部隊とテログループが銃撃戦となり,テロリスト1名が自爆ベルトを爆発させ,これにより警察官2名,国家警備隊員2名が死亡しました。これら一連のテログループ掃討作戦で,テロリストが多数逮捕され,その後の捜査により,大型商業施設や政府機関重要施設等への同時多発テロを計画していたことが明らかになりました。
オ 2017年3月12日,ケビリ県Jenoura地区において,検問中の警察官がバイクに乗った4人組のテロリストグループに襲撃され,1名が死亡,2名が負傷しました。
カ 一般犯罪については,特に窃盗及び強盗事件が増加傾向にあり,日本人も被害に遭っています。最近では,刃物を持った男が在留邦人宅に押し入り,現金などを奪う強盗事件や在留邦人宅への空き巣事件が発生し,また,首都チュニスの観光地で,日本人を含む外国人が被害に遭うひったくり事件が多発しています。
ついては,これらの地域への不要不急の渡航・滞在は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。
また,不測の事態に巻き込まれることのないよう,テロの標的になりやすい政府機関,軍,警察等治安当局施設,大型商業施設,外国人が多く集まるような場所等にはできるだけ近づかないなど,自らの安全確保や危険回避に努めてください。
3.滞在に当たっての注意
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(1) 渡航者全般向けの注意事項
ア 夜間の不要不急の外出は控えるようにしてください。
イ チュニジア国内の移動に際しては,可能な限り現地事情に詳しいガイドを同行させ,必要により安全対策の専門家の同行を求めるなど十分な安全対策を講じてください。また,移動経路における周囲の状況の変化等にも十分注意してください。各地でデモやストライキが予告無く発生する傾向にあります。
ウ 列車,バス等の公共機関や市場,ショッピングモール,繁華街等不特定多数の人が集まる場所では,テロ,騒じょう事件等に巻き込まれないよう十分に注意し,デモ等に遭遇した場合は,慌てず速やかにその場から離れるようにしてください。
エ 治安関係施設や政府関係施設で大勢の人が集まっている場合には,速やかにその場から立ち去ってください。
オ テロや誘拐等の事件に巻き込まれないよう,米,仏等の西欧諸国権益及び政府関連施設への立ち寄りは必要最小限にとどめるとともに,チュニジアがAQIMやISILの影響を受けた組織が複数存在する地域であることを十分認識し,自らの安全に十分注意するよう心掛けてください。
カ ホテルを利用する場合には,安全対策が十分施されたホテルを選択し,ホテルから外出する際は十分注意を払うよう心掛けてください。
キ 一般的に沿岸部に比べ内陸部は開発が進んでおらず,貧困率や失業率も高い傾向があります。2017年5月には,南部タタウィン県等で,雇用の改善などを要求する抗議活動が行われ,一部の暴徒が警察施設などを襲撃し,死傷者が出る事件が発生したこともあり,危険情報のレベルに係わらず内陸部への渡航を予定されている方は注意が必要です。
ク 観光地においても,種々のトラブルが発生する可能性があるので,細心の警戒を払うよう心掛けてください。単独行動は避け,信頼できる現地旅行会社や観光ガイドを利用されることをお勧めします。
ケ 抗議活動が暴動や略奪等の犯罪行為に発展する畏れがあります。現地では可能な限り情報を収集し,危険な状況に巻き込まれる前に避難する等の安全対策を取ってください。
コ 首都チュニスの観光地における強盗や郊外電車内におけるスリやひったくり被害が増加傾向にあります。常に周囲の状況に警戒を払い,電車等に乗っている時は,手荷物の管理を厳重にするよう心掛けてください。
サ 万一,病気にかかったり,事故等に遭ったりした場合,重症の際には国外への緊急移送が必要となる可能性もあるので,緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをお勧めします。
(3) 長期滞在者向けの追加注意事項
長期滞在される方は,食料や水その他必要な生活物資等の備蓄に努め,ガソリンのこまめな給油等も心掛けてください。また,貴重品の所在や旅券の有効期間等の確認を常時行ってください。
4.隣国のアルジェリア,リビアに対しても別途それぞれ危険情報を発出していますので,併せ留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T053.html
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