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[NEWS]インドネシアの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年07月04日
【危険度】
●パプア州(プンチャック・ジャヤ県,ミミカ県のみ)及び中部スラウェシ州ポソ県
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●上記を除くすべての地域(首都ジャカルタ及びバリ島を含む。)
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●2016年以降,インドネシア各地において,自爆テロ事件,司祭襲撃事件,警察官襲撃事件等のテロ事件(未遂を含む)が継続して発生しています。最新の関連情報を収集の上,テロの標的となりやすい不特定多数が集まる場所などでは,注意を払うなど,テロ被害を避ける行動に心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)テロ情勢
ア インドネシアにおいては,ジュマ・イスラミーヤ(JI)が首謀したとされる大規模な爆弾テロが,ジャカルタ及びバリ島で2002年から4年連続発生したほか,また,2009年7月にもジャカルタで発生しました。その後,テロの実行グループに属するとみられるメンバーの多くが各地で摘発され,JI等イスラム過激派組織は弱体化しました。治安機関を攻撃対象とする小規模な事件は発生していたものの,テロの実行能力も大幅に低下したものとみられていました。
イ そのような中,2016年1月14日,ジャカルタ市内中心部のタムリン通りにある警察詰所,米系コーヒーショップ及びその周辺において爆弾テロ事件が発生し,民間人4名が死亡,24名が負傷しました。本事件に関しては,JIではなく,「ISILインドネシア」なる組織名で犯行声明が発出されました。
ウ その後も,次のような事件が発生しており,インドネシア国内各地においてテロ事件(未遂を含む)が継続して発生しています。
(ア)2016年7月,ソロ(スラカルタ)警察署における自爆テロ事件
(イ)2016年8月,メダンの教会における司祭襲撃事件
(ウ)2016年10月,タンゲランにおける警察官襲撃事件
(エ)2016年11月,東カリマンタン州サマリンダの教会への火炎瓶投擲事件,
(オ)2016年12月,大統領宮殿を狙った自爆テロ未遂事件
(カ)2017年2月,バンドンにおける爆発事件
(キ)2017年5月,東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで警察官を狙った自爆テロ事件(犯人2名を含む5名死亡,11名負傷)
(ク)2017年6月,北スマトラ州警察本部に対するテロ事件
エ ISIL支持を公言する過激組織によるもの,個人(ローンウルフ)によるものを含め,インドネシア国内で発生しているテロは,ISIL支持者によるとされるテロの標的の多くは警察官ですが,2015年9月のISILの機関誌において,インドネシアに所在する日本の外交使節が標的として例示されていること等を踏まえれば,今後,日本人,日本権益を標的とするテロが発生する可能性も否定できません。テロの被害を避けるため,具体的には,以下の点を心がけてください。
●テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
●テロの標的となりやすい場所(デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関など不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
●政府・軍・警察関係施設には近づかない。
●複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。
●爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
●在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難するとともに,大使館等に状況等を連絡する。
(2)その他の治安情勢
ア 首都ジャカルタを始めとする主要都市では,宗教関係者・学生・労働組合等大小様々なデモ活動が発生する可能性があります。また,今後も国内政治の動向と連動する形で,デモや集会が発生する可能性があります。
イ 分離独立や州の分割問題を抱えるパプア州及び西パプア州の一部の地域では治 安が不安定な状況が継続しています。
ウ 中部スラウェシ州ポソ県では,1998年末にイスラム教徒住民とキリスト教徒住民 の間で衝突が発生し,その後も不安定な状況が続きましたが,現在は沈静化しています。しかし,同県郊外の山岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり,治安部隊や地元住民を襲撃する事件が発生したことから,治安当局による対テロ作戦が実施・継続されています。2016年7月に指導者が死亡するに至りましたが,未だに残党が潜伏しているため,注意する必要があります。
(3)感染症
ア インドネシア国内において,2005年に鳥インフルエンザ(H5N1)のヒトへの感染が確認されて以降,国内各地で感染者が確認されており,インドネシア保健省によれば,2016年末までに199例が確認され,うち167例が死亡しています。ここ数年は,ヒトへの感染の報告はほとんどなくなりましたが,依然として家禽類の大量死亡事例は国内各地で発生しているため注意が必要です。
イ 狂犬病については,インドネシアではジャカルタ特別州,ジョグジャカルタ特別州など一部の地域を除いて全国的に患者が確認されており,依然として多くの死亡例が認められます。その症例数は,2010年の206例をピークに減少していましたが,2014年度より再度上昇傾向にあります。特に,野犬の多いバリ島においては引き続き警戒が必要で,長期滞在者や動物との接触のある業務の方は,特に注意が必要です。
2 地域情勢
(1)パプア州(プンチャック・ジャヤ県,ミミカ県のみ)及び中部スラウェシ州ポソ県
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア パプア州プンチャック・ジャヤ県及びミミカ県
パプア州及び西パプア州においては,依然として分離独立を求める声があり,一部の地域では独立派住民が関与しているとも言われる治安当局との衝突等が散発的に発生しています。特に,パプア州のミミカ県からプンチャック・ジャヤ県にかかる地域周辺では,OPM(パプア分離独立運動グループ)と見られる武装集団が治安当局等を襲撃する事案が散発的に発生しています。
イ 中部スラウェシ州ポソ県
ポソ県の情勢は沈静化していますが,同県郊外の山岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり,治安当局や地元住民を襲撃する事件が発生したことから,2015年以降,治安当局による対テロ作戦が実施されています。2016年7月に同グループの指導者の死亡という一定の成果を収めましたが,完全には掃討されておらず,まだ残党が潜伏していることから,作戦は継続されています。
つきましては,上記地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在される場合には,最新の情報収集に努め,信頼できる現地情報に詳しい人を同行させるなど,特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。
(2)上記を除くすべての地域(首都ジャカルタ及びバリ島を含む。)
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア 2016年1月14日,ジャカルタ市内中心部のタムリン通りにある警察詰所,欧米系コーヒーショップ及びその周辺において爆弾・銃撃テロ事件が発生,民間人4人が死亡,24名が負傷し,同事件に関しては,「ISILインドネシア」との組織名で犯行声明が発出されました。2017年5月24日には,東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで警察官を狙った自爆テロ事件が発生,犯人2名を含む5名が死亡,11名が負傷しました。
ISILを支持するグループは各地で活動しており,ジャカルタ以外の地方でも自爆テロやキリスト協会への火焔瓶投擲等の事件が発生しています。
イ アチェ州においては,2005年8月にインドネシア政府とアチェの独立を求める武装集団「GAM」(独立アチェ運動)との間で和平合意が結ばれ,独立運動は終結しました。しかし,一部の県では武器弾薬が依然残存しているとみられ,過去の選挙では,政党間の問題に起因すると思われる手榴弾や銃器を使用した殺人事件が複数発生するなど,銃器等を使用した犯罪がたびたび発生しています。また,同州は大麻の産地としても知られており,覚せい剤等の薬物も多く出回っていることから,治安情勢には十分な注意が必要です。
なお,アチェ州ではインドネシア国内の他州と異なり,厳格なシャリア(イスラム法)が適用されているため,許可された場所以外での飲酒をしないようにし,モスクなどの宗教施設へ入る際には,観光客であっても半袖や短パンなどの身体を露出した服装を避け,女性は頭部にスカーフを着用し髪を覆うなど,イスラムに対するより一層の理解と配慮が必要です。
ウ パプア州(プンチャック・ジャヤ県及びミミカ県を除く。)及び西パプア州については,州都ジャヤプラ,ビアク島,西パプア州都マノクワリ等を始めとする多くの地域において,治安面で不測の状況が発生するおそれは排除されませんので,現地事情に関する最新の情報を入手するなど安全対策につとめてください。
つきましては,上記(2)の地域へ渡航・滞在に当たっては,危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
3 滞在に当たっての注意
インドネシアへの渡航・滞在における一般犯罪等に対する注意事項については,安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=002 )を併せてご参照ください。
滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
また,渡航に際しては,あらかじめ,日本国外務省,在インドネシア日本国大使館又は各総領事館,現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めるとともに,万一,事件・事故等に巻き込まれた場合には,在インドネシア日本国大使館や総領事館へご連絡ください。
(1)在留届,たびレジ
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(2)イスラム教では,金曜日が集団礼拝の日とされており,その機会を利用して,政治的スピーチやデモが行われ,それが大規模化,暴徒化する場合があります。また,その際,モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもありますので,特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしてください。
(3)一般犯罪については,刃物や銃器を使用した強盗,パンク強盗,路上でのひったくり,ホテル内のロビーやレストランでの置き引き,押し売り,車上荒らし,タクシー強盗,路線バス内での集団スリ等による被害が依然として後を絶ちません。最近では,深夜・早朝便を使用するため市内をタクシーで移動中などに,警察官や入管職員を名乗る者からパスポート・身分証明書などの原本の提示を求められ,応じられないときには法外な金銭を要求されるケースが報告されています。また,一般住宅では,強盗,空き巣等の被害が見受けられます。万が一,このような犯罪に巻き込まれた場合には,犯人の要求に抵抗することなく,自身の生命の安全を第一に考え,犯人の要求に抵抗しないことが重要です。
(4)上記1(3)のとおり,インドネシアでは,2005年に鳥インフルエンザ(A/H5N1)のヒトへの感染例が確認されて以降,現在に至るまで,継続して感染例が確認されています。養鶏場,鳥を扱う市場,観賞用鳥店,動物園,家禽類飼育家庭などに不用意・無警戒に立ち寄らず,接触を避けてください。特に,鳥類の死体,内臓,排泄物には接触しないでください。また,鶏肉や卵を調理する際には十分に加熱してください。念のため,人混みへの立入りは最小限にし,外出後には手洗い,うがいなどの通常の感染症予防対策を励行してください。高熱,全身倦怠感,呼吸器症状等が出た場合には,ためらわず最寄りの信頼できる医療機関を受診してください。今後,ヒトからヒトへの感染が発生・拡大するような状況になる可能性も排除されませんので,その場合には,出入国や物流の制限が生じ,社会生活に大きな影響が及ぶおそれがあるため,最新の情報を入手するように努めてください。
(5)インドネシアにおける狂犬病の感染例については,ジャカルタ特別州,ジョグジャカルタ特別州等一部地域を除く全国で確認されています。特に感染例の多いバリ州,北スマトラ州ニアス県及びマルク州東南マルク県の3地域では,2011年2月に狂犬病に関する非常事態が宣言されました。インドネシア全体で2013年もイヌ等による咬傷の報告数は約7万件,狂犬病を発症し死亡した人も119名,2014年についても死亡者は98名と依然として多数の死亡例が報告されています。狂犬病はイヌだけでなく,サル,ネコ,リス等の哺乳類やコウモリからも感染する可能性があります。狂犬病は発症すると,致死率はほぼ100%という怖い病気です。飼い犬を含め,動物にはむやみに手を出さないよう,特にお子さんには注意してください。もし狂犬病のおそれのある動物にかまれたり,ひっかかれたりした場合は,まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し,速やかに医療機関を受診し,暴露後ワクチンの接種を受けてください。なお,事前に狂犬病予防接種を受けていない方は,暴露後ワクチンとあわせて抗狂犬病免疫グロブリンの接種も有効とされていますが,インドネシア国内で入手できないこともあります。
(6)渡航に際して常用薬を多量に持参される方は,入国審査等の際に無用の誤解やトラブルを避けるためにも,念のため事前に治療薬の処方箋(英文・写真入り等)を用意するなどの対策を講じ,不明な点はジャカルタ空港検疫所(電話番号:+62-21-550-6068)にお問い合わせください。
(7)1998年5月,アジア通貨危機をきっかけに,ジャカルタを中心に暴動が発生し,約9千人の邦人の方が,短期間に,商用航空臨時便,政府チャーター機で国外退避しました。このように,インドネシア国内どの地域にお住まいであっても,不測の事態に備え,食料,飲料水を備蓄しておくとともに,パスポート,貴重品,衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておき,さらに,退避手段についても常時確認しておいてください。また,家族のその日の行動は家族全員が相互に把握し,非常時に落ち合う場所を確認しておくとともに,家族にも携帯電話を持たせるなど,いつでも連絡が取れるような対策を講じてください。
(8)自然災害
2004年12月,スマトラ島沖を震源とするマグニチュード9.1の大地震,津波が発生し,甚大な被害をもたらしました。2016年9月にはロンボク島バルジャリ火山が噴火したなど,インドネシアでは,地震,火山活動等の自然災害の発生が少なくありません。自然災害が発生した際,航空機や船などの交通機関がストップしたり,また電話やインターネットが不通となるなど,外部との連絡が寸断され,さらには物資の供給が十分にできなくなります。したがって,緊急備蓄品(食料や飲料水(10日~2週間分程度)に加え,懐中電灯,ライター,ろうそく,携帯ラジオ,予備の電池等)を準備するなど,日頃から自然災害に対する警戒は怠らないようにするとともに,テレビ,ラジオやインターネット等で常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T050.html
●パプア州(プンチャック・ジャヤ県,ミミカ県のみ)及び中部スラウェシ州ポソ県
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●上記を除くすべての地域(首都ジャカルタ及びバリ島を含む。)
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●2016年以降,インドネシア各地において,自爆テロ事件,司祭襲撃事件,警察官襲撃事件等のテロ事件(未遂を含む)が継続して発生しています。最新の関連情報を収集の上,テロの標的となりやすい不特定多数が集まる場所などでは,注意を払うなど,テロ被害を避ける行動に心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)テロ情勢
ア インドネシアにおいては,ジュマ・イスラミーヤ(JI)が首謀したとされる大規模な爆弾テロが,ジャカルタ及びバリ島で2002年から4年連続発生したほか,また,2009年7月にもジャカルタで発生しました。その後,テロの実行グループに属するとみられるメンバーの多くが各地で摘発され,JI等イスラム過激派組織は弱体化しました。治安機関を攻撃対象とする小規模な事件は発生していたものの,テロの実行能力も大幅に低下したものとみられていました。
イ そのような中,2016年1月14日,ジャカルタ市内中心部のタムリン通りにある警察詰所,米系コーヒーショップ及びその周辺において爆弾テロ事件が発生し,民間人4名が死亡,24名が負傷しました。本事件に関しては,JIではなく,「ISILインドネシア」なる組織名で犯行声明が発出されました。
ウ その後も,次のような事件が発生しており,インドネシア国内各地においてテロ事件(未遂を含む)が継続して発生しています。
(ア)2016年7月,ソロ(スラカルタ)警察署における自爆テロ事件
(イ)2016年8月,メダンの教会における司祭襲撃事件
(ウ)2016年10月,タンゲランにおける警察官襲撃事件
(エ)2016年11月,東カリマンタン州サマリンダの教会への火炎瓶投擲事件,
(オ)2016年12月,大統領宮殿を狙った自爆テロ未遂事件
(カ)2017年2月,バンドンにおける爆発事件
(キ)2017年5月,東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで警察官を狙った自爆テロ事件(犯人2名を含む5名死亡,11名負傷)
(ク)2017年6月,北スマトラ州警察本部に対するテロ事件
エ ISIL支持を公言する過激組織によるもの,個人(ローンウルフ)によるものを含め,インドネシア国内で発生しているテロは,ISIL支持者によるとされるテロの標的の多くは警察官ですが,2015年9月のISILの機関誌において,インドネシアに所在する日本の外交使節が標的として例示されていること等を踏まえれば,今後,日本人,日本権益を標的とするテロが発生する可能性も否定できません。テロの被害を避けるため,具体的には,以下の点を心がけてください。
●テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
●テロの標的となりやすい場所(デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関など不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
●政府・軍・警察関係施設には近づかない。
●複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。
●爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
●在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難するとともに,大使館等に状況等を連絡する。
(2)その他の治安情勢
ア 首都ジャカルタを始めとする主要都市では,宗教関係者・学生・労働組合等大小様々なデモ活動が発生する可能性があります。また,今後も国内政治の動向と連動する形で,デモや集会が発生する可能性があります。
イ 分離独立や州の分割問題を抱えるパプア州及び西パプア州の一部の地域では治 安が不安定な状況が継続しています。
ウ 中部スラウェシ州ポソ県では,1998年末にイスラム教徒住民とキリスト教徒住民 の間で衝突が発生し,その後も不安定な状況が続きましたが,現在は沈静化しています。しかし,同県郊外の山岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり,治安部隊や地元住民を襲撃する事件が発生したことから,治安当局による対テロ作戦が実施・継続されています。2016年7月に指導者が死亡するに至りましたが,未だに残党が潜伏しているため,注意する必要があります。
(3)感染症
ア インドネシア国内において,2005年に鳥インフルエンザ(H5N1)のヒトへの感染が確認されて以降,国内各地で感染者が確認されており,インドネシア保健省によれば,2016年末までに199例が確認され,うち167例が死亡しています。ここ数年は,ヒトへの感染の報告はほとんどなくなりましたが,依然として家禽類の大量死亡事例は国内各地で発生しているため注意が必要です。
イ 狂犬病については,インドネシアではジャカルタ特別州,ジョグジャカルタ特別州など一部の地域を除いて全国的に患者が確認されており,依然として多くの死亡例が認められます。その症例数は,2010年の206例をピークに減少していましたが,2014年度より再度上昇傾向にあります。特に,野犬の多いバリ島においては引き続き警戒が必要で,長期滞在者や動物との接触のある業務の方は,特に注意が必要です。
2 地域情勢
(1)パプア州(プンチャック・ジャヤ県,ミミカ県のみ)及び中部スラウェシ州ポソ県
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア パプア州プンチャック・ジャヤ県及びミミカ県
パプア州及び西パプア州においては,依然として分離独立を求める声があり,一部の地域では独立派住民が関与しているとも言われる治安当局との衝突等が散発的に発生しています。特に,パプア州のミミカ県からプンチャック・ジャヤ県にかかる地域周辺では,OPM(パプア分離独立運動グループ)と見られる武装集団が治安当局等を襲撃する事案が散発的に発生しています。
イ 中部スラウェシ州ポソ県
ポソ県の情勢は沈静化していますが,同県郊外の山岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり,治安当局や地元住民を襲撃する事件が発生したことから,2015年以降,治安当局による対テロ作戦が実施されています。2016年7月に同グループの指導者の死亡という一定の成果を収めましたが,完全には掃討されておらず,まだ残党が潜伏していることから,作戦は継続されています。
つきましては,上記地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在される場合には,最新の情報収集に努め,信頼できる現地情報に詳しい人を同行させるなど,特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。
(2)上記を除くすべての地域(首都ジャカルタ及びバリ島を含む。)
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア 2016年1月14日,ジャカルタ市内中心部のタムリン通りにある警察詰所,欧米系コーヒーショップ及びその周辺において爆弾・銃撃テロ事件が発生,民間人4人が死亡,24名が負傷し,同事件に関しては,「ISILインドネシア」との組織名で犯行声明が発出されました。2017年5月24日には,東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで警察官を狙った自爆テロ事件が発生,犯人2名を含む5名が死亡,11名が負傷しました。
ISILを支持するグループは各地で活動しており,ジャカルタ以外の地方でも自爆テロやキリスト協会への火焔瓶投擲等の事件が発生しています。
イ アチェ州においては,2005年8月にインドネシア政府とアチェの独立を求める武装集団「GAM」(独立アチェ運動)との間で和平合意が結ばれ,独立運動は終結しました。しかし,一部の県では武器弾薬が依然残存しているとみられ,過去の選挙では,政党間の問題に起因すると思われる手榴弾や銃器を使用した殺人事件が複数発生するなど,銃器等を使用した犯罪がたびたび発生しています。また,同州は大麻の産地としても知られており,覚せい剤等の薬物も多く出回っていることから,治安情勢には十分な注意が必要です。
なお,アチェ州ではインドネシア国内の他州と異なり,厳格なシャリア(イスラム法)が適用されているため,許可された場所以外での飲酒をしないようにし,モスクなどの宗教施設へ入る際には,観光客であっても半袖や短パンなどの身体を露出した服装を避け,女性は頭部にスカーフを着用し髪を覆うなど,イスラムに対するより一層の理解と配慮が必要です。
ウ パプア州(プンチャック・ジャヤ県及びミミカ県を除く。)及び西パプア州については,州都ジャヤプラ,ビアク島,西パプア州都マノクワリ等を始めとする多くの地域において,治安面で不測の状況が発生するおそれは排除されませんので,現地事情に関する最新の情報を入手するなど安全対策につとめてください。
つきましては,上記(2)の地域へ渡航・滞在に当たっては,危険を避けていただくため特別な注意が必要です。
3 滞在に当たっての注意
インドネシアへの渡航・滞在における一般犯罪等に対する注意事項については,安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=002 )を併せてご参照ください。
滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
また,渡航に際しては,あらかじめ,日本国外務省,在インドネシア日本国大使館又は各総領事館,現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めるとともに,万一,事件・事故等に巻き込まれた場合には,在インドネシア日本国大使館や総領事館へご連絡ください。
(1)在留届,たびレジ
海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
(2)イスラム教では,金曜日が集団礼拝の日とされており,その機会を利用して,政治的スピーチやデモが行われ,それが大規模化,暴徒化する場合があります。また,その際,モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもありますので,特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしてください。
(3)一般犯罪については,刃物や銃器を使用した強盗,パンク強盗,路上でのひったくり,ホテル内のロビーやレストランでの置き引き,押し売り,車上荒らし,タクシー強盗,路線バス内での集団スリ等による被害が依然として後を絶ちません。最近では,深夜・早朝便を使用するため市内をタクシーで移動中などに,警察官や入管職員を名乗る者からパスポート・身分証明書などの原本の提示を求められ,応じられないときには法外な金銭を要求されるケースが報告されています。また,一般住宅では,強盗,空き巣等の被害が見受けられます。万が一,このような犯罪に巻き込まれた場合には,犯人の要求に抵抗することなく,自身の生命の安全を第一に考え,犯人の要求に抵抗しないことが重要です。
(4)上記1(3)のとおり,インドネシアでは,2005年に鳥インフルエンザ(A/H5N1)のヒトへの感染例が確認されて以降,現在に至るまで,継続して感染例が確認されています。養鶏場,鳥を扱う市場,観賞用鳥店,動物園,家禽類飼育家庭などに不用意・無警戒に立ち寄らず,接触を避けてください。特に,鳥類の死体,内臓,排泄物には接触しないでください。また,鶏肉や卵を調理する際には十分に加熱してください。念のため,人混みへの立入りは最小限にし,外出後には手洗い,うがいなどの通常の感染症予防対策を励行してください。高熱,全身倦怠感,呼吸器症状等が出た場合には,ためらわず最寄りの信頼できる医療機関を受診してください。今後,ヒトからヒトへの感染が発生・拡大するような状況になる可能性も排除されませんので,その場合には,出入国や物流の制限が生じ,社会生活に大きな影響が及ぶおそれがあるため,最新の情報を入手するように努めてください。
(5)インドネシアにおける狂犬病の感染例については,ジャカルタ特別州,ジョグジャカルタ特別州等一部地域を除く全国で確認されています。特に感染例の多いバリ州,北スマトラ州ニアス県及びマルク州東南マルク県の3地域では,2011年2月に狂犬病に関する非常事態が宣言されました。インドネシア全体で2013年もイヌ等による咬傷の報告数は約7万件,狂犬病を発症し死亡した人も119名,2014年についても死亡者は98名と依然として多数の死亡例が報告されています。狂犬病はイヌだけでなく,サル,ネコ,リス等の哺乳類やコウモリからも感染する可能性があります。狂犬病は発症すると,致死率はほぼ100%という怖い病気です。飼い犬を含め,動物にはむやみに手を出さないよう,特にお子さんには注意してください。もし狂犬病のおそれのある動物にかまれたり,ひっかかれたりした場合は,まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し,速やかに医療機関を受診し,暴露後ワクチンの接種を受けてください。なお,事前に狂犬病予防接種を受けていない方は,暴露後ワクチンとあわせて抗狂犬病免疫グロブリンの接種も有効とされていますが,インドネシア国内で入手できないこともあります。
(6)渡航に際して常用薬を多量に持参される方は,入国審査等の際に無用の誤解やトラブルを避けるためにも,念のため事前に治療薬の処方箋(英文・写真入り等)を用意するなどの対策を講じ,不明な点はジャカルタ空港検疫所(電話番号:+62-21-550-6068)にお問い合わせください。
(7)1998年5月,アジア通貨危機をきっかけに,ジャカルタを中心に暴動が発生し,約9千人の邦人の方が,短期間に,商用航空臨時便,政府チャーター機で国外退避しました。このように,インドネシア国内どの地域にお住まいであっても,不測の事態に備え,食料,飲料水を備蓄しておくとともに,パスポート,貴重品,衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておき,さらに,退避手段についても常時確認しておいてください。また,家族のその日の行動は家族全員が相互に把握し,非常時に落ち合う場所を確認しておくとともに,家族にも携帯電話を持たせるなど,いつでも連絡が取れるような対策を講じてください。
(8)自然災害
2004年12月,スマトラ島沖を震源とするマグニチュード9.1の大地震,津波が発生し,甚大な被害をもたらしました。2016年9月にはロンボク島バルジャリ火山が噴火したなど,インドネシアでは,地震,火山活動等の自然災害の発生が少なくありません。自然災害が発生した際,航空機や船などの交通機関がストップしたり,また電話やインターネットが不通となるなど,外部との連絡が寸断され,さらには物資の供給が十分にできなくなります。したがって,緊急備蓄品(食料や飲料水(10日~2週間分程度)に加え,懐中電灯,ライター,ろうそく,携帯ラジオ,予備の電池等)を準備するなど,日頃から自然災害に対する警戒は怠らないようにするとともに,テレビ,ラジオやインターネット等で常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T050.html
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