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[NEWS]ハイチの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年05月17日
全土:「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」(継続)
【ポイント】
●ハイチでは特に主要都市において殺人や誘拐等の凶悪事件が発生しています。不要不急の渡航は止めてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1.概況
(1)ハイチの治安は,2010年の震災により,悪化した時期もありましたが,国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)及びハイチ国家警察(PNH)による治安維持活動が奏功し,現在のところ比較的落ち着いています。しかし,主要都市では殺人や誘拐等の凶悪事件は継続して発生しており,司法制度が十分に機能していない状況の中,銃器へのアクセスが容易であるため凶悪犯罪の危険性は高いと言えます。
(2)ハイチは,中南米の最貧国と言われており,また貧富の差も大きく,特に都市部ではスラム街が形成されています。また,長引く高インフレと通貨グルド安は,特に低所得者層に多大な苦慮を与え,生活苦による社会不安の要因ともなっています。このような状況に対する不満も背景に,人口の大部分を占める貧しい人々は,デモ等で不満をぶつけたり,犯罪に訴える場合も少なくありません。
(3)一般犯罪,凶悪犯罪に加えて,国政選挙に対する不満や政党間の抗争によるデモ等も発生しています。2017年2月7日をもって大統領選挙ほか一連の選挙に一区切りがつき,右に伴う各種デモ行動はほぼ収まりましたが,引き続き改選選挙等,政局によっては盛り返す可能性もあり留意が必要です。
(4)ハイチにおいて,日本人を対象としたテロ等の差し迫った危険性は確認されていません。他方,近年,シリアやチュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(5)13年間駐留してきたMINUSTAHは,PNHと連携してハイチの安定化,治安維持に貢献してきました。しかし,2017年秋(10月)に向けて撤収の方向性が示されており,今後同部隊のプレゼンスは縮小していくことが予想されています。直接的な治安情勢に対する影響は直ちには想定されませんが,最近の情勢に留意してください。
2.地域別情勢
全土:「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」(継続)
(1)PNHは,2012年から2016年までの5年計画により,警察官を約8,000人から約15,000人にまで増員したほか,今後も継続して増強していく方針であり,治安維持能力の向上が見受けられます。
また,MINUSTAHが通算13年にわたってハイチに駐留し,ギャング掃討作戦や治安維持活動を行ったことなどが奏功し,2010年の震災復興の遅れなどから悪化していたポルトープランス市及びシテ・ソレイユ市の治安は改善傾向にあり,震災直後の2011年と比べ,誘拐・強盗の発生件数は減少しています。
(2)他方,ハイチ最大のスラム街であるシテ・ソレイユ市ボストン地区及びブルックリン地区周辺,首都ポルトープランス市ベル・エール地区及びマルティッサン地区やカルフール・フイユ地区等は依然として犯罪者の集結地帯となっており,殺人・強盗・誘拐・強姦等の凶悪犯罪やギャング同士による銃撃戦等の抗争が発生しています。また,同地域においては,治安当局による犯罪者等の掃討作戦が日中でも実施されており,市民が巻き込まれる可能性もあるため,これらスラム街地域へは立ち入らないでください。
(3)首都ポルトープランス市等では,国政選挙に対する不満や政党間の抗争,生活環境の改善等を求めるデモが発生し,逸脱した行為に対してPNH等が鎮圧に乗り出すといった事案も発生しています。また,首都圏で発生するデモ隊行進の起点及び終点となることが多い,ポルトープランス市のシャン・ド・マルス広場周辺は,首都圏から地方へ向かう主要道路の交差地点であることから,占拠された際は一時的に都市機能が麻痺してしまう危険性がありますので特に注意が必要です。
(4)犯罪の発生率の高さはもとより,同時に司法制度が未熟・未整備であることも社会生活上の不安要因となっています。特徴としては,約80%の犯罪が都市部に集中していることが挙げられ,殺人,強盗,誘拐,婦女暴行等の凶悪犯罪は,スラム街等で特に多く発生しています。なお,強盗や誘拐といった犯罪については,ハイチ人の富裕層だけでなく,外国人が対象となることもあります。また,銃器,麻薬等へのアクセスも容易で,強盗・殺人事案等が頻発しています。
(5)国政選挙に対する不満に起因する衝突や政党間の抗争,生活環境の改善を求めるデモやロードブロック,投石等が全国的に発生しています。PNH及びMINUSTAHが鎮圧に乗り出し,一般市民がデモ隊と治安当局の衝突に巻き込まれる事案も発生しています。
(6)交通事情についても,車検制度がないため,非整備・不良整備車両が多く,また路面も荒れており,無謀な運転が多くみられ,交通ルールの遵守もまちまちのため,交通事故も頻発しています。病院,医師,設備,薬剤の絶対的な不足,処置の遅延,技術の未熟,衛生環境の問題等から,応急処置以上の医療は期待できません。
つきましては,ハイチへの不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに,安全確保のため準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。
3.滞在に当たっての注意
(防犯対策ほかについての詳細は,安全対策基礎データ及び安全の手引きも御活用ください。)
(1)全般向けの注意事項
ア 上述のとおり,ハイチの治安情勢は一部では改善がみられるものの,依然として不安定であることから,国内全域における陸路による移動は危険です。やむを得ない事情でハイチに渡航・滞在する方は,必ず渡航前に,十分な警備対策が講じられている宿泊施設を確保するとともに,運転手付きレンタカー及び身辺警護員を手配するなど,十分な安全対策をとってください(入国前にたびレジへの登録を行い,併せて,入国前又は入国次第すぐにハイチでの緊急連絡先を在ハイチ日本国大使館に連絡してください)。
イ ハイチの治安は,日没以降や深夜等の時間帯により状況は大きく変わります。一般的に夜間は事件や交通事故が多発しているため,ごく一部の富裕地域等を除き,日没以降の移動や滞在,活動は極力避けることが賢明です。特に午前0時~午前5時頃には場所を問わずPNH及びMINUSTAHによる犯罪者等の掃討作戦に巻き込まれる危険性があるので,外出は控えてください。また,単独での移動・行動はさらに危険度を高めますので,可能な限り複数での行動を心がけるようにしてください。
なお,日中であっても徒歩による移動は避けた方が無難です。徒歩で駐車場所へ移動している間に誘拐されるケースも見られますので,駐車場所にも注意してください。スラム街は,一般のハイチ人でさえ近づかないので,絶対に近寄らないでください。
ウ 空港では外国人渡航者を狙った犯罪が多いため,現地に知人等がいる方は空港送迎を依頼してください。また,タクシー(空港指定業者を含む)の台数は少なく,車両の安全性にも問題がある上,法外な金額を要求してきたり,交渉後に別途料金を請求したりする場合も見受けられますので,タクシーの利用はお勧めできません。
また,公共交通機関として,乗合バス,バイクタクシーや船舶が存在しますが,整備状況が劣悪であり,交通事故及び沈没事故も発生していますので,利用はお勧めできません。
地方へ向かう幹線道路は路面状況が悪い上,特に夜間・早朝の交通量の少ない時間帯には,整備不良の車両がスピードを出して走行しているため,大規模な交通事故に巻き込まれる可能性があります。また,事故を起こした際には,周辺住民が加害者に対して制裁的に集団暴行を加える危険性もあります。自ら運転することを避け,信頼のおける運転手付の車両を利用するなど,十分な安全対策を講じる必要があります。
エ 地域によっては,強盗・誘拐・殺人・強姦等の凶悪事件が日常化しています。特に誘拐事件は,時間帯・性別・年齢を問わず被害に遭う可能性があることから,不要不急の外出や単独での外出は控える,移動に際し身辺警護員を付けるなど,安全確保に十分注意してください。誘拐から自分自身と家族の安全を守る心構えとして,「目立たない」,「用心を怠らない」,「行動を予知されない」の三原則を念頭に,日常における予防を忘れないでください。また,「移動時間や経路を変更する」,「外出や帰宅時に,不審者や不審車両が見あたらないかチェックする」,「目的地から離れた場所に駐車しない」などの注意が必要です。(詳細はホームページ「海外における誘拐対策Q&A」( http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )を参照してください。)
また,強盗被害は交差点での停車時,銀行や両替所,現金自動引出機(ATM)付近の路上等のほか,空港近辺で夜間発着の航空便の乗客を狙った犯行もあり,不用意に路上等で金銭や高級品等を持っていることを想起させないことが重要です。
オ 外出中に騒動等不測の事態に遭遇した場合は,速やかにその場を離れ,安全が確保できる最寄りのホテル等へ移動し,事態が収拾するまで待機し,在ハイチ日本国大使館と連絡を取り合うようにしてください。身動きが取れず緊急を要する事態の際は,デモ隊を監視している警察又は路上に駐在する警察官に助けを求めるようにしてください。
カ ハイチの病院は,医師,医療設備及び薬剤等が不足しているため,難しい病気や手術が必要となった場合は,米国のマイアミ等に移送され,治療を受けることが望ましい場合もあります。このため,緊急移送サービスの付いた十分な補償内容の海外旅行傷害保険に加入されることをお勧めします。また,特に首都圈以外では,応急的な治療さえも受けることが難しいため,首都圏から離れた場所への渡航についてはその是非につき改めて真剣に検討し,その上でなお渡航する場合には,体調を万全にし,常備薬や緊急時の交通手段を確保しておくなど,安全対策を十分に心がけてください。
キ 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)を対象に,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日より,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の安否照会連絡などの受け取りが可能ですので,是非御活用ください。
ク 不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の治安情報の入手に努めるとともに,不要不急の外出や単独での外出は控え,安全確保に十分注意してください。
ケ 基礎インフラ(電気,上下水,通信,道路)が極めて脆弱です。1日の通電時間は約4時間程度しかなく,非通電時間帯は水の供給も停止する場合もあります。このため,発電機を備え付けた一部のホテル・住居以外ではトイレの使用もできなくなります。また,雨季に頻発する豪雨により河川が増水し,道路が遮断されるなど,予期せぬ事態に遭遇することもあります。倒れた電柱・切れた電線などには高圧電流が流れている場合があり,大変危険ですので決して近づかないように注意してください。
コ 2010年10月以降,コレラがたびたび流行しています。飲料水は常にミネラルウォーターを利用し,食事の際は十分加熱したものを食べる等を心がけてください。
サ 「在外公館医務官情報( http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/haiti.html )」において,ハイチ国 内の衛生・医療事情等を案内していますので,渡航前には必ずご覧ください。
その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報( http://www.forth.go.jp/ )
(2)長期滞在者向けの注意事項
ア 現地に3か月以上滞在する方は,緊急時の連絡等に必要となりますので,到着後遅滞なく在ハイチ日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届け出事項に変更が生じたとき又はハイチを去る(一時的な旅行を除く。)ときは,必ずその旨を届け出てください。なお,在留届は,オンラインでどこからでも登録できる在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,登録用紙を在ハイチ日本国大使館まで送付してください。
イ 90日以内の一般観光目的での滞在には査証取得の必要はありませんが,目的,期間に応じて滞在許可の取得,更新が必要となりますので,自身の目的に応じた手続きについてあらかじめ調査しておくことが必要です。
ウ 住居を選ぶ際には,周囲の治安状況,建物の警備状況,電気や水の供給設備をよく検討してください。ホテルに滞在する場合も,常時武装警備員が配置されている等,警備レベルの高いホテルを選んでください。
エ 不測の事態に備え,食糧,飲料水を備蓄しておくとともに,パスポート,貴重品,衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておき,更に退避手段についても常時確認しておいてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T040.html
【ポイント】
●ハイチでは特に主要都市において殺人や誘拐等の凶悪事件が発生しています。不要不急の渡航は止めてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1.概況
(1)ハイチの治安は,2010年の震災により,悪化した時期もありましたが,国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)及びハイチ国家警察(PNH)による治安維持活動が奏功し,現在のところ比較的落ち着いています。しかし,主要都市では殺人や誘拐等の凶悪事件は継続して発生しており,司法制度が十分に機能していない状況の中,銃器へのアクセスが容易であるため凶悪犯罪の危険性は高いと言えます。
(2)ハイチは,中南米の最貧国と言われており,また貧富の差も大きく,特に都市部ではスラム街が形成されています。また,長引く高インフレと通貨グルド安は,特に低所得者層に多大な苦慮を与え,生活苦による社会不安の要因ともなっています。このような状況に対する不満も背景に,人口の大部分を占める貧しい人々は,デモ等で不満をぶつけたり,犯罪に訴える場合も少なくありません。
(3)一般犯罪,凶悪犯罪に加えて,国政選挙に対する不満や政党間の抗争によるデモ等も発生しています。2017年2月7日をもって大統領選挙ほか一連の選挙に一区切りがつき,右に伴う各種デモ行動はほぼ収まりましたが,引き続き改選選挙等,政局によっては盛り返す可能性もあり留意が必要です。
(4)ハイチにおいて,日本人を対象としたテロ等の差し迫った危険性は確認されていません。他方,近年,シリアやチュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(5)13年間駐留してきたMINUSTAHは,PNHと連携してハイチの安定化,治安維持に貢献してきました。しかし,2017年秋(10月)に向けて撤収の方向性が示されており,今後同部隊のプレゼンスは縮小していくことが予想されています。直接的な治安情勢に対する影響は直ちには想定されませんが,最近の情勢に留意してください。
2.地域別情勢
全土:「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」(継続)
(1)PNHは,2012年から2016年までの5年計画により,警察官を約8,000人から約15,000人にまで増員したほか,今後も継続して増強していく方針であり,治安維持能力の向上が見受けられます。
また,MINUSTAHが通算13年にわたってハイチに駐留し,ギャング掃討作戦や治安維持活動を行ったことなどが奏功し,2010年の震災復興の遅れなどから悪化していたポルトープランス市及びシテ・ソレイユ市の治安は改善傾向にあり,震災直後の2011年と比べ,誘拐・強盗の発生件数は減少しています。
(2)他方,ハイチ最大のスラム街であるシテ・ソレイユ市ボストン地区及びブルックリン地区周辺,首都ポルトープランス市ベル・エール地区及びマルティッサン地区やカルフール・フイユ地区等は依然として犯罪者の集結地帯となっており,殺人・強盗・誘拐・強姦等の凶悪犯罪やギャング同士による銃撃戦等の抗争が発生しています。また,同地域においては,治安当局による犯罪者等の掃討作戦が日中でも実施されており,市民が巻き込まれる可能性もあるため,これらスラム街地域へは立ち入らないでください。
(3)首都ポルトープランス市等では,国政選挙に対する不満や政党間の抗争,生活環境の改善等を求めるデモが発生し,逸脱した行為に対してPNH等が鎮圧に乗り出すといった事案も発生しています。また,首都圏で発生するデモ隊行進の起点及び終点となることが多い,ポルトープランス市のシャン・ド・マルス広場周辺は,首都圏から地方へ向かう主要道路の交差地点であることから,占拠された際は一時的に都市機能が麻痺してしまう危険性がありますので特に注意が必要です。
(4)犯罪の発生率の高さはもとより,同時に司法制度が未熟・未整備であることも社会生活上の不安要因となっています。特徴としては,約80%の犯罪が都市部に集中していることが挙げられ,殺人,強盗,誘拐,婦女暴行等の凶悪犯罪は,スラム街等で特に多く発生しています。なお,強盗や誘拐といった犯罪については,ハイチ人の富裕層だけでなく,外国人が対象となることもあります。また,銃器,麻薬等へのアクセスも容易で,強盗・殺人事案等が頻発しています。
(5)国政選挙に対する不満に起因する衝突や政党間の抗争,生活環境の改善を求めるデモやロードブロック,投石等が全国的に発生しています。PNH及びMINUSTAHが鎮圧に乗り出し,一般市民がデモ隊と治安当局の衝突に巻き込まれる事案も発生しています。
(6)交通事情についても,車検制度がないため,非整備・不良整備車両が多く,また路面も荒れており,無謀な運転が多くみられ,交通ルールの遵守もまちまちのため,交通事故も頻発しています。病院,医師,設備,薬剤の絶対的な不足,処置の遅延,技術の未熟,衛生環境の問題等から,応急処置以上の医療は期待できません。
つきましては,ハイチへの不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに,安全確保のため準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。
3.滞在に当たっての注意
(防犯対策ほかについての詳細は,安全対策基礎データ及び安全の手引きも御活用ください。)
(1)全般向けの注意事項
ア 上述のとおり,ハイチの治安情勢は一部では改善がみられるものの,依然として不安定であることから,国内全域における陸路による移動は危険です。やむを得ない事情でハイチに渡航・滞在する方は,必ず渡航前に,十分な警備対策が講じられている宿泊施設を確保するとともに,運転手付きレンタカー及び身辺警護員を手配するなど,十分な安全対策をとってください(入国前にたびレジへの登録を行い,併せて,入国前又は入国次第すぐにハイチでの緊急連絡先を在ハイチ日本国大使館に連絡してください)。
イ ハイチの治安は,日没以降や深夜等の時間帯により状況は大きく変わります。一般的に夜間は事件や交通事故が多発しているため,ごく一部の富裕地域等を除き,日没以降の移動や滞在,活動は極力避けることが賢明です。特に午前0時~午前5時頃には場所を問わずPNH及びMINUSTAHによる犯罪者等の掃討作戦に巻き込まれる危険性があるので,外出は控えてください。また,単独での移動・行動はさらに危険度を高めますので,可能な限り複数での行動を心がけるようにしてください。
なお,日中であっても徒歩による移動は避けた方が無難です。徒歩で駐車場所へ移動している間に誘拐されるケースも見られますので,駐車場所にも注意してください。スラム街は,一般のハイチ人でさえ近づかないので,絶対に近寄らないでください。
ウ 空港では外国人渡航者を狙った犯罪が多いため,現地に知人等がいる方は空港送迎を依頼してください。また,タクシー(空港指定業者を含む)の台数は少なく,車両の安全性にも問題がある上,法外な金額を要求してきたり,交渉後に別途料金を請求したりする場合も見受けられますので,タクシーの利用はお勧めできません。
また,公共交通機関として,乗合バス,バイクタクシーや船舶が存在しますが,整備状況が劣悪であり,交通事故及び沈没事故も発生していますので,利用はお勧めできません。
地方へ向かう幹線道路は路面状況が悪い上,特に夜間・早朝の交通量の少ない時間帯には,整備不良の車両がスピードを出して走行しているため,大規模な交通事故に巻き込まれる可能性があります。また,事故を起こした際には,周辺住民が加害者に対して制裁的に集団暴行を加える危険性もあります。自ら運転することを避け,信頼のおける運転手付の車両を利用するなど,十分な安全対策を講じる必要があります。
エ 地域によっては,強盗・誘拐・殺人・強姦等の凶悪事件が日常化しています。特に誘拐事件は,時間帯・性別・年齢を問わず被害に遭う可能性があることから,不要不急の外出や単独での外出は控える,移動に際し身辺警護員を付けるなど,安全確保に十分注意してください。誘拐から自分自身と家族の安全を守る心構えとして,「目立たない」,「用心を怠らない」,「行動を予知されない」の三原則を念頭に,日常における予防を忘れないでください。また,「移動時間や経路を変更する」,「外出や帰宅時に,不審者や不審車両が見あたらないかチェックする」,「目的地から離れた場所に駐車しない」などの注意が必要です。(詳細はホームページ「海外における誘拐対策Q&A」( http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )を参照してください。)
また,強盗被害は交差点での停車時,銀行や両替所,現金自動引出機(ATM)付近の路上等のほか,空港近辺で夜間発着の航空便の乗客を狙った犯行もあり,不用意に路上等で金銭や高級品等を持っていることを想起させないことが重要です。
オ 外出中に騒動等不測の事態に遭遇した場合は,速やかにその場を離れ,安全が確保できる最寄りのホテル等へ移動し,事態が収拾するまで待機し,在ハイチ日本国大使館と連絡を取り合うようにしてください。身動きが取れず緊急を要する事態の際は,デモ隊を監視している警察又は路上に駐在する警察官に助けを求めるようにしてください。
カ ハイチの病院は,医師,医療設備及び薬剤等が不足しているため,難しい病気や手術が必要となった場合は,米国のマイアミ等に移送され,治療を受けることが望ましい場合もあります。このため,緊急移送サービスの付いた十分な補償内容の海外旅行傷害保険に加入されることをお勧めします。また,特に首都圈以外では,応急的な治療さえも受けることが難しいため,首都圏から離れた場所への渡航についてはその是非につき改めて真剣に検討し,その上でなお渡航する場合には,体調を万全にし,常備薬や緊急時の交通手段を確保しておくなど,安全対策を十分に心がけてください。
キ 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)を対象に,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日より,外務省海外旅行登録(「たびレジ」)の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録された方は,滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の安否照会連絡などの受け取りが可能ですので,是非御活用ください。
ク 不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の治安情報の入手に努めるとともに,不要不急の外出や単独での外出は控え,安全確保に十分注意してください。
ケ 基礎インフラ(電気,上下水,通信,道路)が極めて脆弱です。1日の通電時間は約4時間程度しかなく,非通電時間帯は水の供給も停止する場合もあります。このため,発電機を備え付けた一部のホテル・住居以外ではトイレの使用もできなくなります。また,雨季に頻発する豪雨により河川が増水し,道路が遮断されるなど,予期せぬ事態に遭遇することもあります。倒れた電柱・切れた電線などには高圧電流が流れている場合があり,大変危険ですので決して近づかないように注意してください。
コ 2010年10月以降,コレラがたびたび流行しています。飲料水は常にミネラルウォーターを利用し,食事の際は十分加熱したものを食べる等を心がけてください。
サ 「在外公館医務官情報( http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/haiti.html )」において,ハイチ国 内の衛生・医療事情等を案内していますので,渡航前には必ずご覧ください。
その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報( http://www.forth.go.jp/ )
(2)長期滞在者向けの注意事項
ア 現地に3か月以上滞在する方は,緊急時の連絡等に必要となりますので,到着後遅滞なく在ハイチ日本国大使館に「在留届」を提出してください。また,住所その他の届け出事項に変更が生じたとき又はハイチを去る(一時的な旅行を除く。)ときは,必ずその旨を届け出てください。なお,在留届は,オンラインでどこからでも登録できる在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また,郵送,FAXによっても行うことができますので,登録用紙を在ハイチ日本国大使館まで送付してください。
イ 90日以内の一般観光目的での滞在には査証取得の必要はありませんが,目的,期間に応じて滞在許可の取得,更新が必要となりますので,自身の目的に応じた手続きについてあらかじめ調査しておくことが必要です。
ウ 住居を選ぶ際には,周囲の治安状況,建物の警備状況,電気や水の供給設備をよく検討してください。ホテルに滞在する場合も,常時武装警備員が配置されている等,警備レベルの高いホテルを選んでください。
エ 不測の事態に備え,食糧,飲料水を備蓄しておくとともに,パスポート,貴重品,衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておき,更に退避手段についても常時確認しておいてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T040.html
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