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[NEWS]ブラジルの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年05月10日
●ブラジリア連邦区,大サンパウロ圏及びカンピーナス市,大リオ圏,大マナウス圏,大ベレン圏,大レシフェ圏,大サルバドル圏,大ビトリア圏,大クリチバ圏,ポルトアレグレ市
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
【ポイント】大都市に限らず殺人,強盗等の凶悪犯罪が発生しているので,渡航には十分注意してください。
☆詳細については,以下の内容をよくお読みください。
1.概況
(1)ブラジルにおいては,所得格差による貧困,麻薬の売買等に起因する殺人,強盗等の凶悪犯罪が発生しています。世界的に見てもブラジルの犯罪発生率は非常に高く,日本人も被害に遭っています。また,多くの犯罪には,拳銃等の銃器が使用されており,抵抗すれば,殺害される可能性も非常に高くなりますので,注意する必要があります。凶悪犯罪は,大都市だけでなく,地方都市や日系団体等所在地及び日本人居住区においても発生しています。
(2)麻薬の売買に絡んだ組織的な犯罪も発生しており,特にリオデジャネイロ圏及びサンパウロ圏などのファベーラ(スラム街)を活動拠点とする犯罪組織間の抗争事件又はこれら組織と治安当局との間の銃撃戦が後を絶たない状況です。ファベーラ周辺では,流れ弾等により,一般市民の犠牲者も出ています。
(3)窃盗事件も多発しており,空港やホテルのロビー等での観光客を狙ったスリや置き引き,歩行者に対するひったくり,銀行等のATMや店舗でのカード利用時におけるスキミング被害が後を絶たず,日本人も被害に遭っています。常に周囲を警戒し,荷物から目を離すことなく,カードの利用時にはATMのカード挿入口に異常がないか確認するとともに,店員が不審な行動をとらないよう注意する必要があります。
(4)ブラジルにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,ロンドン,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
ブラジリア連邦区,サンパウロ州大サンパウロ圏及びカンピーナス市,リオデジャネイロ州大リオ圏,アマゾナス州大マナウス圏,パラー州大ベレン圏,ペルナンブコ州大レシフェ圏,バイア州大サルバドル圏,エスピリトサント州大ビトリア圏,パラナ州大クリチバ圏,リオグランデドスール州ポルトアレグレ市
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
以下の地域に渡航・滞在を予定している方,又は既に滞在中の方は,安全対策を強化し,必ず報道やインターネット等から最新の現地治安情報を入手し,自らの安全確保に努めるとともに,以下の情勢に留意し,犯罪等に巻き込まれることのないよう十分注意してください。
(1)ブラジリア連邦区(在ブラジル日本国大使館管轄)
ア ブラジリア連邦区では,殺人,強盗等の凶悪犯罪の発生件数が近年増加しています(ブラジル連邦区の公安局の統計では,2016年におけるブラジリア連邦区での殺人件数は588件,強盗等の合計は63,490件)。発生率ではブラジルの他の治安の悪い地域と同等となっています。
イ プラノピロットと呼ばれる地域においては,その中心部であるバスターミナル周辺,ショッピングセンターの駐車場及びホテル地区において,短時間誘拐や強盗などの凶悪犯罪が特に発生しているため,徒歩での移動,夜間やひと気のない場所等への外出は控えてください。また,バスターミナル周辺では麻薬の売買等も行われており,ブラジリア連邦区での2016年における検挙数は約8000件となっています。最近では日本人が多数居住する地域においても,自宅強盗が増加しています(2016年には919件もの住居侵入強盗が発生しております)。
ウ 周辺都市でも,貧困及び麻薬を起因とした犯罪発生率が高く,移動の際には事前に情報を収集する等の安全対策が必要です。特に,アグアスリンダス市,パライーゾ市,ガマ市及びセイランジア市においては,犯罪発生率が極めて高く,十分注意が必要です。
(2)サンパウロ州大サンパウロ圏及びカンピーナス市(在サンパウロ日本国総領事館管轄)
ア サンパウロ州保安局が公表した2016年中の犯罪統計では,殺人事件は減少傾向にあるものの,凶悪犯罪を含め全体的な犯罪発生件数が昨年に比べて増加しています。日本人が強盗及び窃盗の被害に遭うこともあります。
イ 信号待ちの歩行者や渋滞等停車中の車両利用者を狙った拳銃使用の路上強盗事件等の犯罪が,パウリスタ大通りや,東洋人街として知られるリベルダージ等日本人の生活圏でも発生しており,日本人も被害に遭っています。特に,今年に入り,サンパウロ市リベルダージ地区で両替を行った邦人が強盗被害に遭う事案が連続しており,被害者が亡くなるケースも発生しています。両替にあたっては,このような被害状況を十分認識し,慎重に行動するとともに,万一強盗に遭ったら身の安全を最優先に行動する必要があります。
ウ 近年,携帯電話の強盗及び窃盗事件が増加傾向にあり,パウリスタ大通りや市内中心部の人通りの多い場所でも被害に遭っています。また,セントロ地区では,定期的に薬物事犯の一斉捜査が行われ,その結果薬物常習者が周辺地域に流れ込んだ可能性もあり,リベルダージ地区やパウリスタ大通りのジャルジン地区等においても注意が必要です。
エ スリ及びひったくり等が発生しており,日本人も被害に遭っています。住宅に対する銃器を使用した強盗事件が散発し,日本人が居住するアパートでも被害が発生しています。また,繁華街においては夜間に営業中のレストランの飲食客を狙った集団強盗事件も多発し,邦人被害も発生しています。その他,ショッピングセンター内の高級装飾品店等に対する武装グループによる強奪もたびたび発生しています。
オ 「短時間誘拐」が多発しています。さらに,被害者が抵抗したため犯人が拳銃を発砲するケースが散見されています。
これらの犯罪は時間帯や場所を問わず発生しており,そのほとんどが拳銃等の銃器を使用した凶悪犯罪であるため,被害者の抵抗等を受けた犯人が発砲したり,警察官との銃撃戦となるケースもあることから,周囲の状況に気を配るなどして巻き込まれることのないよう注意をお願いします。
(3)リオデジャネイロ州大リオ圏(在リオデジャネイロ日本国総領事館管轄)
ア リオデジャネイロ州では,拳銃・自動小銃・機関銃・手りゅう弾等を使用した強盗,殺人等の凶悪犯罪が頻発しています。特に,リオデジャネイロ市を中心とした大リオ圏に点在する約1,000か所におよぶスラム街(ファベーラ)で麻薬密売組織が暗躍し,勢力争い等による銃撃戦に発展することがあります。これらの抗争に加えて麻薬密売組織に対する警察の摘発作戦においても銃撃戦となっており,一般市民が流れ弾によって死傷することがあります。2016年9月にも,邦人の居住区から近いサンタテレザ地区周辺で銃撃戦があり,複数名が死亡したほか,逃走した被疑者によって一般人が怪我をする事件が発生しています。
イ リオデジャネイロ州公安局の犯罪統計によれば,リオ市内における2015年中の犯罪認知件数は2012年に比べ9.1%(31,665件)増加しており,特に強盗事件が49.3%(26,991件)増加しています。強盗事件総数は81,740件で,リオ市民の約80人に1人が強盗被害に遭った計算となります。
ウ 旧市街地であるセントロ地区において,休日,夜間を中心に強盗事件が発生しています。特にセントロ地区内有数の観光地である水道橋前広場,カテドラル(大聖堂)周辺において,少年グループに囲まれて所持品を強奪される邦人被害が多発しており,平日であっても,ひと気のない時間帯におけるセントロ地区での移動及び観光には注意が必要です。
エ 比較的治安情勢が良好とされてきた南部地区(ゾナ・スール)においても路上強盗やスリ,ひったくりなどの犯罪が発生しており,無警戒な観光客が標的となっています。本年3月には,南部地区の高級住宅街であるイパネマ地区の海岸付近で,カーニバル観光に訪れていた外国人観光客が殺傷される事件が発生しました。
オ スマートフォン,カメラ等を狙った強盗が急増しています。本年1月にはイパネマ地区で邦人2名が凶器を所持した男2名に襲われ、強取される事件が発生したほか、同月コパカバーナ海岸において,邦人がひったくり,スリなどの被害が発生しています。外出の際には、なるべくスマートフォン等を所持していることが分からないよう,鞄やポケットの中に収納しておくなどの対策が必要です。
カ ショッピングセンターの宝石店を狙った強盗事件,海岸線,国際空港への幹線道路及び地下鉄内における集団強盗,更には繁華街における銃撃戦等が発生しています。
そのほか,特に週末の午後の時間帯を中心に,イパネマ海岸をはじめとした市内各ビーチ及びその周辺において「アハスタウン(地引き網)」と呼ばれる集団強盗事件が発生しており,海水浴時には,「貴重品をなるべく持ち歩かない」,「持ち物から目を離さない」等の対策が必要です。
強盗事件に抵抗又は逃走しようとした際に攻撃を受ける危険性は高いので,万が一,強盗に遭った場合には,決して抵抗することなく,相手の要求に素直に応じるようにしてください。
(4)アマゾナス州大マナウス圏(在マナウス日本国総領事館管轄)
ア アマゾナス州公安局が公表した2016年マナウス市犯罪件数総数は98,816件で,前年と比べ5.80%(▲6,079件)減少しています。しかし依然として犯罪発生率は高い数値を保持しており,犯罪件数総数の内の約7割は殺人,強盗,窃盗事件で占められ,強盗事件だけでも,マナウス市の人口約200万人に対し,年間4万件を超えています(1年間でマナウス市民約50人に1人が被害に遭う確率)。2016年の初めにメキシコのNGOによって発表された「世界で最も危険な都市ランキング50」において23位となっています。
イ 大マナウス圏(マナウス市及び周辺諸都市からなる大都市圏)においては,マナウス市内を中心に拳銃等の銃器を使用した殺人,強盗が発生しています。近年は市内大通りや週末などに多くの市民が集う歩行者天国において「アハスタウン(地引き網)」と呼ばれる集団による強盗事件や突発的なバス車内での強盗が頻発しております。また,これまで比較的治安が良いとされていた市内中南部においても,2016年7月には在留邦人が経営するパン店にて3人組の強盗が押し入り,警備員と銃撃戦にまで発展しています。このような銃撃戦は場所,時間を問わず発生するため,十分な注意が必要です。
ウ マナウス市はコロンビア等から流入する麻薬ルートの中継地点と言われており,現在,発生している凶悪犯罪の多くは麻薬取引に関連したものです。2017年1月にマナウス市北部近郊の刑務所で発生した大規模虐殺及び集団脱獄事件は,麻薬に絡む犯罪組織間の対立によるもので,今後各地で争いの激化が懸念されます。特に市内北部や東部は麻薬組織の潜伏エリアとされておりますので,同地域周辺には近づかないで下さい。また,麻薬使用者が麻薬購入のための金欲しさに強盗を犯すケースも増加していますので,外出の際は不審者が周囲にいないか等,常に警戒を怠らずに行動してください。
上記地区以外でも,マナウス港を含むセントロ地区では強盗,スリ,ひったくりなどの犯罪が発生しており,日本人も被害に遭っていますので,路上や施設内外においての携帯電話を含む貴重品の管理にも十分注意してください。
(5)パラー州大ベレン圏(在ブラジル日本国大使館及び在ベレン領事事務所管轄)
ア パラー州では銃火器を使用した凶悪犯罪が発生しており,公安局の犯罪統計によれば,強盗,窃盗,強盗殺人,殺人が特に増加傾向にあり,これまで比較的安全な場所とされていた市内の大型ショッピングセンター内においても発生しています。
イ 大ベレン圏内(ベレン市及び周辺大都市)で路上強盗,車両減速時や停車時を狙った強盗,短時間誘拐,バス車内での強盗,人質立てこもり,キャッシュカード等のスキミング,銀行で現金を引き出した者を狙った強盗(SAIDINHA)が発生しており,日本人も被害に遭っています。これらの犯罪は,場所や時間を問わず発生していますが,特に人通りが少なくなる時間帯(夜間,日曜正午以降等)は犯罪に遭遇する確率が高くなるため,十分注意が必要です。常に周囲に気を配る,華美な服装を避ける,貴金属,腕時計など目立つ物はなるべく身につけない,危険な場所には近付かない等,常日頃からの防犯対策を心掛けてください。
ウ 幹線道路沿いにおいて,自家用車にて移動中の邦人が銃撃事件に巻き込まれ,死亡する事件が発生しています。タクシー,バン及び自家用車等の車輌を利用する際は十分注意してください。観光施設(ヴェール・オ・ペーゾ市場等)付近でも連続して車輌強盗事件等が発生していますので,施設の内外において周囲への警戒を怠らないなど,防犯対策を心がけてください。その他,強盗に抵抗した邦人が射殺されるという事件が発生しておりますので,万が一,強盗に遭った場合には,決して抵抗せず,相手の要求に素直に応じるようにしてください。
エ マラニョン州サンルイス大都市圏ではバス強盗,バスの焼き討ち事件が発生しており,犠牲者も発生しています。バスや流しのタクシーの利用は極力避け,ホテルなどの登録タクシーを利用してください。
オ バヘリーニャス市レンソインス地方で観光船等の水難事故が発生しています。川下りクルーズ等の観光船に乗船する際は,必ず救命胴衣を着用してください。
(6)ペルナンブコ州大レシフェ圏(在ブラジル日本国大使館及び在レシフェ領事事務所管轄)
ア ペルナンブコ州大レシフェ圏においては,2015年の統計によると殺人事件が1,585件(人口10万人当たり約40件、日本の約54倍),強盗事件が58,180件(人口10万人当たり約1,492件、日本の約785倍)発生しました。人通りの多い地域でも,拳銃等の銃器を使用した強盗事件が昼夜問わず発生しており,観光客が多いボアビアジェン海岸通りやマルコゼロ広場周辺においても強盗やひったくりなどの事件が発生しています。強盗と警察との銃撃戦で一般市民が巻き込まれるケースもあります。強盗に遭遇し,強引に逃走を図ったため犯人に発砲される事例もありますので,万一強盗事件に遭遇した際は犯人を刺激するような行動は避けてください。
イ レシフェ市内にはスラム街が点在しており,スラム街周辺では麻薬の密売等が頻繁に発生しているので大変危険です。多くの買い物客で賑わう大型ショッピングセンターの周囲にスラム街が存在しており,特にリオ・マールショッピングセンターやレシフェショッピングセンターの周囲では強盗事件が発生しています。
ウ 移動には公共交通機関よりも極力タクシーを利用してください。
エ 内陸部の都市カルアルとレシフェを結ぶ国道232号線では,毎年6月のサンジョアン祭の期間を中心に観光客を狙った路上強盗が発生していますので,早朝や深夜の移動は避けると共に,走行中も常に周囲の状況に注意してください。
(7)バイア州大サルバドル圏(在ブラジル日本国大使館及び在レシフェ領事事務所管轄)
ア バイア州大サルバドル圏においては,2015年の統計によれば殺人事件が1,290件(人口10万人に当たり約49件),バスを含む車両強盗が9,098件(人口10万人に当たり約312件、日本の約165倍)発生しています。
イ ホテルに比べると比較的小規模でセキュリティも脆弱なポウザーダ(民宿)を狙った強盗事件が発生しているので,宿泊はセキュリティがしっかりした施設の利用をお勧めします。
ウ 拳銃等の銃器を使用した強盗や窃盗事件が発生しており,日本人旅行者が金品やパスポート等を盗まれる被害も起きています。特に,長距離バス車内での窃盗事件及び市内観光中の路上強盗に多くの日本人旅行者が巻き込まれており,市内を走る路線バスにおける強盗も多いことから,空港やバスターミナルからホテルまでの移動もタクシーを利用してください。早朝や深夜に到着される方はタクシー降車の際にも周囲の状況に十分注意してください。
エ 銀行のATMを破壊して現金を持ち去る事件が多発していますので,銀行を利用される際には,周囲の状況に注意してください。
(8)エスピリトサント州大ビトリア圏(在リオデジャネイロ日本国総領事館管轄)
エスピリトサント州のビトリア市を含む大ビトリア圏においては,拳銃等の銃器を使用した殺人事件が発生しています。また,夏季には観光客をターゲットとした路上強盗や窃盗事件が増加していますので,十分注意が必要です。
(9)パラナ州大クリチバ圏(在クリチバ日本国総領事館管轄)
ア クリチバ市を含む大クリチバ圏においては,銀行,住居,店舗及びレストラン等を狙った武装強盗の他,車両強盗,短時間誘拐,運行中の長距離及び路線バスを武装集団が襲撃する事件が昼夜問わず発生しています。
イ パラナ州はパラグアイ国境からブラジルに流入する大量の麻薬(大麻,クラック,オキシィ等)及び火器類をはじめ,一般商品の密輸入ルートとなっており,麻薬等密輸組織絡みの殺人事件も頻発しています。
ウ クリチバ市内においては,銀行で現金を引き出した者を狙った強盗が多発しているため,必要以上の現金を引き出さないなどの注意が必要です。州文民警察も,銀行,住宅,ホテルの出入りの際には特に周囲に十分な注意を払い,多額の現金及び複数のクレジットカードを所持しないよう助言しています。
エ 車上狙いも発生しており,警戒が必要です。車両での移動は,乗り降りする際が狙われ易いため,十分な安全確認を心がけてください。なお,市内を走行する路線バス内ではスリ被害が発生していますので,バスを利用する際は十分注意してください。
(10)リオグランデドスール州ポルトアレグレ市(在クリチバ日本国総領事館及び在ポルトアレグレ領事事務所管轄)
ブラジル最南端のリオグランデドスール州はかつては比較的治安が良いとされていましたが,近年殺人事件が多発し治安が急速に悪化しています。当局のデータによると,2006年州内で発生した殺人事件(強盗致死含む)による殺害者数は1,561人であったのが,2015年には2,574人に急増。2016年では2,772人が殺害され,ポルトアレグレ市内だけでも745人が殺害されています。昨年9月にはポルトアレグレ国際空港内ターミナルで拳銃殺人事件が発生し,またポルトアレグレ市内においても,拳銃等の銃器を利用した強盗事件が発生し,本年3月には在留邦人が被害者となる強盗致死事件も起きています。
夜間の外出時は十分注意するとともに,昼間であっても人目の少ない場所を避け,大通りを通行するよう心がけてください。
3.滞在にあたっての注意(詳細は安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=259 )も併せて参照してください。)
滞在中は以下の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,各種報道のほか,日本国外務省,ブラジル国内の各在外公館(在ブラジル日本国大使館及び各日本国総領事館等(詳細は末尾の「現地大使館等連絡先」を参照)),現地関係機関等から最新の情報を入手するようお勧めします。
(1)渡航者全般向けの注意事項
ア 万一強盗事件に遭遇した場合は決して抵抗せず,生命の安全を第一に考え,冷静に行動することが肝要です。犯人が拳銃等の銃器を所持していることを常に念頭に置いて,抵抗することなく,落ち着くように心掛け,決して急な動きをしないことが大切です。また,犯人の顔を見る等,不要に犯人を刺激しないようにすることも重要です。
イ 横行している麻薬犯罪に巻き込まれる危険もあります。滞在及び出入国の際は,見知らぬ者から安易に荷物やカバン等を預かったり,これらの持ち運びを引き受けたりしないよう注意してください。また,ほとんどのスラム街は麻薬密売の拠点となっており,同所及びその周辺では麻薬密売組織間の抗争に伴う銃撃戦が頻発していますので,決して近付いたり,立ち入ったりしないでください。一部旅行会社等により同地域を対象とした観光ツアーが企画されているようですが,参加は見合わせてください。
ウ 夜間の不要不急の(特に単独での)外出は避けてください。また,夜間に自動車を運転する場合,単独での運転は極力避けてください。
エ 近年,振り込め詐欺に遭ったとの報告が増えています。犯人は,日本人及び日系人をターゲットとして,巧みに個人情報を聞き出して犯行に及ぶため,見知らぬ者から電話等で連絡があった場合は,十分注意が必要です。また,収容所等からコレクトコールで試みられる振り込め詐欺や偽装誘拐事件も発生していることから,覚えのないコレクトコールには応じないことをお勧めします。
オ 南米を1人で旅行する観光客の被害が増加していますので,旅行会社が主催するツアー等への参加をお勧めします。単独旅行をする場合は,ある程度現地の言葉を覚え,現地事情等を十分調べた上で出発するようにしてください。
カ 空港からホテル等への移動中の旅行者を狙った拳銃使用の強盗事件が多発しています。旅行者が乗っている車両に乗り込み,車両ごと被害者を拉致して金銭を強奪した後にスラム街近くで解放するという事例もあります。車両で移動する際は,不審者の有無を確認する等,周囲に十分注意してください。
キ 銀行から出た直後を狙った拳銃使用の強盗事件が多発しています。銀行で一度に多額の現金を引き出すことは避けてください。また,銀行から出る際には,周囲に十分注意し,不審な人物が周囲にいるようであれば,銀行の警備員に声をかけて安全確認を依頼するなどして様子を見てください。
ク 外出の際は,常に周囲に気を配る,閑散とした場所には近づかない,路上で財布,カメラ,スマートフォンを見せない等の防犯対策を心掛けてください。
ケ 外出及び帰宅の際には,自宅の周辺に不審者がいないか確認した上で出入りしてください。また,ホテルに宿泊する場合には,室内の安全(不審者が潜んでいないか)を十分確認してください。
コ 誘拐事件から自分自身と家族の安全を守る心構えとして,「目立たない」,「用心を怠らない」,「行動を予知されない」の三原則を念頭に,日常における予防を忘れないでください。具体的には,「目立つ服装は避ける」,「通勤時間や経路を常に変更する」,「外出や帰宅時には,不審者や不審車両等が見当たらないかチェックする」等の注意が必要です。特に,郊外のゴルフ場等への行き帰りの際など,交通量や人通りの少ない道路走行時に最大限の注意を払うようにしてください。
サ 短時間誘拐については,主として夜間に乗用車が信号待ちで停車したところや,人通りが少なく照明のない駐車場で,拳銃等の銃器で脅迫されるケースが多いとされていますので,車両で移動する際には,常に窓を閉めてドアを必ずロックし,駐車する際は照明付近で,かつ人通りのある場所をお勧めします。なお,危険を避けるために,深夜は赤信号であっても徐行して通過することが必要な場合があります。また,キャッシュカードやクレジットカードを必要時以外持ち歩かないこと,万一拘束されたら犯人の指示に従い,抵抗しないことが重要です(誘拐対策の詳細はホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html 及び http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください)。
(2)観光等短期渡航者向けの注意事項
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は,外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。「たびレジ」に渡航期間・滞在先・連絡先等を登録すると,滞在先の最新の安全情報がメールで届き,緊急時には在外公館からの連絡を受けることができます。安全情報の受け取り先として,家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので,併せてご活用ください。
(3)長期滞在者向けの注意事項
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
4.隣国のベネズエラ,コロンビア,ペルー,ボリビア,パラグアイ,アルゼンチンについてもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T039.html
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
【ポイント】大都市に限らず殺人,強盗等の凶悪犯罪が発生しているので,渡航には十分注意してください。
☆詳細については,以下の内容をよくお読みください。
1.概況
(1)ブラジルにおいては,所得格差による貧困,麻薬の売買等に起因する殺人,強盗等の凶悪犯罪が発生しています。世界的に見てもブラジルの犯罪発生率は非常に高く,日本人も被害に遭っています。また,多くの犯罪には,拳銃等の銃器が使用されており,抵抗すれば,殺害される可能性も非常に高くなりますので,注意する必要があります。凶悪犯罪は,大都市だけでなく,地方都市や日系団体等所在地及び日本人居住区においても発生しています。
(2)麻薬の売買に絡んだ組織的な犯罪も発生しており,特にリオデジャネイロ圏及びサンパウロ圏などのファベーラ(スラム街)を活動拠点とする犯罪組織間の抗争事件又はこれら組織と治安当局との間の銃撃戦が後を絶たない状況です。ファベーラ周辺では,流れ弾等により,一般市民の犠牲者も出ています。
(3)窃盗事件も多発しており,空港やホテルのロビー等での観光客を狙ったスリや置き引き,歩行者に対するひったくり,銀行等のATMや店舗でのカード利用時におけるスキミング被害が後を絶たず,日本人も被害に遭っています。常に周囲を警戒し,荷物から目を離すことなく,カードの利用時にはATMのカード挿入口に異常がないか確認するとともに,店員が不審な行動をとらないよう注意する必要があります。
(4)ブラジルにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,ロンドン,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
2.地域別情勢
ブラジリア連邦区,サンパウロ州大サンパウロ圏及びカンピーナス市,リオデジャネイロ州大リオ圏,アマゾナス州大マナウス圏,パラー州大ベレン圏,ペルナンブコ州大レシフェ圏,バイア州大サルバドル圏,エスピリトサント州大ビトリア圏,パラナ州大クリチバ圏,リオグランデドスール州ポルトアレグレ市
:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
以下の地域に渡航・滞在を予定している方,又は既に滞在中の方は,安全対策を強化し,必ず報道やインターネット等から最新の現地治安情報を入手し,自らの安全確保に努めるとともに,以下の情勢に留意し,犯罪等に巻き込まれることのないよう十分注意してください。
(1)ブラジリア連邦区(在ブラジル日本国大使館管轄)
ア ブラジリア連邦区では,殺人,強盗等の凶悪犯罪の発生件数が近年増加しています(ブラジル連邦区の公安局の統計では,2016年におけるブラジリア連邦区での殺人件数は588件,強盗等の合計は63,490件)。発生率ではブラジルの他の治安の悪い地域と同等となっています。
イ プラノピロットと呼ばれる地域においては,その中心部であるバスターミナル周辺,ショッピングセンターの駐車場及びホテル地区において,短時間誘拐や強盗などの凶悪犯罪が特に発生しているため,徒歩での移動,夜間やひと気のない場所等への外出は控えてください。また,バスターミナル周辺では麻薬の売買等も行われており,ブラジリア連邦区での2016年における検挙数は約8000件となっています。最近では日本人が多数居住する地域においても,自宅強盗が増加しています(2016年には919件もの住居侵入強盗が発生しております)。
ウ 周辺都市でも,貧困及び麻薬を起因とした犯罪発生率が高く,移動の際には事前に情報を収集する等の安全対策が必要です。特に,アグアスリンダス市,パライーゾ市,ガマ市及びセイランジア市においては,犯罪発生率が極めて高く,十分注意が必要です。
(2)サンパウロ州大サンパウロ圏及びカンピーナス市(在サンパウロ日本国総領事館管轄)
ア サンパウロ州保安局が公表した2016年中の犯罪統計では,殺人事件は減少傾向にあるものの,凶悪犯罪を含め全体的な犯罪発生件数が昨年に比べて増加しています。日本人が強盗及び窃盗の被害に遭うこともあります。
イ 信号待ちの歩行者や渋滞等停車中の車両利用者を狙った拳銃使用の路上強盗事件等の犯罪が,パウリスタ大通りや,東洋人街として知られるリベルダージ等日本人の生活圏でも発生しており,日本人も被害に遭っています。特に,今年に入り,サンパウロ市リベルダージ地区で両替を行った邦人が強盗被害に遭う事案が連続しており,被害者が亡くなるケースも発生しています。両替にあたっては,このような被害状況を十分認識し,慎重に行動するとともに,万一強盗に遭ったら身の安全を最優先に行動する必要があります。
ウ 近年,携帯電話の強盗及び窃盗事件が増加傾向にあり,パウリスタ大通りや市内中心部の人通りの多い場所でも被害に遭っています。また,セントロ地区では,定期的に薬物事犯の一斉捜査が行われ,その結果薬物常習者が周辺地域に流れ込んだ可能性もあり,リベルダージ地区やパウリスタ大通りのジャルジン地区等においても注意が必要です。
エ スリ及びひったくり等が発生しており,日本人も被害に遭っています。住宅に対する銃器を使用した強盗事件が散発し,日本人が居住するアパートでも被害が発生しています。また,繁華街においては夜間に営業中のレストランの飲食客を狙った集団強盗事件も多発し,邦人被害も発生しています。その他,ショッピングセンター内の高級装飾品店等に対する武装グループによる強奪もたびたび発生しています。
オ 「短時間誘拐」が多発しています。さらに,被害者が抵抗したため犯人が拳銃を発砲するケースが散見されています。
これらの犯罪は時間帯や場所を問わず発生しており,そのほとんどが拳銃等の銃器を使用した凶悪犯罪であるため,被害者の抵抗等を受けた犯人が発砲したり,警察官との銃撃戦となるケースもあることから,周囲の状況に気を配るなどして巻き込まれることのないよう注意をお願いします。
(3)リオデジャネイロ州大リオ圏(在リオデジャネイロ日本国総領事館管轄)
ア リオデジャネイロ州では,拳銃・自動小銃・機関銃・手りゅう弾等を使用した強盗,殺人等の凶悪犯罪が頻発しています。特に,リオデジャネイロ市を中心とした大リオ圏に点在する約1,000か所におよぶスラム街(ファベーラ)で麻薬密売組織が暗躍し,勢力争い等による銃撃戦に発展することがあります。これらの抗争に加えて麻薬密売組織に対する警察の摘発作戦においても銃撃戦となっており,一般市民が流れ弾によって死傷することがあります。2016年9月にも,邦人の居住区から近いサンタテレザ地区周辺で銃撃戦があり,複数名が死亡したほか,逃走した被疑者によって一般人が怪我をする事件が発生しています。
イ リオデジャネイロ州公安局の犯罪統計によれば,リオ市内における2015年中の犯罪認知件数は2012年に比べ9.1%(31,665件)増加しており,特に強盗事件が49.3%(26,991件)増加しています。強盗事件総数は81,740件で,リオ市民の約80人に1人が強盗被害に遭った計算となります。
ウ 旧市街地であるセントロ地区において,休日,夜間を中心に強盗事件が発生しています。特にセントロ地区内有数の観光地である水道橋前広場,カテドラル(大聖堂)周辺において,少年グループに囲まれて所持品を強奪される邦人被害が多発しており,平日であっても,ひと気のない時間帯におけるセントロ地区での移動及び観光には注意が必要です。
エ 比較的治安情勢が良好とされてきた南部地区(ゾナ・スール)においても路上強盗やスリ,ひったくりなどの犯罪が発生しており,無警戒な観光客が標的となっています。本年3月には,南部地区の高級住宅街であるイパネマ地区の海岸付近で,カーニバル観光に訪れていた外国人観光客が殺傷される事件が発生しました。
オ スマートフォン,カメラ等を狙った強盗が急増しています。本年1月にはイパネマ地区で邦人2名が凶器を所持した男2名に襲われ、強取される事件が発生したほか、同月コパカバーナ海岸において,邦人がひったくり,スリなどの被害が発生しています。外出の際には、なるべくスマートフォン等を所持していることが分からないよう,鞄やポケットの中に収納しておくなどの対策が必要です。
カ ショッピングセンターの宝石店を狙った強盗事件,海岸線,国際空港への幹線道路及び地下鉄内における集団強盗,更には繁華街における銃撃戦等が発生しています。
そのほか,特に週末の午後の時間帯を中心に,イパネマ海岸をはじめとした市内各ビーチ及びその周辺において「アハスタウン(地引き網)」と呼ばれる集団強盗事件が発生しており,海水浴時には,「貴重品をなるべく持ち歩かない」,「持ち物から目を離さない」等の対策が必要です。
強盗事件に抵抗又は逃走しようとした際に攻撃を受ける危険性は高いので,万が一,強盗に遭った場合には,決して抵抗することなく,相手の要求に素直に応じるようにしてください。
(4)アマゾナス州大マナウス圏(在マナウス日本国総領事館管轄)
ア アマゾナス州公安局が公表した2016年マナウス市犯罪件数総数は98,816件で,前年と比べ5.80%(▲6,079件)減少しています。しかし依然として犯罪発生率は高い数値を保持しており,犯罪件数総数の内の約7割は殺人,強盗,窃盗事件で占められ,強盗事件だけでも,マナウス市の人口約200万人に対し,年間4万件を超えています(1年間でマナウス市民約50人に1人が被害に遭う確率)。2016年の初めにメキシコのNGOによって発表された「世界で最も危険な都市ランキング50」において23位となっています。
イ 大マナウス圏(マナウス市及び周辺諸都市からなる大都市圏)においては,マナウス市内を中心に拳銃等の銃器を使用した殺人,強盗が発生しています。近年は市内大通りや週末などに多くの市民が集う歩行者天国において「アハスタウン(地引き網)」と呼ばれる集団による強盗事件や突発的なバス車内での強盗が頻発しております。また,これまで比較的治安が良いとされていた市内中南部においても,2016年7月には在留邦人が経営するパン店にて3人組の強盗が押し入り,警備員と銃撃戦にまで発展しています。このような銃撃戦は場所,時間を問わず発生するため,十分な注意が必要です。
ウ マナウス市はコロンビア等から流入する麻薬ルートの中継地点と言われており,現在,発生している凶悪犯罪の多くは麻薬取引に関連したものです。2017年1月にマナウス市北部近郊の刑務所で発生した大規模虐殺及び集団脱獄事件は,麻薬に絡む犯罪組織間の対立によるもので,今後各地で争いの激化が懸念されます。特に市内北部や東部は麻薬組織の潜伏エリアとされておりますので,同地域周辺には近づかないで下さい。また,麻薬使用者が麻薬購入のための金欲しさに強盗を犯すケースも増加していますので,外出の際は不審者が周囲にいないか等,常に警戒を怠らずに行動してください。
上記地区以外でも,マナウス港を含むセントロ地区では強盗,スリ,ひったくりなどの犯罪が発生しており,日本人も被害に遭っていますので,路上や施設内外においての携帯電話を含む貴重品の管理にも十分注意してください。
(5)パラー州大ベレン圏(在ブラジル日本国大使館及び在ベレン領事事務所管轄)
ア パラー州では銃火器を使用した凶悪犯罪が発生しており,公安局の犯罪統計によれば,強盗,窃盗,強盗殺人,殺人が特に増加傾向にあり,これまで比較的安全な場所とされていた市内の大型ショッピングセンター内においても発生しています。
イ 大ベレン圏内(ベレン市及び周辺大都市)で路上強盗,車両減速時や停車時を狙った強盗,短時間誘拐,バス車内での強盗,人質立てこもり,キャッシュカード等のスキミング,銀行で現金を引き出した者を狙った強盗(SAIDINHA)が発生しており,日本人も被害に遭っています。これらの犯罪は,場所や時間を問わず発生していますが,特に人通りが少なくなる時間帯(夜間,日曜正午以降等)は犯罪に遭遇する確率が高くなるため,十分注意が必要です。常に周囲に気を配る,華美な服装を避ける,貴金属,腕時計など目立つ物はなるべく身につけない,危険な場所には近付かない等,常日頃からの防犯対策を心掛けてください。
ウ 幹線道路沿いにおいて,自家用車にて移動中の邦人が銃撃事件に巻き込まれ,死亡する事件が発生しています。タクシー,バン及び自家用車等の車輌を利用する際は十分注意してください。観光施設(ヴェール・オ・ペーゾ市場等)付近でも連続して車輌強盗事件等が発生していますので,施設の内外において周囲への警戒を怠らないなど,防犯対策を心がけてください。その他,強盗に抵抗した邦人が射殺されるという事件が発生しておりますので,万が一,強盗に遭った場合には,決して抵抗せず,相手の要求に素直に応じるようにしてください。
エ マラニョン州サンルイス大都市圏ではバス強盗,バスの焼き討ち事件が発生しており,犠牲者も発生しています。バスや流しのタクシーの利用は極力避け,ホテルなどの登録タクシーを利用してください。
オ バヘリーニャス市レンソインス地方で観光船等の水難事故が発生しています。川下りクルーズ等の観光船に乗船する際は,必ず救命胴衣を着用してください。
(6)ペルナンブコ州大レシフェ圏(在ブラジル日本国大使館及び在レシフェ領事事務所管轄)
ア ペルナンブコ州大レシフェ圏においては,2015年の統計によると殺人事件が1,585件(人口10万人当たり約40件、日本の約54倍),強盗事件が58,180件(人口10万人当たり約1,492件、日本の約785倍)発生しました。人通りの多い地域でも,拳銃等の銃器を使用した強盗事件が昼夜問わず発生しており,観光客が多いボアビアジェン海岸通りやマルコゼロ広場周辺においても強盗やひったくりなどの事件が発生しています。強盗と警察との銃撃戦で一般市民が巻き込まれるケースもあります。強盗に遭遇し,強引に逃走を図ったため犯人に発砲される事例もありますので,万一強盗事件に遭遇した際は犯人を刺激するような行動は避けてください。
イ レシフェ市内にはスラム街が点在しており,スラム街周辺では麻薬の密売等が頻繁に発生しているので大変危険です。多くの買い物客で賑わう大型ショッピングセンターの周囲にスラム街が存在しており,特にリオ・マールショッピングセンターやレシフェショッピングセンターの周囲では強盗事件が発生しています。
ウ 移動には公共交通機関よりも極力タクシーを利用してください。
エ 内陸部の都市カルアルとレシフェを結ぶ国道232号線では,毎年6月のサンジョアン祭の期間を中心に観光客を狙った路上強盗が発生していますので,早朝や深夜の移動は避けると共に,走行中も常に周囲の状況に注意してください。
(7)バイア州大サルバドル圏(在ブラジル日本国大使館及び在レシフェ領事事務所管轄)
ア バイア州大サルバドル圏においては,2015年の統計によれば殺人事件が1,290件(人口10万人に当たり約49件),バスを含む車両強盗が9,098件(人口10万人に当たり約312件、日本の約165倍)発生しています。
イ ホテルに比べると比較的小規模でセキュリティも脆弱なポウザーダ(民宿)を狙った強盗事件が発生しているので,宿泊はセキュリティがしっかりした施設の利用をお勧めします。
ウ 拳銃等の銃器を使用した強盗や窃盗事件が発生しており,日本人旅行者が金品やパスポート等を盗まれる被害も起きています。特に,長距離バス車内での窃盗事件及び市内観光中の路上強盗に多くの日本人旅行者が巻き込まれており,市内を走る路線バスにおける強盗も多いことから,空港やバスターミナルからホテルまでの移動もタクシーを利用してください。早朝や深夜に到着される方はタクシー降車の際にも周囲の状況に十分注意してください。
エ 銀行のATMを破壊して現金を持ち去る事件が多発していますので,銀行を利用される際には,周囲の状況に注意してください。
(8)エスピリトサント州大ビトリア圏(在リオデジャネイロ日本国総領事館管轄)
エスピリトサント州のビトリア市を含む大ビトリア圏においては,拳銃等の銃器を使用した殺人事件が発生しています。また,夏季には観光客をターゲットとした路上強盗や窃盗事件が増加していますので,十分注意が必要です。
(9)パラナ州大クリチバ圏(在クリチバ日本国総領事館管轄)
ア クリチバ市を含む大クリチバ圏においては,銀行,住居,店舗及びレストラン等を狙った武装強盗の他,車両強盗,短時間誘拐,運行中の長距離及び路線バスを武装集団が襲撃する事件が昼夜問わず発生しています。
イ パラナ州はパラグアイ国境からブラジルに流入する大量の麻薬(大麻,クラック,オキシィ等)及び火器類をはじめ,一般商品の密輸入ルートとなっており,麻薬等密輸組織絡みの殺人事件も頻発しています。
ウ クリチバ市内においては,銀行で現金を引き出した者を狙った強盗が多発しているため,必要以上の現金を引き出さないなどの注意が必要です。州文民警察も,銀行,住宅,ホテルの出入りの際には特に周囲に十分な注意を払い,多額の現金及び複数のクレジットカードを所持しないよう助言しています。
エ 車上狙いも発生しており,警戒が必要です。車両での移動は,乗り降りする際が狙われ易いため,十分な安全確認を心がけてください。なお,市内を走行する路線バス内ではスリ被害が発生していますので,バスを利用する際は十分注意してください。
(10)リオグランデドスール州ポルトアレグレ市(在クリチバ日本国総領事館及び在ポルトアレグレ領事事務所管轄)
ブラジル最南端のリオグランデドスール州はかつては比較的治安が良いとされていましたが,近年殺人事件が多発し治安が急速に悪化しています。当局のデータによると,2006年州内で発生した殺人事件(強盗致死含む)による殺害者数は1,561人であったのが,2015年には2,574人に急増。2016年では2,772人が殺害され,ポルトアレグレ市内だけでも745人が殺害されています。昨年9月にはポルトアレグレ国際空港内ターミナルで拳銃殺人事件が発生し,またポルトアレグレ市内においても,拳銃等の銃器を利用した強盗事件が発生し,本年3月には在留邦人が被害者となる強盗致死事件も起きています。
夜間の外出時は十分注意するとともに,昼間であっても人目の少ない場所を避け,大通りを通行するよう心がけてください。
3.滞在にあたっての注意(詳細は安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=259 )も併せて参照してください。)
滞在中は以下の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,各種報道のほか,日本国外務省,ブラジル国内の各在外公館(在ブラジル日本国大使館及び各日本国総領事館等(詳細は末尾の「現地大使館等連絡先」を参照)),現地関係機関等から最新の情報を入手するようお勧めします。
(1)渡航者全般向けの注意事項
ア 万一強盗事件に遭遇した場合は決して抵抗せず,生命の安全を第一に考え,冷静に行動することが肝要です。犯人が拳銃等の銃器を所持していることを常に念頭に置いて,抵抗することなく,落ち着くように心掛け,決して急な動きをしないことが大切です。また,犯人の顔を見る等,不要に犯人を刺激しないようにすることも重要です。
イ 横行している麻薬犯罪に巻き込まれる危険もあります。滞在及び出入国の際は,見知らぬ者から安易に荷物やカバン等を預かったり,これらの持ち運びを引き受けたりしないよう注意してください。また,ほとんどのスラム街は麻薬密売の拠点となっており,同所及びその周辺では麻薬密売組織間の抗争に伴う銃撃戦が頻発していますので,決して近付いたり,立ち入ったりしないでください。一部旅行会社等により同地域を対象とした観光ツアーが企画されているようですが,参加は見合わせてください。
ウ 夜間の不要不急の(特に単独での)外出は避けてください。また,夜間に自動車を運転する場合,単独での運転は極力避けてください。
エ 近年,振り込め詐欺に遭ったとの報告が増えています。犯人は,日本人及び日系人をターゲットとして,巧みに個人情報を聞き出して犯行に及ぶため,見知らぬ者から電話等で連絡があった場合は,十分注意が必要です。また,収容所等からコレクトコールで試みられる振り込め詐欺や偽装誘拐事件も発生していることから,覚えのないコレクトコールには応じないことをお勧めします。
オ 南米を1人で旅行する観光客の被害が増加していますので,旅行会社が主催するツアー等への参加をお勧めします。単独旅行をする場合は,ある程度現地の言葉を覚え,現地事情等を十分調べた上で出発するようにしてください。
カ 空港からホテル等への移動中の旅行者を狙った拳銃使用の強盗事件が多発しています。旅行者が乗っている車両に乗り込み,車両ごと被害者を拉致して金銭を強奪した後にスラム街近くで解放するという事例もあります。車両で移動する際は,不審者の有無を確認する等,周囲に十分注意してください。
キ 銀行から出た直後を狙った拳銃使用の強盗事件が多発しています。銀行で一度に多額の現金を引き出すことは避けてください。また,銀行から出る際には,周囲に十分注意し,不審な人物が周囲にいるようであれば,銀行の警備員に声をかけて安全確認を依頼するなどして様子を見てください。
ク 外出の際は,常に周囲に気を配る,閑散とした場所には近づかない,路上で財布,カメラ,スマートフォンを見せない等の防犯対策を心掛けてください。
ケ 外出及び帰宅の際には,自宅の周辺に不審者がいないか確認した上で出入りしてください。また,ホテルに宿泊する場合には,室内の安全(不審者が潜んでいないか)を十分確認してください。
コ 誘拐事件から自分自身と家族の安全を守る心構えとして,「目立たない」,「用心を怠らない」,「行動を予知されない」の三原則を念頭に,日常における予防を忘れないでください。具体的には,「目立つ服装は避ける」,「通勤時間や経路を常に変更する」,「外出や帰宅時には,不審者や不審車両等が見当たらないかチェックする」等の注意が必要です。特に,郊外のゴルフ場等への行き帰りの際など,交通量や人通りの少ない道路走行時に最大限の注意を払うようにしてください。
サ 短時間誘拐については,主として夜間に乗用車が信号待ちで停車したところや,人通りが少なく照明のない駐車場で,拳銃等の銃器で脅迫されるケースが多いとされていますので,車両で移動する際には,常に窓を閉めてドアを必ずロックし,駐車する際は照明付近で,かつ人通りのある場所をお勧めします。なお,危険を避けるために,深夜は赤信号であっても徐行して通過することが必要な場合があります。また,キャッシュカードやクレジットカードを必要時以外持ち歩かないこと,万一拘束されたら犯人の指示に従い,抵抗しないことが重要です(誘拐対策の詳細はホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html 及び http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください)。
(2)観光等短期渡航者向けの注意事項
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は,外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。「たびレジ」に渡航期間・滞在先・連絡先等を登録すると,滞在先の最新の安全情報がメールで届き,緊急時には在外公館からの連絡を受けることができます。安全情報の受け取り先として,家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので,併せてご活用ください。
(3)長期滞在者向けの注意事項
現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は各日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
4.隣国のベネズエラ,コロンビア,ペルー,ボリビア,パラグアイ,アルゼンチンについてもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので留意してください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T039.html
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