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[NEWS]カンボジアの危険情報【危険レベル継続】(外務省 海外安全ホームページ)
2017年05月08日
【危険レベル】
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●スリや置き引き,いかさま賭博詐欺等が発生しているほか,徒歩やトゥクトゥク(三輪タクシー)での移動中にひったくり被害に遭い,引きずられたり転落したりして怪我をする事案も発生していますので,十分注意してください。
●野党党首代行の逮捕をめぐり,2016年5月,政府当局と野党支持者の間で一時緊張が高まりました。今後実施される予定の地方選挙(2017年6月)及び国政選挙(2018年)に向け,再び緊張が高まる可能性があることから,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)一般治安情勢等
カンボジアでは,スリや置き引き,ひったくりなどの一般犯罪,いかさま賭博詐欺が多発しており,日本人観光客や在留邦人が被害に遭うケースも少なくありません。最近では,日本人がトゥクトゥク(三輪タクシー)で移動中にひったくりに遭い,トゥクトゥクから転落して意識不明の重体となる事案のほか,たすき掛けにして背負っていたバッグを強引に掴まれ,引きずり倒されて怪我をする事案などの強引な手口による被害が報告されていることから,移動の際には細心の注意が必要です。また,銃器を使用した事件も多く報告されており,2013年3月には邦人が被害者となる強盗殺人事件が発生し,同年9月末にも邦人が強盗事件に遭い銃撃を受けて負傷する事件が発生しました。
昨年は,プノンペンで,手榴弾の爆発によりカンボジア人等数名が負傷した事件や,ATMから出てきたカンボジア人が拳銃で撃たれ金品を強奪される事件等が発生しています。
(2)カンボジア国内の政情
2013年7月28日に実施された国民議会議員選挙の結果,与党人民党が勝利し,同年9月24日に新政権が発足しました。野党救国党は選挙に不正があったとして国会をボイコットし,大規模集会・デモを続けましたが,与野党の断続的な協議を経て,2014年7月22日に政治合意が達成され,同年8月8日に救国党が国会に初登院し,国会は正常化しました。しかし,その後与野党間関係が悪化し,2015年10月には野党議員に対する暴力事件等が発生したほか,2016年5月には,救国党党首代行(現党首)を逮捕しようとする政府当局と救国党支持者との間で一時緊張が高まりました。今後,本年の地方選挙及び2018年の国政選挙に向け,再び緊張が高まる可能性は否定できません。
地方選挙は,2017年5月20日から6月2日までの間に国内各地で選挙キャンペーンが行われ,6月4日が投票日となります。投票終了後も選挙結果を巡り混乱が発生する可能性があることから,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
(3)テロ情勢
ア 2008年のカンボジア・ベトナム友好記念碑における爆弾事件(負傷者なし),2009年の国防省及びTV3(民放テレビ局)付近への爆発物設置事件等,テロ関連の事件が過去に発生しています。現在のところ,大規模テロにつながるような情勢の変化は認められませんが,2015年8月に発生したタイにおける爆発事件の関係者とされる男が,タイとの国境付近で逮捕される事案も発生しており,引き続き注意が必要です。
イ カンボジアにおいて,日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が複数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(4)国境情勢
カンボジアとタイの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録されたカンボジアの「プレアビヒア寺院」(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)周辺地域では,カンボジアとタイ両国が主張する国境線の違いを巡って,2008年10月以降,両国軍の間で発砲を伴う衝突がたびたび発生しましたが,その後,両国は軍の撤退に合意し,寺院付近の緊張状態は緩和されました(寺院に近接する国境ゲートは引き続き閉鎖されています。)。
国際司法裁判所(ICJ)は2013年11月,同遺跡はカンボジアに帰属するとした1962年の判決に関して,遺跡が建つ断崖一帯をカンボジア領であることを認めたものであるとの解釈を示し,タイ側はその領土に駐留させていた軍や警察部隊,その他の警備要員や守衛を撤退させる義務があると宣言しました。その後,両国政府はICJの判決を友好的に履行していく姿勢を示すとともに,2014年5月のタイにおける軍事政権の成立後も,下記(2地域情勢(3))のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域では,現在概ね平穏な状況にあります。
但し,プレアビヒア寺院の周辺地域におけるカンボジア・タイ間の国境線が確定されていない状況が続いており,今後の両国の政治情勢の変化に引き続き十分な注意が必要です。
2 地域別情勢
全土:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
(1)首都プノンペン
プノンペンでは,ひったくり・スリ・侵入盗・いかさま賭博詐欺など多様な犯罪が発生しており,日本人の被害も数多く報告されているので,十分注意してください(事例や対策については,安全対策基礎データをご参照ください)。最近では,時間帯や場所を選ばずに犯罪が起きており,手榴弾や拳銃を使用した犯罪も多発しているため,一層の注意が必要です。
(2)シェムリアップ州
アンコール遺跡が所在するシェムリアップ州は,カンボジアで最も多くの外国人観光客が訪れますが,同州においても首都プノンペンと同様,人混みの中でのスリ被害,モトドップ(オートバイタクシー)やトゥクトゥク(三輪タクシー),レンタルバイク・自転車乗車時のひったくり被害,悪質ツアーガイド等による恐喝,あるいは休憩中の置き引き被害など,旅行者が被害に遭う例が数多く報告されていますので,十分注意してください。
(3)「プレアビヒア寺院」の周辺地域
プレアビヒア州のタイとの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」の周辺地域で,両国の主張する国境線の違いを巡り,これまで,カンボジアとタイとの間で緊張状態が発生していましたが,現在は以下のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域では概ね平穏な状況が続いています。
2014年10月に開催されたカンボジア・タイの首脳会談において,フン・セン首相から,国境線を含む全ての問題を友好的な交渉によって解決を図るとの方針が示されています。
また,2008年のプレアビヒア世界遺産登録の際に設立が提案されていたにもかかわらず,両国間の対立等の情勢で設立が保留となっていたプレアビヒア寺院の保存・修復に係る国際調整委員会(ICC)が,両国出席の上,2014年12月に開催されました。更に,カンボジア側プレアビヒア寺院周辺は,タイ側と比し途中の交通手段が整備されている他,十分な警備体制がとられており,観光客が同地域で衝突等の不測の事態に巻き込まれる可能性は現時点では低いと考えられます。
他方,同寺院周辺の国境線が確定されていない状況が続いており,両国の今後の政治情勢の変化等により国境付近で再び緊張が高まる可能性は否定できず,引き続き十分な注意が必要です。
同地域周辺への渡航・滞在を予定されている方は,自らの安全確保に引き続き十分に注意し,最新の治安情勢の入手に努めるとともに,十分に信頼できる旅行エージェント,旅行ガイドを選び,状況に応じて十分な安全対策を講じるよう,心がけてください。
(4)オッドーミアンチェイ州
カンボジア北西部オッドーミアンチェイ州のタイとの国境地帯では,2010年6月以降,カンボジアとタイ両国軍の間で断続的に武力衝突が発生しており,2011年4月にはトモードーン,タークロバイ寺院及びターモアン寺院周辺で,それぞれ大規模な銃撃戦が発生し,両国軍双方に死傷者が出ました。現在事態は沈静化していますが,今後同様の武力衝突が再発する可能性は排除できません。ついては,同地域周辺に渡航・滞在を予定されている方は,在カンボジア日本大使館等から最新情報の入手に心がけるとともに,現地情勢を把握した上で,不測の事態に巻き込まれないよう行動予定を慎重に検討し,安全対策に努めてください。
(5)カンボジア北西部等(地雷埋設地域)
カンボジア北西部(バッタンバン州,バンテアイミアンチェイ州,オッドーミアンチェイ州,プレアビヒア州)及びコッコン州,ポーサット州のタイ国境沿い,また,シェムリアップ州の一部(スバイレオ郡)等では,内戦時代に埋設された地雷が今でも数多く残っており,これらの地雷に誤って触れた住民が死亡したり,大怪我をしたりする事故が現在も報告されています。地雷が埋設されている地帯には,立ち入り禁止を意味するドクロのマークが描かれた看板がありますので,この看板のある地帯には絶対に立ち入らないでください。また,看板がない場所であっても,周辺の農地や空き地,森林等へ不用意に立ち入ることのないようにしてください。
(6)カンボジア全般
過去の長期にわたる内戦の結果,国内には銃器類が広く出回っており,これらの銃器を使用した強盗事件が発生しています。また,都市部や観光地に限らず,地方都市などでもスリや置き引きのような一般犯罪が多発しており,更に,カンボジアの経済が発展するにつれ,ビジネスに絡む詐欺事件も報告されるようになっています。日本人観光客や在留邦人が被害に遭うケースも少なくありません。
ついては,カンボジアに渡航,滞在を予定されている方は,単独行動や夜間の外出は極力避け,常に周囲を警戒するなど,各種犯罪等不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
(1)国内の車両台数の増加に伴い,交通事故の発生件数も大幅に増えています。以下の点に留意してください(詳細は安全対策基礎データをご参照ください)。
ア 歩行中又は車の運転中は細心の注意を払う。
イ 日没後の移動は極力避け,やむを得ず外出する際には,できる限りトゥクトゥクの利用は避け,自家用車やメータータクシー等を利用する。
ウ トゥクトゥク利用にあたっては,利用したことのある信頼できるドライバーを電話で呼ぶか,旅行代理店から紹介を受ける。乗車後も気を抜かない。
エ モトドップ乗車中の事故は大けがにつながる恐れがあるため,乗車は避ける。
オ カンボジアで車両を運転する場合には,必ず自動車保険に加入する。
カ 外灯のない道路やヘッドライトを点灯していない車両もあるため,夜間の移動は慎重に行う。
(2)旅券(パスポート)の紛失や盗難のため,新たに旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けた場合,入国管理局にて「出国ビザ(Exit Visa)」を取得する必要がありますが,このビザの取得には少なくとも3日間(土日祝日を除く)を要し,また,プノンペンの入国管理局においてのみ発行しているため,大使館で旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けたとしても,直ぐには帰国することはできません。ついては,旅券の管理にはくれぐれも十分注意してください。
(3)最近,高齢の日本人旅行者が増えていますが,アンコール遺跡には足場の悪い場所が多くあり,転落事故も起きていますので,十分注意してください。
(4)高温多湿な気候のため,旅行中に健康を損ねる人も少なくありません。水分・ミネラルの十分な補給を心がけるとともに,疲労を感じたときは無理をせず休息をとるようにしてください。
(5)下痢などを主な症状とする消化器系の感染症や,蚊が媒介する「ジカウイルス感染症」,「デング熱」,「マラリア」及び「日本脳炎」などの感染症が流行しています。飲料水や食品の摂取には十分注意し,また,蚊に刺されないよう肌の露出を控え虫除け剤を使用する等の対策に努めてください(以下の感染症広域情報も併せてご確認ください)。
◎ジカウイルス感染症に関する注意喚起
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C064.html
◎アジア大洋州におけるデング熱の流行
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C013.html
また,高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)については,WHOの発表によれば,カンボジアでは2005年から2014年までヒトへの感染が報告されており,同国内における人の発症者数は累計で56人(うち死亡者37人)となっています。カンボジア国内の家禽類にはH5N1ウィルスが常在化しておりますので,滞在中は,ニワトリやアヒルなどの家禽類や野鳥との接触は極力避け,食事前の手洗いを励行し,食事は十分火が通った物を摂るなど,衛生管理に十分注意してください。
(参考)厚生労働省ホームページ(鳥インフルエンザA(H5N1)について):http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144523.html
(6)カンボジアの医療水準は低く,近代的な医療施設や機器もまだ十分には整っていないため,特に重い病気や負傷の場合には,タイやシンガポール等に緊急移送されることがあり,高額の移送費及び治療費を請求されることがあります。旅行に際しては,医療面に限らず,不測の事件被害あるいは事故等に備える意味からも,緊急搬送を含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。
外務省ホームページ「在外公館医務官情報」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/cambodia.html )において,カンボジア国内の衛生・医療情報等を案内していますので,渡航前にはご参照ください。
その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報( http://www.forth.go.jp/ )
(7)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T035.html
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●スリや置き引き,いかさま賭博詐欺等が発生しているほか,徒歩やトゥクトゥク(三輪タクシー)での移動中にひったくり被害に遭い,引きずられたり転落したりして怪我をする事案も発生していますので,十分注意してください。
●野党党首代行の逮捕をめぐり,2016年5月,政府当局と野党支持者の間で一時緊張が高まりました。今後実施される予定の地方選挙(2017年6月)及び国政選挙(2018年)に向け,再び緊張が高まる可能性があることから,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1 概況
(1)一般治安情勢等
カンボジアでは,スリや置き引き,ひったくりなどの一般犯罪,いかさま賭博詐欺が多発しており,日本人観光客や在留邦人が被害に遭うケースも少なくありません。最近では,日本人がトゥクトゥク(三輪タクシー)で移動中にひったくりに遭い,トゥクトゥクから転落して意識不明の重体となる事案のほか,たすき掛けにして背負っていたバッグを強引に掴まれ,引きずり倒されて怪我をする事案などの強引な手口による被害が報告されていることから,移動の際には細心の注意が必要です。また,銃器を使用した事件も多く報告されており,2013年3月には邦人が被害者となる強盗殺人事件が発生し,同年9月末にも邦人が強盗事件に遭い銃撃を受けて負傷する事件が発生しました。
昨年は,プノンペンで,手榴弾の爆発によりカンボジア人等数名が負傷した事件や,ATMから出てきたカンボジア人が拳銃で撃たれ金品を強奪される事件等が発生しています。
(2)カンボジア国内の政情
2013年7月28日に実施された国民議会議員選挙の結果,与党人民党が勝利し,同年9月24日に新政権が発足しました。野党救国党は選挙に不正があったとして国会をボイコットし,大規模集会・デモを続けましたが,与野党の断続的な協議を経て,2014年7月22日に政治合意が達成され,同年8月8日に救国党が国会に初登院し,国会は正常化しました。しかし,その後与野党間関係が悪化し,2015年10月には野党議員に対する暴力事件等が発生したほか,2016年5月には,救国党党首代行(現党首)を逮捕しようとする政府当局と救国党支持者との間で一時緊張が高まりました。今後,本年の地方選挙及び2018年の国政選挙に向け,再び緊張が高まる可能性は否定できません。
地方選挙は,2017年5月20日から6月2日までの間に国内各地で選挙キャンペーンが行われ,6月4日が投票日となります。投票終了後も選挙結果を巡り混乱が発生する可能性があることから,常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
(3)テロ情勢
ア 2008年のカンボジア・ベトナム友好記念碑における爆弾事件(負傷者なし),2009年の国防省及びTV3(民放テレビ局)付近への爆発物設置事件等,テロ関連の事件が過去に発生しています。現在のところ,大規模テロにつながるような情勢の変化は認められませんが,2015年8月に発生したタイにおける爆発事件の関係者とされる男が,タイとの国境付近で逮捕される事案も発生しており,引き続き注意が必要です。
イ カンボジアにおいて,日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,パリ,ブリュッセル,イスタンブール,ジャカルタ等でテロ事件が複数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
(4)国境情勢
カンボジアとタイの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録されたカンボジアの「プレアビヒア寺院」(タイ側呼称:カオ・プラ・ウィハーン遺跡)周辺地域では,カンボジアとタイ両国が主張する国境線の違いを巡って,2008年10月以降,両国軍の間で発砲を伴う衝突がたびたび発生しましたが,その後,両国は軍の撤退に合意し,寺院付近の緊張状態は緩和されました(寺院に近接する国境ゲートは引き続き閉鎖されています。)。
国際司法裁判所(ICJ)は2013年11月,同遺跡はカンボジアに帰属するとした1962年の判決に関して,遺跡が建つ断崖一帯をカンボジア領であることを認めたものであるとの解釈を示し,タイ側はその領土に駐留させていた軍や警察部隊,その他の警備要員や守衛を撤退させる義務があると宣言しました。その後,両国政府はICJの判決を友好的に履行していく姿勢を示すとともに,2014年5月のタイにおける軍事政権の成立後も,下記(2地域情勢(3))のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域では,現在概ね平穏な状況にあります。
但し,プレアビヒア寺院の周辺地域におけるカンボジア・タイ間の国境線が確定されていない状況が続いており,今後の両国の政治情勢の変化に引き続き十分な注意が必要です。
2 地域別情勢
全土:「レベル1:十分注意してください。」(継続)
(1)首都プノンペン
プノンペンでは,ひったくり・スリ・侵入盗・いかさま賭博詐欺など多様な犯罪が発生しており,日本人の被害も数多く報告されているので,十分注意してください(事例や対策については,安全対策基礎データをご参照ください)。最近では,時間帯や場所を選ばずに犯罪が起きており,手榴弾や拳銃を使用した犯罪も多発しているため,一層の注意が必要です。
(2)シェムリアップ州
アンコール遺跡が所在するシェムリアップ州は,カンボジアで最も多くの外国人観光客が訪れますが,同州においても首都プノンペンと同様,人混みの中でのスリ被害,モトドップ(オートバイタクシー)やトゥクトゥク(三輪タクシー),レンタルバイク・自転車乗車時のひったくり被害,悪質ツアーガイド等による恐喝,あるいは休憩中の置き引き被害など,旅行者が被害に遭う例が数多く報告されていますので,十分注意してください。
(3)「プレアビヒア寺院」の周辺地域
プレアビヒア州のタイとの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」の周辺地域で,両国の主張する国境線の違いを巡り,これまで,カンボジアとタイとの間で緊張状態が発生していましたが,現在は以下のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域では概ね平穏な状況が続いています。
2014年10月に開催されたカンボジア・タイの首脳会談において,フン・セン首相から,国境線を含む全ての問題を友好的な交渉によって解決を図るとの方針が示されています。
また,2008年のプレアビヒア世界遺産登録の際に設立が提案されていたにもかかわらず,両国間の対立等の情勢で設立が保留となっていたプレアビヒア寺院の保存・修復に係る国際調整委員会(ICC)が,両国出席の上,2014年12月に開催されました。更に,カンボジア側プレアビヒア寺院周辺は,タイ側と比し途中の交通手段が整備されている他,十分な警備体制がとられており,観光客が同地域で衝突等の不測の事態に巻き込まれる可能性は現時点では低いと考えられます。
他方,同寺院周辺の国境線が確定されていない状況が続いており,両国の今後の政治情勢の変化等により国境付近で再び緊張が高まる可能性は否定できず,引き続き十分な注意が必要です。
同地域周辺への渡航・滞在を予定されている方は,自らの安全確保に引き続き十分に注意し,最新の治安情勢の入手に努めるとともに,十分に信頼できる旅行エージェント,旅行ガイドを選び,状況に応じて十分な安全対策を講じるよう,心がけてください。
(4)オッドーミアンチェイ州
カンボジア北西部オッドーミアンチェイ州のタイとの国境地帯では,2010年6月以降,カンボジアとタイ両国軍の間で断続的に武力衝突が発生しており,2011年4月にはトモードーン,タークロバイ寺院及びターモアン寺院周辺で,それぞれ大規模な銃撃戦が発生し,両国軍双方に死傷者が出ました。現在事態は沈静化していますが,今後同様の武力衝突が再発する可能性は排除できません。ついては,同地域周辺に渡航・滞在を予定されている方は,在カンボジア日本大使館等から最新情報の入手に心がけるとともに,現地情勢を把握した上で,不測の事態に巻き込まれないよう行動予定を慎重に検討し,安全対策に努めてください。
(5)カンボジア北西部等(地雷埋設地域)
カンボジア北西部(バッタンバン州,バンテアイミアンチェイ州,オッドーミアンチェイ州,プレアビヒア州)及びコッコン州,ポーサット州のタイ国境沿い,また,シェムリアップ州の一部(スバイレオ郡)等では,内戦時代に埋設された地雷が今でも数多く残っており,これらの地雷に誤って触れた住民が死亡したり,大怪我をしたりする事故が現在も報告されています。地雷が埋設されている地帯には,立ち入り禁止を意味するドクロのマークが描かれた看板がありますので,この看板のある地帯には絶対に立ち入らないでください。また,看板がない場所であっても,周辺の農地や空き地,森林等へ不用意に立ち入ることのないようにしてください。
(6)カンボジア全般
過去の長期にわたる内戦の結果,国内には銃器類が広く出回っており,これらの銃器を使用した強盗事件が発生しています。また,都市部や観光地に限らず,地方都市などでもスリや置き引きのような一般犯罪が多発しており,更に,カンボジアの経済が発展するにつれ,ビジネスに絡む詐欺事件も報告されるようになっています。日本人観光客や在留邦人が被害に遭うケースも少なくありません。
ついては,カンボジアに渡航,滞在を予定されている方は,単独行動や夜間の外出は極力避け,常に周囲を警戒するなど,各種犯罪等不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
(1)国内の車両台数の増加に伴い,交通事故の発生件数も大幅に増えています。以下の点に留意してください(詳細は安全対策基礎データをご参照ください)。
ア 歩行中又は車の運転中は細心の注意を払う。
イ 日没後の移動は極力避け,やむを得ず外出する際には,できる限りトゥクトゥクの利用は避け,自家用車やメータータクシー等を利用する。
ウ トゥクトゥク利用にあたっては,利用したことのある信頼できるドライバーを電話で呼ぶか,旅行代理店から紹介を受ける。乗車後も気を抜かない。
エ モトドップ乗車中の事故は大けがにつながる恐れがあるため,乗車は避ける。
オ カンボジアで車両を運転する場合には,必ず自動車保険に加入する。
カ 外灯のない道路やヘッドライトを点灯していない車両もあるため,夜間の移動は慎重に行う。
(2)旅券(パスポート)の紛失や盗難のため,新たに旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けた場合,入国管理局にて「出国ビザ(Exit Visa)」を取得する必要がありますが,このビザの取得には少なくとも3日間(土日祝日を除く)を要し,また,プノンペンの入国管理局においてのみ発行しているため,大使館で旅券や「帰国のための渡航書」の発給を受けたとしても,直ぐには帰国することはできません。ついては,旅券の管理にはくれぐれも十分注意してください。
(3)最近,高齢の日本人旅行者が増えていますが,アンコール遺跡には足場の悪い場所が多くあり,転落事故も起きていますので,十分注意してください。
(4)高温多湿な気候のため,旅行中に健康を損ねる人も少なくありません。水分・ミネラルの十分な補給を心がけるとともに,疲労を感じたときは無理をせず休息をとるようにしてください。
(5)下痢などを主な症状とする消化器系の感染症や,蚊が媒介する「ジカウイルス感染症」,「デング熱」,「マラリア」及び「日本脳炎」などの感染症が流行しています。飲料水や食品の摂取には十分注意し,また,蚊に刺されないよう肌の露出を控え虫除け剤を使用する等の対策に努めてください(以下の感染症広域情報も併せてご確認ください)。
◎ジカウイルス感染症に関する注意喚起
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C064.html
◎アジア大洋州におけるデング熱の流行
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2017C013.html
また,高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)については,WHOの発表によれば,カンボジアでは2005年から2014年までヒトへの感染が報告されており,同国内における人の発症者数は累計で56人(うち死亡者37人)となっています。カンボジア国内の家禽類にはH5N1ウィルスが常在化しておりますので,滞在中は,ニワトリやアヒルなどの家禽類や野鳥との接触は極力避け,食事前の手洗いを励行し,食事は十分火が通った物を摂るなど,衛生管理に十分注意してください。
(参考)厚生労働省ホームページ(鳥インフルエンザA(H5N1)について):http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144523.html
(6)カンボジアの医療水準は低く,近代的な医療施設や機器もまだ十分には整っていないため,特に重い病気や負傷の場合には,タイやシンガポール等に緊急移送されることがあり,高額の移送費及び治療費を請求されることがあります。旅行に際しては,医療面に限らず,不測の事件被害あるいは事故等に備える意味からも,緊急搬送を含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。
外務省ホームページ「在外公館医務官情報」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/cambodia.html )において,カンボジア国内の衛生・医療情報等を案内していますので,渡航前にはご参照ください。
その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報( http://www.forth.go.jp/ )
(7)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )
3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
引用元:外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T035.html
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